作成日
:2020.12.02
2021.08.31 15:31
先月30日、ビットコイン(BTC/USD)価格は、1万8,093ドルの安値から1万9,850ドルの高値まで急騰し、史上最高値を更新した。
現在、ビットコイン価格は前日から6.6%増となる1万9,436ドル付近を推移しているが、10日および50日移動平均線を上回っており、依然として強気な兆候を示している。これに関してBlockFiのZac Prince氏は、過去30日間で個人投資家の口座残高が25%以上増加している事実を示し、ビットコイン価格が個人投資家の買いに押し上げられていると言及した。実際に個人投資家が主要なユーザーとなるコインベースやビットスタンプ、Kraken(クラーケン)、ジェミニ、ItBitなどの仮想通貨取引所では、同日の日間取引量が15億ドルとなり過去6カ月の平均4億8,800万ドルを遥かに上回っているという。
一方、GSRのRich Rosenblum氏は、機関投資家が仮想通貨に投資するためのインフラが拡大していることを指摘し、今回のビットコイン価格の高騰は2017年のものと性質が異なると主張した。また、Rosenblum氏は仮想通貨取引や決済、カストディサービスが洗練されてきていることに加え、連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board, FRB)が量的緩和を行って米ドルのインフレを誘発していることから、来年もこのトレンドが継続すると予想している。同じく複数の仮想通貨アナリストも、仮想通貨関連サービスを本格始動したペイパルやスクエア(Square)などの決済企業が仮想通貨市場に資金を供給し、引き続きビットコイン価格の上昇を後押しすると見通しているようだ。
しかしながら米国財務省が新たな仮想通貨規制を検討していることが噂されるなど、ビットコイン価格の上昇を妨げる可能性がある材料も出てきている。MessariのビットコインアナリストであるRyan Watkins氏は、新型コロナウイルス(COVID-19)によるパンデミックと米大統領選挙が同仮想通貨に対する人々の関心を惹きつけたと分析しているが、クジラと呼ばれる大口投資家の売りが入れば、一気に形成逆転となる可能性もあると言えるだろう。元BloombergのアナリストであるKevin Kelly氏は、ビットコイン価格の上昇が継続するかは幅広いカテゴリーの投資家に影響されると語っている。
ビットコイン価格は過去最大級の下げ幅を記録した今年3月から400%以上、年初から167%の上昇を見せているが、この勢いはどこまで継続するのか、今後も同仮想通貨の動向を見守っていきたい。
release date 2020.12.02
AllianceBernsteinのInigo Fraser Jenkins氏によると、新型コロナウイルスによるパンデミック後の経済環境の変化がビットコインの役割を生み出し、同仮想通貨がインフレリスクをヘッジする金のような特性を持ち始めているという。これに伴って機関投資家のビットコインに対する関心も高まっており、最近ではMacro Opportunities Fundと呼ばれるファンドがグレースケールのGrayscale Bitcoin Trustに最大10%の資産を割り当てることを発表している。これまでもグレースケールはビットコインの有用性を示してきたが、このタイミングで同社の主張が金融業界に浸透しつつあるようだ。今では多くのヘッジファンドマネージャーがビットコインを長期投資に必要な資産と認めつつあるだけに、今後もこの流れが加速していく可能性があると言えるだろう。
作成日
:2020.12.02
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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