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HSBC、デリバラブルなFX取引サービスを拡充する方針

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update 2021.08.31 15:31
HSBC、デリバラブルなFX取引サービスを拡充する方針

update 2021.08.31 15:31

多市場で様々な通貨の送金サービスを提供する意向

世界最大級の投資銀行であるHSBC(本社:8 Canada Square London E14 5HQ United Kingdom[1])は、無料のモバイル送金サービスであるGlobal Money Accountをリリースし、デリバラブルなFX取引サービスの拡充を図る方針だ。[2]

Global Money Accountは20か国を超える国々の顧客に対し、24時間リアルタイムに様々な通貨の保管や送金ができるサービスを無料で提供するという。顧客は既存のバンキングアプリを5回タップするだけで、同サービスへ即座にアクセスできるとのことだ。HSBCは最初に米国でGlobal Money Accountをリリースし、2021年中に他の市場でもサービスを展開する予定だという。今回のサービス拡充でHSBCは、トランスファーワイズ(TransferWise)やレボリュート(Revolut)など、ボーダレス口座を提供するフィンテック企業に奪われた市場シェアの奪還を図る計画である。尚、トランスファーワイズはmastercardとの提携強化でほぼ全ての国々でトランスファーワイズカードの発行を可能とした他、アリペイ(Alipay)とも提携し、17種類の通貨で中国人民元を即座に送金できるサービスも開始している。

新サービスの開始に際し、HSBC米国のデジタルペイメントウェルス・パーソナルバンキング部門ヘッドを務めるCarolyn Criscitiello氏は以下のようにコメントしている。

全ての顧客ニーズに対応した単一口座としてGlobal Money Accountをリリースすることにより、お客様は市場ごとに新たな口座を開設する必要なく既存口座を利用できるようになります。これにより、多市場に対応した支払いやクロスボーダー送金を可能とし、どこにいても自国で資金を取引しているようなサービスを提供することができるでしょう。

Carolyn Criscitiello, head of digital payments wealth and personal banking, HSBC USA - Finextraより引用

またHSBC以外にも、Sucden FinancialがデリバラブルなFX市場におけるシェア拡大を模索している。同社は少数の大手金融機関が支配しているデリバラブルなFX取引市場において30年以上の経験を誇っており、法人や個人とのFX取引を手掛けるマネーサービス事業者(Money Service Business, MSB)やFXプロバイダーを顧客として持つ。また、ノンバンクの同社は、革新的なテクノロジーを有する決済プロバイダーと過去数年にわたり強固な関係性を構築しているという。

グローバル展開するHSBCは、多様な顧客ニーズに対応すべく様々な分野でサービス拡充を推進している。例えば、HSBCはNDFアルゴリズム執行ツールをリリースした他、HSBCはブロックチェーン活用でコスト削減にも成功している。そして今回、同行はGlobal Money Accountをリリースすると共に、他行と協働して即座の国際送金サービスを提供することで、デリバラブルなFX取引サービスの強化を図る計画だ。

release date 2020.11.11

出典元:

ニュースコメント

デリバラブルなFX取引サービスの強化を目論む金融サービスプロバイダー

デリバラブルなFX取引とは、取引当事者がコンファメーションにおいて指定した外貨の受け渡しを伴う取引のことである。同取引は旅行資金から数百万ドル規模に上る企業の資金決済に至る広範な通貨取引をカバーすると共に、レバレッジを活用せず、規制が整備された収益性の高い市場と見なされている。一方、有力フィンテック企業が注力している分野でもあり、HSBCやSucden Financial以外にも複数の金融サービスプロバイダーが、顧客基盤の維持・拡大に向けてデリバラブルなFX取引サービスの強化を図っている状況だ。例えば、サンタンデール銀行は英国で迅速・安全・低コストの送金アプリであるPagoFXをリリースした。またFX業界で豊富な経験を有するJohn Webb氏が運営するCannyFXのように、企業決済市場への参入を試みるブローカー向けに各種ツールを提供する企業も出てきている。更にEquitiの機関投資家セールス部門グローバルヘッドを務めるHormoz Amir Faryar氏は、チャレンジャーバンクが主要金融機関による買収ターゲットになっている他、リテールFXブローカーとの合併もあり得ると見ている。広範な領域をカバーするデリバラブルなFX取引市場において、伝統的金融機関やブローカーが革新的なソリューションを提供すべく、フィンテック企業やチャレンジャーバンクと如何なる関係性を構築するのか注目したい。


Date

作成日

2020.11.11

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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