作成日
:2020.12.10
2022.04.18 14:58
オーストラリア最大のリテールFXブローカーであるPepperstone Group Limited(本社:Level16, Tower One, 727 Collins Street, Melbourne, VIC 3008, Australia
)【以下、Pepperstoneと称す】は、4か月ほど前にドイツ連邦金融監督局(Die Bundesanstalt für Finanzdien Stleistungsaufsicht, BaFin)よりライセンスを取得したドイツの子会社であるPepperstone GmbH【以下、Pepperstoneドイツ法人と称す】が、サービスの提供を開始したことを発表した。Pepperstoneは本拠地のオーストラリアにおけるプレゼンス拡大に加え、グローバル市場の開拓を積極的に推進する方針だ。2020年に創業10周年を迎えた同社は、既にドバイとケニアで金融サービスライセンスを取得している他、11月にPepperstoneはCySECよりライセンスを取得している。今回、サービスの提供を開始したPepperstoneドイツ法人は、ダッハ(DACH)と呼ばれるドイツとオーストリア、スイスのドイツ語圏において顧客開拓に注力するという。
新法人の始動に際し、PepperstoneのグループCEOを務めるTamas Szabo氏とPepperstoneドイツ法人のゼネラルマネージャーを務めるTobias Reichert氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。
ドイツ法人の努力のおかげで、我が社はドイツ語圏のお客様とより緊密な関係性を構築することができます。ドイツは欧州で最も魅力的な国の一つであり、現地の投資家に我々の専門性やテクノロジーを提供することを楽しみにしております。
Tamas Szabo, Group CEO of Pepperstone - Finance Magnatesより引用
我々は洗練された市場であるドイツとオーストリアに参入し、最良執行やプライシングといった顧客ニーズにマッチしたサービスの提供を開始します。ドイツにおいて、我が社が有する専門性の高いチームが結束し、お客様の取引をサポートしていく考えであります。
Tobias Reichert, General Manager of Pepperstone GmbH - Finance Magnatesより引用
Pepperstoneドイツ法人がドイツ語圏の各国市場における特有のニーズへ的確に対応することで、更なる顧客基盤の拡大が期待できそうだ。
release date 2020.12.10
ブレグジット情勢に鑑み、Pepperstoneのみならず、他の金融サービスプロバイダーも大陸欧州に新たなビジネス拠点を設けている。直近では、ゴールドマンサックスがフランスに株式取引ハブを開設する方針を示している他、JPモルガンチェースやバンクオブアメリカ・メリルリンチといった大手金融機関も、英国から経営資源のシフトを進めている。また、INTLはGIROXXを買収し、ブレグジット後を見据えた継続的なサービスの提供を試みている状況だ。ブレグジットによって欧州の規制環境が大きく変化すると見られており、特に、パスポーティング制度を活用して大陸欧州でサービスを提供する英国金融行動監視機構(FCA)規制下の企業に甚大な影響を及ぼすと予想されている。ブレグジットの移行期間が終了する2020年末までは、これらの企業がクロスボーダーの金融サービスを提供することが可能だ。しかしながら、ブレグジット交渉がまとまらず、コンティンジェンシープランが準備されていなければ、欧州各国を拠点とする投資家は英国市場と分断されることになる。交渉が難航しているブレグジット動向に目を転じると、12月9日に英国とEU首脳が直接会談したという。依然として複数の分野において両者の間に大きな相違が見られる中、市場の注目が集まるトップ会談の行方はどうなったのか、続報が気になるところだ。
作成日
:2020.12.10
最終更新
:2022.04.18
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
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