作成日
:2020.12.09
2021.08.31 15:31
ブロックチェーンインテリジェンスプラットフォームのChainalysisは、日本最大のシステムインテグレーターのひとつである日立製作所【以下、日立と称す】およびソフトバンクグループ傘下のSB C&Sとパートナーシップを締結したことを発表した。
今回、日立およびSB C&SはChainalysisのアジア地域における最初のパートナー企業となっており、同社のソリューション展開を加速させる役割を担うという。これに関してChainalysisのCRO(Chief Revenue Officer)であるJason Bonds氏は、日立およびSB C&Sと協業し、安全かつ規制に準拠した同社のソリューションをアジア地域でサポートできることを喜ばしく思うとコメントしている。一方、SB C&Sのエグゼクティブディレクターである本美洋平氏は、ブロックチェーンが既存の業務を近代化する上で重要な要素となっていると指摘しており、それに伴ってコンプライアンスソリューションの需要が拡大し続けていると言及した。
最近、Chainalysisはアジア太平洋地域での製品展開を強化しており、東京とシンガポールに新しくオフィスを開設して販売や専門的なサービス、トレーニングを提供する予定だという。既にオーストラリアにおいてChainalysisは仮想通貨関連企業3社と提携し、意思決定をサポートするためのコンプライアンスソリューションを提供している。
ChainalysisはシリーズC(拡大のためより多くの資金を調達する段階)の投資ラウンドで1億ドルの資金調達を実施し、評価額が10億ドル以上のユニコーン企業となることが期待されている。同社がこれら日本企業と協業することで、どのような成果をあげるのか、今後も同社の取り組みに注目していきたい。
release date 2020.12.09
2014年に設立されたChainalysisは業界で高い評価を受けており、米国内では政府機関などにもソリューションを提供している。実際にChainalysisは今年初めに米当局の調査支援を行い、ダークウェブのマーケットプレイスであるSilk Roadから10億ドル相当のビットコイン(Bitcoin)を押収することに成功したという。また、Chainalysisはワイオミング州金融当局とも協業しており、マネーロンダリング防止(AML)や仮想通貨関連犯罪への対応を強化しているようだ。この流れを受けて業界では、ConsenSysがCodefi Complianceをローンチするなど、競合他社の動きが流動的になってきている。ブロックチェーン分野のコンプライアンスソリューションに対する需要は世界規模で拡大しているが、仮想通貨市場はどのように変化していくのか、今後も業界の動向を見守っていきたい。
作成日
:2020.12.09
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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