作成日
:2020.12.08
2021.08.31 15:31
パブリックブロックチェーンのカルダノ(Cardano)を開発するIOHKは、同プロトコルの第3開発フェーズへ移行するために、12月中にハードフォークを実施する予定であることを発表した。
2015年に立ち上げられたカルダノは、5つの開発フェーズを通じて複数回のハードフォークの実施を予定している。過去にカルダノは2回のハードフォークを経てシステムの基礎構築と分散化を実現しており、現在はGoguenと呼ばれる第3開発フェーズでスマートコントラクトの統合に焦点を当てたアップデートを行うことを計画しているという。今回のハードフォークでカルダノは、最も重要な新機能のひとつであるトークンロックメカニズム(Token-Locking Mechanism)をメインネットに実装し、スマートコントラクトを活かしたエスクローなどをサポートする見通しだ。
これに関してIOHKのソフトウェアエンジニアであるKevin Hammond氏は、トークンロックメカニズムがカルダノの分散型台帳に与える影響はわずかだと言及した上で、同プロトコルがスマートコントラクトに対応することが重要であると強調した。また、Hammond氏はカルダノがネイティブトークン以外の仮想通貨発行に対応可能となることを明らかにしている。これに加え、カルダノは残り2つの開発フェーズであるBashoとVoltaireでブロックチェーンのスケーリングとガバナンス機能を改善するという。
最近、eToroがカルダノとトロンのステーキングサービスを開始するなど、同仮想通貨に対する注目が高まってきているが、今後もIOHKの取り組みを見守っていきたい。
release date 2020.12.08
イーサリアムが今年中のETH2.0立ち上げを公言するなど、近年、多くの仮想通貨プロジェクトがPoS(プルーフ・オブ・ステーク)へのコンセンサスアルゴリズムの移行を目指している。既にカルダノはPoSベースのシステムを運用しており、それをパブリックブロックチェーンに移植して強化することを目的に一連のハードフォークを進めているという。これに対して人気仮想通貨テゾス(Tezos)の共同開発者であるKathleen Breitman氏は、PoSネットワークの構築が極めて困難かつ膨大な調整コストを必要とすると言及し、コンセンサスアルゴリズムの移行が一筋縄ではいかないことを警告した。カルダノは最終的に毎秒1万件のトランザクションを処理するブロックチェーン構築を目指しており、仮想通貨サービスを本格始動したペイパルなどにも劣らない決済システムを開発しようとしているが、この試みを成功に導くことができるのか、今後もその動向に注目していきたい。
作成日
:2020.12.08
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
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