Select Language

ASIC、個人投資家向けのCFD規制策を正式導入

ASIC、個人投資家向けのCFD規制策を正式導入

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.01.12 10:58
ASIC、個人投資家向けのCFD規制策を正式導入

update 2022.01.12 10:58

最大レバレッジを30倍に制限

オーストラリア証券投資委員会(本社:Level 5, 100 Market Street, Sydney, NSW 2000 Australia[1])【以下、ASICと称す】は、個人投資家保護を徹底すべく、CFD取引に係る規制策を正式に導入したことを発表した。[2]

ASICが導入したCFD規制策においては、アセットクラスのボラティリティに応じたレバレッジ制限が設けられている。商品別の最大レバレッジは、メジャー通貨が30倍、マイナー通貨と金、主要インデックスが20倍、金を除くコモディティとその他株式インデックスが10倍、個別株式とその他リファレンス関連商品が5倍、仮想通貨が2倍となる。また同委員会は、2015年のスイスフランショックにより多くの投資家が預託金以上の損失を被ったことに鑑み、ゼロカット方式の採用を義務付けた他、近年、過剰な取引の要因となっている金銭的及び非金銭的なインセンティブの提供を禁止した。

2019年4月、オーストラリア議会で財務省関連法案の修正議決が可決されたことを受け、個人投資家に甚大な損失をもたらし得る金融商品を規制するASICの権限が強化された。続く、2019年8月にASICはバイナリーオプション・CFD規制策案を公表した。同委員会が導入した新規制策は、欧州証券市場監督局(The European Securities and Markets Authority)【以下、ESMAと称す】がバイナリーオプションの禁止及びCFDの取引制限を導入した規制策と調和のとれたものになっている。但し、ESMAの規制策においては、個人投資家のCFD取引における損失割合を含むリスク警告の掲載が義務付けられているが、ASICはリスク警告やその他のディスクロージャー規制を採用しない模様だ。尚、同委員会が公表した2018年データによると、バイナリーオプション、CFD取引を行った投資家の内、それぞれ80%、72%が損失を被っており、金額にするとバイナリーオプションで約4億9,000万ドル、CFD取引で約15億ドルの損失になったという。この結果を受け、ASICが規制強化に踏み切ったと見られている。

ASICがレバレッジ制限や強制ロスカット、ゼロカット方式といった新CFD規制策を導入したことで、オーストラリアを拠点とするブローカーの経営に大きな影響を及ぼすと予想されるため、これらの企業が如何なる対応策を講じるか注目したい。

release date 2020.10.26

出典元:

ニュースコメント

グローバル戦略を推進する豪拠点の金融サービスプロバイダー

ASICが個人投資家にとってリスクの高い金融商品取引の規制を強化する一方で、オーストラリア最大のリテールFXブローカーであるPepperstoneのCEO、Tamas Szabo氏が、同委員会の規制策に問題を提起している。また、現状において複数の規制策を遵守して事業を行っていることに鑑み、多くのブローカーが当局による新たな規制策の導入に対して疑問を投げかけている。このような市場環境下において、同国を拠点とする金融サービスプロバイダーが、新たな収益源となる市場を求めてグローバル戦略を推進している。例えば、シドニーを拠点にデジタル証券取引プラットフォームを提供するStakeは英国でブローカレッジサービスを開始した他、メルボルンを拠点とするフィンテック企業のAirwallexは1億6,000万ドルの資金を調達し、欧米や中東などの新市場開拓や企業買収に活用する意向を示している。オーストラリアで規制が強化される中、海外に活路を見出す金融サービスプロバイダーが、顧客基盤の拡大に向けて画期的なソリューションを提供することに期待したい。


Date

作成日

2020.10.26

Update

最終更新

2022.01.12

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨USUALの将来性は?RWA活用のステーブルコインプロトコルを解説

仮想通貨USUALは、ステーブルコインプロトコル「Usual」のガバナンストークンです。Usualは、BlackRockなどからRWA(現実資産)を集約してステーブルコインを発行し、その収益をコミュニティに再分配するプロトコルとして注目を集めています。
update2024.11.20 20:00

Milton Marketsが2024年11月より最大100%分入金ボーナスを開催

Milton Marketsで期間限定の100%入金分ボーナスキャンペーンが開催されます。当記事では100%入金分ボーナスの概要や、注意点を中心に解説していきましょう。
update2024.11.20 19:30

スマホ版MT4のやさしい使い方ガイド~iPhone&Androidの基本操作~

この記事では、優先的に押さえておきたいMT4アプリの機能を5つのグループにまとめ、iPhone版とAndroid版での使い方を解説します。「基本操作を手っ取り早く確認したい!」という方はぜひご活用ください。
update2024.11.20 19:00

ZoomexがクリプトバトルZを開催!毎週開催の取引大会で現物USDTやボーナスを獲得

2024年11月1日、海外取引所のZoomex(ズーメックス)が、取引大会シリーズ「クリプトバトルZ」を開催しました。ラウンドごとの特典総額は3,480ドル相当です。当記事では、クリプトバトルZの詳細や参加方法、注意点を解説します。
update2024.11.15 20:00

ゴールドラッシュXMは本当に儲かるのか?ほぼ破綻リスクゼロのEAの実力は

ゴールドラッシュXMのランディングページで謳われている「1ヵ月で取引資金が2倍に」、「破綻リスクはほぼゼロ」という宣伝文句に違わぬ実力が備えられているのか、フォワードテスト・バックテストを実施して検証しました。
update2024.11.14 20:30

Titan FXがブラックフライデーキャンペーンを開催!取引でキャッシュバックが付与

Titan FXが、2024年11月25日(月)からブラックフライデーキャンペーンを開催します。今回のキャンペーンでは、FX通貨ペア銘柄またはゴールドを1ロット取引するごとに500円のキャッシュバックが付与されます。
update2024.11.14 20:00

XMTradingが仮想通貨CFDのスプレッドを縮小!どのくらい狭くなったか検証

2024年10月25日にXMTradingが仮想通貨CFDのスプレッドを縮小しました。この記事では、BTCUSDとETHUSDのスプレッドの計測結果やほかのFX業者と比較した結果を解説します。
update2024.11.14 19:30

Milton Marketsが11月の1万円FXチャレンジとXリポストキャンペーンを開催!

Milton Marketsで、11月の1万円チャレンジが開催されます。この記事では、開催期間や上位入賞の条件、これまでの1万円チャレンジと変わった点などを解説します。
update2024.11.14 19:00

XMTradingがお歳暮プロモを開催!100%入金ボーナスを付与

海外FX業者のXMTradingが2024年10月15日から11月15日までお歳暮プロモを開催することを発表しました。キャンペーン期間中に対象口座へ入金すると、100%の入金ボーナスが付与されます。新規・既存ユーザーの両方が対象です。
update2024.11.12 19:30

Zoomexがあったか冬支度応援キャンペーンを開催!総額76万円相当のビットコインとAmazonギフト券がもらえる

Zoomex(ズーメックス)が、あったか冬支度応援キャンペーンを開催しました。各種条件をクリアすると、総額76万円相当のビットコインとAmazonギフト券を獲得できます。キャンペーン開催期間は、2024年11月19日〜11月25日までです。
update2024.11.07 19:30
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル