作成日
:2020.10.26
2021.08.31 15:31
米国の大手仮想通貨取引所であるKraken(クラーケン)は、日本の居住者向けのサービスを再開し、同プラットフォームにおける入金および仮想通貨取引を有効化したことを発表した。
2018年にコインチェックが500億円規模のハッキング被害を受けた後、金融庁(Japan Financial Services Agency, JFSA)が仮想通貨関連企業の取り締まりを強化した際に、Krakenは日本国内でのサービスを停止した。しかしながら、Krakenは今年9月8日に資金決済法に基づいて仮想通貨交換業者としてのライセンスを取得し、サービス再開を決定したという。
今回、Krakenはビットコイン(Bitcoin)、イーサリアム(Ethereum)、リップル(Ripple)、ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)、ライトコイン(Litecoin)を対象としたスポット取引サービスの提供を発表した。ユーザーはこれらの仮想通貨と日本円の通貨ペアに加え、仮想通貨同士の通貨ペアも取引することが可能となっている。また、ユーザーはSBI住信ネット銀行を介して日本円による入出金を行うことができるという。
日本でサービスを再開することに関して、KrakenのCOO(Chief Operating Officer)であるDavid Ripley氏は、より多くの人々が仮想通貨に注目していると言及し、期待感を露わにしているが、これがどのような成果を上げるのか、今後も同取引所の取り組みに注目して行きたい。
release date 2020.10.26
最近、Krakenは米ワイオミング州から銀行憲章を取得して銀行サービスの統合を図る傍ら、アジア太平洋地域での事業拡大に注力している。実際に、Krakenは豪ドルをサポート対象に追加しており、同地域でのユーザーベース獲得を狙っているようだ。その他、Krakenはインド市場での事業拡大に乗り出すことを決定し、仮想通貨に対して厳しい姿勢を見せるインド準備銀行(Reserve Bank of India, RBI)の動きをうかがいながら、インド国民約13億人に向けたサービス提供の準備を進めているという。今回、Krakenは日本でサービスを再開できたことがアジア太平洋地域で飛躍するための足がかりになる可能性があると評価している。現在、日本の仮想通貨市場はコロナ禍で低迷する株式市場に代わって盛り上がりを見せているが、Krakenは日本でのサービス再開を後押しに、アジア太平洋地域でプレゼンスを発揮することができるのか、今後も同地域での展開を見守って行きたい。
作成日
:2020.10.26
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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