作成日
:2020.06.18
2021.08.31 15:33
米国の大手仮想通貨取引所であるKraken(クラーケン)は、7種類目の法定通貨となる豪ドルの取り扱いを開始し、同通貨による入出金および仮想通貨取引をサポートすることを発表した。
現在、Krakenは米ドル、カナダドル、スイスフラン、ユーロ、英ポンド、日本円の法定通貨を取り扱っている。今回、Krakenはこのラインナップに豪ドルを加え、ビットコイン(Bitcoin)、イーサリアム(Ethereum)、ライトコイン(Litecoin)、リップル(Ripple)、ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)、テザー(Tether)との通貨ペアを上場したという。また、米国外のクライアントは豪ドルを軸に米ドル、ユーロ、日本円の為替ペアも取引可能になると同時に、OskoおよびPayID対応のオーストラリアの銀行を通じて即時入金を実行できる。
最近、Krakenはより柔軟な仮想通貨取引サービスを提供することを念頭に、新しくイーサリアムおよびテザー、英ポンドを軸とした11種類の通貨ペアのサポートを開始した。これまでKrakenではビットコインキャッシュとイーサリアムなど、特定の仮想通貨ペアを購入する際に複数回の取引が必要だったが、直接的に取引可能な通貨ペアが徐々に増えてきている。
今年1月にオーストラリアの老舗取引所であるビットトレードを買収して以降、Krakenは6兆ドルの規模を誇る外国為替市場への参入を進めており、FX取引サービスを強化している状況だ。既存の金融業界と仮想通貨業界の架け橋的な存在を目指すKrakenはインド市場での事業拡大に乗り出すなど精力的な動きを見せているが、今後も同社の取り組みに注目していきたい。
release date 2020.06.18
最近、米国では下院公聴会でCFTC元会長がデジタルドルの重要性を示唆するなど、中央銀行発行の独自デジタル通貨(Central Bank Digital Currency)【以下、CBDCと称す】に対する関心が高まっている。民間ではVISAが新技術の特許申請を行なっており、CBDCを現実的に利用するためのインフラ開発なども進んでいる状況だ。将来的に米国では法定通貨と仮想通貨の境界線が曖昧になり、Krakenが目指すような業界を超えたシームレスな市場環境が完成する可能性があるが、経済や金融システムにどのような影響をもたらすかは明らかになっていない。それでも米上院では仮想通貨やブロックチェーンによる革新が避けられないところまできているとの声も上がっており、CBDCの導入は必然的だとの認識が高まっているが、最終的に米政府はこれを受け入れるのか、今後も同国での展開を見守っていきたい。
作成日
:2020.06.18
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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