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ESMA、ステークホルダーグループに加わる新メンバーを選出

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update 2022.01.13 13:07
ESMA、ステークホルダーグループに加わる新メンバーを選出

update 2022.01.13 13:07

各種規制策が市場及び投資家に与える影響に関する助言を期待

欧州証券市場監督局(The European Securities and Markets Authority)【以下、ESMAと称す】は、監督局理事会(Board of Supervisors)の承認を受け、金融市場における全てのステークホルダーの利益を代表する証券市場ステークホルダーグループ(Securities and Markets Stakeholders Group)【以下、SMSGと称す】に加わるメンバーリストを公表した。[1]

SMSGは、金融市場における広範なステークホルダーの利益を代表する30名で構成される。同グループはESMAと主要ステークホルダーとの意見調整に加え、同局の政策立案や技術的基準及びガイドラインの策定などへの助言を行うほか、EU法の適用や各国の監督業務における矛盾や不整合を指摘する役割を担っている。2020年2月、ESMAはSMSGのメンバーを募集しており、130名の立候補者から、消費者や金融サービスの利用者、市場参加者、金融機関の従業員、中小企業(SME)、学術機関など、多岐にわたるメンバーを選出したという。新メンバーは、2020年7月1日から4年にわたり任務に就くとのことだ。

新メンバーの公表に際し、ESMAの局長を務めるSteven Maijoor氏は以下のようにコメントしている。

ESAレビューに基づき我が局に新たな権限と責任が課せられる重要な時期に、新メンバーを迎えたSMSGは業務を開始します。向こう数年において、我々は資本市場同盟(Capital Markets Union)やサステナブルファイナンス、金融イノベーションなど新たな政策領域に注力する方針であり、同グループに対しては、各種規制策が欧州金融市場及び投資家に与える潜在的な影響について助言して頂くことを期待しております。SMSGは地理や職業などのバックグラウンドが異なるメンバーを選出しているため、欧州全域の全ての利害を考慮できるでしょう。私は今回職務を離れるメンバーの献身に感謝すると共に、後任のメンバーと協働することを楽しみにしております。

Steven Maijoor, Chair of ESMA - ESMAより引用

ESMAが新たなメンバーを迎えたSMSGと協調し、如何なる規制策を講じるか注目したい。

release date 2020.06.18

出典元:

ニュースコメント

各国当局と協調した効果的な規制フレームワークの構築を目指すESMA

足元において、ESMAは2020年の監督業務計画の修正版を公表している。同計画の中で重点監督事項に位置づけられているサステナブルファイナンスや、信用格付機関(CRA)及び取引情報蓄積機関(TR)の直接監督などに加え、金融市場に甚大な影響を及ぼしている新型コロナウイルス(COVID-19)関連の規制策の策定においても、同局はSMSGと密に連携していくものと推察される。他方で、金融市場がグローバル化及び複雑化する中、ESMAは世界各国当局と協調し、市場の安定化や活性化に向けた施策を講じている状況だ。例えば、新型コロナ禍においてEU各国当局の空売り規制延長に対し同意の方針を示しているほか、ESMAはASICと覚書を締結し、オーストラリアのベンチマークの活用を模索している。その他にも、欧州銀行監督機構(EBA)及び欧州保険年金監督機構(EIOPA)と協調して、欧州初となるマネーロンダリング防止(AML)及びテロ資金供与対策(CTF)専門の監督カレッジの創設を試みている。同局が各国規制当局や様々な機関と連携して、実体経済や市場動向に即した効果的な規制フレームワークを構築することを期待したい。


Date

作成日

2020.06.18

Update

最終更新

2022.01.13

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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