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豪ユニコーン企業、Airwallexが1億6,000万ドルの資金を調達

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update 2021.08.31 15:33
豪ユニコーン企業、Airwallexが1億6,000万ドルの資金を調達

update 2021.08.31 15:33

調達資金を欧米や中東などの市場開拓に活用する方針

オーストラリア・メルボルンを拠点とするフィンテック企業のAirwallex(本社:Level 7/15 William St. Melbourne, VIC 3000, Australia[1])は4月16日、シリーズD(スタートアップの資金調達における一段階)を通じて1億6,000万ドルの資金を調達し、企業価値が3億6,000万ドルまで高まったことを発表した。[2]

AirwallexのシリーズDには、DST Global、Tencent(テンセント)、Sequoia Capital China、Hillhouse Capital、Horizons Venturesなどの既存の投資家に加え、ANZ bank(オーストラリア・ニュージーランド銀行)のベンチャーキャピタル部門、Salesforce Ventures(セールスフォース・ベンチャーズ)といった投資家も参加したという。Airwallexは、調達資金を欧米や中東などの新市場の開拓、企業買収、新製品の開発などに活用する模様だ。

資金調達の成功に際し、同社の共同創業者兼CEOであるJack Zhang氏は以下のようにコメントしている。

世界中でデジタル化が推し進められており、そう遠くない将来に銀行業務を含む全てのビジネスがオンライン上で提供される可能性があります。我が社は設立当初より、迅速でアジャイルなテクノロジーを活用したプラットフォームの開発や継続的な商品の改良、専門性の高い顧客サポートチームへの投資を通じ、グローバルな金融インフラを構築するというビジョンを掲げております。新たに資金調達に成功したことにより、我々は規模の大小に関わらず市場環境の変化への適応を図る企業をサポートすべく、サービスを安定的に提供できると考えております。

Jack Zhang, co-founder and CEO of Airwallex - Airwallexより引用

2015年に創業したAirwallexは、複数国をまたいで事業を展開する企業を対象に、様々な国から資金の受取りが可能な外貨口座を含むクロスボーダーの金融ソリューションを提供し、既にユニコーン企業の仲間入りを果たしている。同社はシリーズCの資金調達後、東京とバンガロール、ドバイの3都市に進出した。また、VISAと提携しAirwallex Borderless Cardsをリリースしたほか、会計ソフトのXeroと機能統合を実現させている。更に、同社は2020年に香港で新商品をリリースする見込みだ。新たに資金調達に成功したAirwallexが講じる次なる一手に注目したい。

release date 2020.04.20

出典元:

ニュースコメント

有力フィンテック企業への資金流入は継続している模様

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大による影響を受け、グローバル金融市場は混乱をきたしている。そのため、各国当局が金融システムの安定化を図るべく、各種規制及び支援策を矢継ぎ早に講じている状況だ。例えば、ESMAが空売り規制延長に同意したほか、FCAが最良執行の報告義務要件を緩和している。更に、MASが為替介入データの公表を前倒しした。一方で、Airwallex以外にもチャレンジャーバンクのレボリュートがシリーズDで5億ドル以上の資金調達に成功するなど、優れたテクノロジーを有する新興企業への資金流入は継続している模様だ。尚、AirwallexはH2 VenturesとKPMGが共同で作成した「フィンテック100」(2019年版)において、トップ50の有力フィンテック企業に選出されており、同社が繰り出す付加価値ソリューションに市場の注目が集まっている。経済の活性化を図りたい各国政府による政策面の後押しを受けつつ、世界各国のフィンテック企業が、決済や送金、資産運用、保険、融資など、様々な分野で画期的なソリューションを開発することを期待したい。


Date

作成日

2020.04.20

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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