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BME、新たなビッグデータプラットフォームをリリース

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update 2021.08.31 15:31
BME、新たなビッグデータプラットフォームをリリース

update 2021.08.31 15:31

取引コスト分析や最良執行に寄与

スペイン・マドリード証券取引所などを運営するBolsas y Mercados Españoles(本社:Plaza de la Lealtad 1 28014 MADRID Spain[1])【以下、BMEと称す】は、子会社のBME Inntechを通じて、証券ブローカーやブローカーディーラー、ファンドマネージャーを対象に、取引コスト分析(Transaction Cost Analysis)【以下、TCAと称す】や最良執行に寄与するビッグデータプラットフォームをリリースした。[2]

BMEのビッグデータプラットフォームを活用することで、市場参加者は広範な情報ソースにアクセスし、各ブローカーが提示する証券取引コストに関する執行クオリティの分析に加え、最良執行方針を実践できるようになるという。またユーザーは、市場や顧客、ブローカー、トレーダーに区分したコスト分析の要約を含む、詳細なTCAレポートを作成することも可能だ。

新プラットフォームが様々な潜在的費用を算出することで、トレーダーはリクイディティプロバイダー(流動性供給業者)の比較や、データビジュアライゼーション技術を活用した過去の取引データの評価ができるようになる。加えて、金融サービスプロバイダーにとっても、規制に沿った取引レポーティングに必要とされる全てのデータの取得や統合が可能になるとのことだ。

新プラットフォームのリリースに際し、BME Inntechのゼネラルマネージャーを務めるBerta Ares氏は以下のようにコメントしている。

過去数年にわたり、我々は明示的費用である取引手数料を削減してきましたが、執行管理において、潜在的費用の重要性が高まっております。潜在的費用の算出及びブローカーの選定に際し、多くの投資家がTCA関連レポートの活用を望んでいる状況です。

Berta Ares, General Manager of BME Inntech - BMEより引用

BMEは、バリューチェーン全体を網羅したソリューションを提供するテクノロジーパートナーとしての地位向上を模索している。今回、同社はビッグデータを活用したエンドツーエンドソリューションを提供することで、更なる顧客取引の拡大が期待できそうだ。

release date 2020.10.01

出典元:

ニュースコメント

活況を呈す市場データ関連ビジネス

欧州の金融業界では、第二次金融商品市場指令(MiFIDⅡ)に基づいた最良執行義務が課せられており、市場参加者は取引の透明性を高めるべく、TCAソリューションの活用を求めている。このような市場環境下において、複数の金融サービスプロバイダーが、運用パフォーマンスの改善や透明性の向上につながる多様なデータ関連ソリューションの提供を試みている状況だ。特に、膨大な市場データのマネタイズを推し進める証券取引所は、市場データ関連ビジネスを注力分野として位置づけている。例えば、ドイツ取引所はQuantitative Brokers株の過半数を取得し、データドリブンな分析ソリューションの提供を模索している。またユーロネクスト(Euronext)傘下のユーロネクストFXがCruxと提携し、FX市場データの提供を試みている他、ロンドン証券取引所グループ(LSEG)は傘下のリフィニティブ(Refinitiv)を通じて、市場データ関連ビジネスの強化を推し進めている。加えて、Virtu Financialがポストトレード分析ツールをリリースしており、プレーヤー間の競争は激しさを増しているといえる。ビッグデータや機械学習などの活用が進む中、今後も多くの金融サービスプロバイダーが画期的な市場データ関連ソリューションを提供することに期待したい。


Date

作成日

2020.10.01

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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