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ロビンフッド、オプション取引サービスを大幅刷新

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update 2022.08.05 17:21
ロビンフッド、オプション取引サービスを大幅刷新

update 2022.08.05 17:21

サービス利用要件を厳格化

米国のシリコンバレーを拠点とし、取引手数料無料のモバイルアプリを提供するRobinhood Markets, Inc.【以下、ロビンフッドと称す】は9月8日、オプション取引サービスの利用要件厳格化を含め、同取引サービスを大幅刷新したことを発表した。[1]

ロビンフッドを通じてオプション取引を行った20歳のAlex Kearns氏が、投資余力及びオプションの資産価値を表していた73万ドル以上のマイナスを損失と勘違いして自殺したことを受け、同社はオプション取引サービスを改善する方針を示していた。

ロビンフッドはユーザーの口座残高や投資余力の表示方法を変更すると共に、オプション取引の利用要件を厳格化し、同商品の取引レベルを従来のレベル2からレベル3へと引き上げた。また同社は、オプション取引を望む顧客に対し、投資経験や知識に加え、収入などの財務情報の提供を求めている。これらを基に、ロビンフッドは顧客によるオプション取引を承認すべきか否か審査するとのことだ。加えて、同社は数百人規模のサポートスタッフを採用し、サウスレイク(Southlake)とテキサス(Texas)、テンピ(Tempe)、アリゾナ(Arizona)のオフィスに割り当て、回答時間の削減とセルフサービスツールの開発及び取引情報や投資教育コンテンツの充実化を図るという。

またロビンフッドは、注文方法の改善や早期の権利行使割当てに関連した情報の充実化を図るべく、複数のオプション注文のスプレッドや複雑な取引手法などに関するアプリ内のメッセージ及びeメール内容を改良した。更に、同社はアプリ上でダイレクトにオプション取引を執行する機能をリリースした他、インターフェースの改良に加え、取引の遅滞や制限を回避すべく、資金の借り入れを即座に行える体制を構築する方針だ。

急成長を遂げるロビンフッドがオプション取引サービスを大幅刷新する中、顧客獲得動向にどのような影響が及ぼされるか注目したい。

release date 2020.09.10

出典元:

ニュースコメント

投資初心者向け教育コンテンツの強化が求められる金融サービスプロバイダー

米国では、投資初心者がロビンフッドのアプリを通じて初めて取引するケースが目立つことから、同社における取引情報や教育コンテンツの強化は喫緊の課題と言える。また度重なるシステム障害を受け、ロビンフッドは英国でのサービスを中止しインフラ強化に注力する方針を示している。しかし、足元では情報開示や投資初心者保護を巡って米規制当局から調査を受けるなど、コンプライアンス上の問題も浮き彫りとなっている。他方で、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックを受け、グローバルベースで投資の世界に参入するトレーダーが急増する中、投資意思決定に寄与するソリューション提供を試みる金融サービスプロバイダーが散見されている。例えば、Mitradeはプラットフォームを刷新し、新たな教育ツールを導入した他、DevexpertsはFXStreetの経済指標カレンダー機能を導入している。ロビンフッドは大きな飛躍を遂げる裏で様々なひずみが生じている中、投資初心者でも安心・安全に取引できる環境整備に向けた取り組みを強化することに期待したい。


Date

作成日

2020.09.10

Update

最終更新

2022.08.05

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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