作成日
:2020.08.28
2021.08.31 15:32
メッセージングアプリを運用するLINE(ライン)グループ【以下、LINEと称す】は、子会社のLVC株式会社【以下、LVCと称す】およびLINE TECH PLUS PTE. LTD.【以下、LINE TECH PLUSと称す】がブロックチェーンサービス開発プラットフォームのLINE Blockchain Developersと、仮想通貨ウォレットのBITMAX Walletの提供を開始したことを発表した。
これにより、企業はLINEのプラットフォームを介して独自仮想通貨の発行、デジタル資産のトークン化、分散型アプリ(DApps)の運用を行えるようになったという。LINEは企業がブロックチェーン技術を簡単に導入できる環境を構築することを目標に、これらのサービスをローンチしたと言及している。
以前からLINEは、LINE Blockchainと呼ばれる独自ブロックチェーンの開発を進めており、2018年にはビットコイン(Bitcoin)やイーサリアム(Ethereum)などの主要な仮想通貨との取引を可能にするLINKトークン(LINK Token)を発行している。また、LINEはLINE Token Economyと呼ばれる構想を掲げ、その実現のためにLINE Blockchain Labを立ち上げている。これに加え、LINEは仮想通貨取引所のBitBoxを運営しており、昨年9月にLINEは金融庁のライセンスを取得することに成功した。
現時点でLINEは8,400万人を超えるユーザーベースを抱えているだけに、このようなサービスとの親和性が高まれば、同社の仮想通貨関連事業は大きく成長する可能性があると言えるだろう。
release date 2020.08.28
近年、仮想通貨市場にはKikやテレグラム、Facebook(フェイスブック)などの世界的なメッセージングアプリを開発する企業が参入してきており、独自仮想通貨の発行に向けた取り組みを進めている。しかしながら、いずれの企業も政府当局とのトラブルを抱え、その試みが難航しているようだ。特に米国ではICOの正当性をめぐりKikが事業停止するなど、仮想通貨市場の統制を強める証券取引委員会(US Securities and Exchange Commission)【以下、SECと称す】とこれらの企業が衝突しているという。その他、SECはテレグラムの独自仮想通貨の販売を違法と判断し、その販売を停止するよう命じている状況だ。LINEは子会社のLVC USAを通じ米国の仮想通貨市場に事業を展開しているが、米当局は同社の仮想通貨関連事業をどのように評価しているのか、今後も同国市場での動きに注目していきたい。
作成日
:2020.08.28
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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