作成日
:2020.08.28
2021.08.31 15:32
Fidelity Investments【以下、フィデリティ投信と称す】のチーフストラテジストであるPeter Jubber氏が、新しいビットコイン(Bitcoin)インデックスファンドの申請書を米証券取引委員会(US Securities and Exchange Commission)【以下、SECと称す】に提出したことが明らかになった。
この新しいファンドはWise Origin Bitcoin Index Fund I, LPとの名称で申請され、最低購入額が10万ドルに設定されている。SECへの申請書では、ファンドの構成や商品に関する詳細は開示されていないものの、フィデリティ投信やその関連子会社を通じて富裕層向けに販売される見通しだ。
現在、フィデリティ投信は8兆ドルの顧客資産を管理しており、業界でも積極的に仮想通貨市場への投資を促進するリーダー的な存在となっている。実際にフィデリティ投信は2018年にFidelity Digital Asset Servicesを立ち上げ、ヘッジファンドや家族経営企業などの機関投資家向けのカストディサービスやOTC(店頭取引)サービスを提供している。また、フィデリティ投信はニューヨーク州で仮想通貨関連企業向けのライセンスを取得しているため、仮想通貨関連の分野にも事業を展開することが可能だ。
その他にも、フィデリティ投信はカナダのマイニング企業であるHut 8の株式を10.6%取得するなど、仮想通貨業界で影響力を持ち始めている。最近、フィデリティ投信はErisXとの協業で仮想通貨の流動性を強化しており、仮想通貨関連事業に注力する姿勢を見せているが、今後も同社の取り組みを見守っていきたい。
release date 2020.08.28
仮想通貨市場の拡大を受け、金融業界は仮想通貨に投資する機会を投資家に提供すべく、様々な仮想通貨関連商品を生み出している。特に米国では、FINRA(Financial Industry Regulatory Authority)の承認を受けたグレースケールが仮想通貨インデックスファンドを上場するなど、既存の投資市場の枠組みの中で仮想通貨に投資することが可能となっている。その他にも、最近ではNew York Digital Investment Groupが新たなビットコインファンドを運用するために、1億9,000万ドルもの資金調達に成功した。また、カナダではファンド管理会社の3iQがトロント証券取引所に上場し、投資家の注目を集めているという。今回、フィデリティ投信がビットコインインデックスファンドをリリースしたことは、業界にとっても重大な出来事だと言えるが、仮想通貨コミュニティはどのような反応を見せるのか、今後もその動向に注目していきたい。
作成日
:2020.08.28
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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