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フィデリティ投信、ErisXとの協業で仮想通貨の流動性を強化

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update 2021.08.31 15:32
フィデリティ投信、ErisXとの協業で仮想通貨の流動性を強化

update 2021.08.31 15:32

中央指値注文台帳でスポット市場における取引環境を向上

Fidelity Investments【以下、フィデリティ投信と称す】の子会社であるFidelity Digital Assets【以下、FDAと称す】が、クリアリングハウスメンバーとしてErisXと提携し、同社の仮想通貨取引サービスにおける流動性を向上させたことが明らかになった。[1]

今月9日の発表によると、FDAはパートナー企業としてErisXと協業することを決定しており、中央指値注文台帳(Central Limit Order Book)導入によるスポット市場の流動性確保に成功したという。これまでFDAは仮想通貨事業を欧州市場に拡大するために拠点の新設に加え、カストディサービスや取引執行サービスなどの強化に取り組んできた。今回、FDAはErisXが規制に準拠すると同時に、カウンターパーティーのリスク分析能力や取引ツールを有していることを高く評価しており、長年にわたる両社のパートナーシップを拡大していく方針であることを示した。2018年末にErisXが2,750万ドルの資金調達に成功した際、フィデリティ投信は資金提供を行い、同社の事業立ち上げを後押しした経緯がある。

FDAの製品部門で責任者を務めるTerrence Dempsey氏は、このパートナーシップに関して次のようにコメントしている。

我が社はカストディサービスと連動する取引執行プラットフォームを有しており、マッチングエンジンを介してユーザーの取引を検証し、処理できない場合は流動性プロバイダーなどの外部ネットワークを通じて注文を約定することを実現しています。このシステムでは流動性のタイプを識別することができますが、ユーザー側からは何の変化も見られません。但し、ErisXを通じて透明性の高い市場にアクセスすることは、仮想通貨取引の流動性を向上させるでしょう。我が社は現時点では必要としていないものの、将来重要になるであろう投資に関して、機関投資家と議論を続けており、これがマクロな視点での成長につながると思っています。

Terrence Dempsey, Head of Product at Fidelity Digital Asset - CoinDeskより引用

一方、ErisXのCEOであるThomas Chippas氏は、両社の関係性に関して次のようにコメントしている。

このパートナーシップは我が社が長年取り組んできたことの成果だと考えられます。誰もが知っている金融サービス企業から投資を受けた事実は、それ自体が大変なことですが、これらの企業は仮想通貨市場に興味を示しており、我が社が手がける中央指値注文台帳のコンセプトの正しさを証明する可能性があると言えるでしょう。クライアントであるユーザー全員が平等な機会を得て、最適な価格で取引できるようになることは素晴らしい進歩だと思います。

Thomas Chippas, CEO of ErisX - CoinDeskより引用

Chippas氏は既存の金融機関を仮想通貨市場に導くことを念頭に、継続的にクリアリングハウスのメンバーを募集すると言及し、ErisXが既にTD AmeritradeやTradeStationなどの企業を引き入れていることを伝えた。また、Chippas氏は業界にとって仮想通貨が普及することが重要になると指摘しているが、FDAやErisXのソリューションがどのような変化をもたらすのか、今後も両社の取り組みに注目していきたい。

release date 2020.04.13

出典元:

ニュースコメント

取引環境の改善で証券ブローカーの参入が加速

仮想通貨市場では流動性の低さが問題となっていたが、機関投資家の参入に伴い主要な流動性サービスが登場したことで取引環境が飛躍的に改善されつつある。これを機に既存の証券ブローカーによる仮想通貨市場への進出が加速しており、昨年4月にはイー・トレードが仮想通貨取引サービスの開始を計画していることが報道された。これらの企業は、FDAと同様に完成された取引システムやユーザーインターフェースを有しているため、流動性さえ確保できれば、迅速に仮想通貨取引サービスをローンチすることができると考えられる。日本を始めとする一部市場では、政府機関から仮想通貨関連事業者としてライセンスの取得が義務付けられているものの、大手金融機関であればそれが妨げとなることは殆どない。実際にFDAはニューヨーク州のBitLicenseを取得しており、次々と仮想通貨関連事業の立ち上げを実現しているが、次はどの企業が参入してくるのか、今後も仮想通貨市場での動きに注目していきたい。


Date

作成日

2020.04.13

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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