Select Language

加メガバンク5行、同国のFinancial Data Exchange立ち上げに参画

加メガバンク5行、同国のFinancial Data Exchange立ち上げに参画

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:32
加メガバンク5行、同国のFinancial Data Exchange立ち上げに参画

update 2021.08.31 15:32

顧客データ保護などに関する業界標準を確立したオープンバンキングを推進

カナダのメガバンク5行が、消費者のデータ共有に関して安全性や柔軟性が高く、相互運用が可能な業界標準を確立したオープンバンキングを推進すべく、同国におけるFinancial Data Exchange【以下、FDXと称す】の立ち上げに参画したことが明らかになった。[1]

今回立ち上がったカナダのFDXには、カナダロイヤル銀行(Royal Bank of Canada)とトロント・ドミニオン銀行(TD Bank Group)、スコシア銀行(Scotiabank)傘下のタンジェリン銀行(Tangerine Bank)、モントリオール銀行(Bank of Montreal)、CIBC(Canadian Imperial Bank of Commerce)の大手5行に加え、フィンテック企業やアグリゲーター(データ仲介を行う事業者)やクレジットカード会社など、合計31社が参画している。

カナダは、オープンバンキングの導入に向けたレビューを行っている段階である。同国財務省(Department of Finance Canada)は2018年、金融機関が保有する顧客データに対し、サードパーティーが容易にアクセスできる政策を導入した英国を参考に、導入すべきか否かの調査を行う諮問委員会を立ち上げた。ただし、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックを受け、足元では顧客データ保護に加え、プライバシーやセキュリティなどの課題に対応した業界標準の確立に向けたパブリックコンサルテーションが進捗していない状況だ。尚、カナダ銀行協会(Canadian Bankers Association, CBA)は従来、顧客データをサードパーティーへ提供するオープンバンキングは、広範なリスクが高まるとして警戒心を強めていた。

米国では、英国のように政府がイニシアチブを握らず、産業界が主導する形で様々な取り組みが推進している。既に100社以上がFDX APIへ接続し、約1,200万人の消費者が関連サービスを利用しているという。カナダのFDXは、銀行やアグリゲーター、フィンテック企業、決済業者、消費者団体、その他の金融業界関係者など多様な企業の参画を見込んでいる模様だ。FDXのマネージングディレクターを務めるDon Cardinal氏は、カナダのFDX立ち上げは産業界が主導するイニシアチブの成功を意味し、消費者及び事業者の保護とバンキングプロセスの簡素化を図る上で、共通の金融データ共有に関する業界標準の確立に寄与すると述べている。

今回カナダのFDXに参画したメガバンク5行が、顧客の利便性向上に寄与するオープンバンキングを推進し、如何なるソリューションを提供するか注目したい。

release date 2020.08.03

出典元:

ニュースコメント

オープンバンキングで世界に先んじる欧州

オープンバンキングは、フィンテック企業などのサードパーティーが、APIを活用して金融機関が保有する顧客データへアクセスし、その情報を基に多様なソリューション提供を行う仕組みである。欧州は世界に先駆けてオープンバンキングを推進すべく、決済サービス指令(PSD2)などの規制を整備し、金融機関に対しAPI接続を義務付けた。また、英国は大手金融機関による寡占状態に終止符を打ち、革新的なソリューションを創出すべく、積極的にオープンバンキングを推進している。そのため、欧州及び英国では多くのフィンテック企業が、APIを活用した様々なサービスを展開している状況だ。例えば、チャレンジャーバンクのレボリュートがTrueLayerと連携したオープンバンキングを開始し、アプリ上で複数の外部銀行口座の閲覧を可能としている。その他にも、KapilendoとVarengold Bankが融資制度の電子申請サービスの提供を開始したほか、バークレイズがFXSpotStream向けに流動性供給を開始した。世界各国がオープンバンキングを推進する中、今後も顧客の利便性向上に向けた官民の取り組みが活発化しそうだ。


Date

作成日

2020.08.03

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨KAITOの将来性は?AI活用のWeb3情報プラットフォームKaito AIの特徴や評判を解説

仮想通貨KAITOは、Web3の情報アクセスを変革する次世代プラットフォーム「Kaito AI」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨KAITOの概要や将来性、Kaito AIが提供するYapsの仕組み、SNSでの評判などを解説します。
update2025.02.19 19:00

FXGTでの出金拒否報告が増加中、これまでとは違う危険な兆候とは?

FXGTの出金拒否の報告・原因のほか、ユーザーの流出状況などをまとめました。SNS上ではここ数ヶ月の間に出金拒否に関する投稿が増加しており、ユーザーの間では「自分も出金拒否されるのでは」「FXGTがつぶれるのでは」といった不安が広がっています。
update2025.02.14 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

仮想通貨SOSOの将来性は?AI活用の投資分析プラットフォームSoSoValueがトークン発行

仮想通貨SOSOは、中央集権型金融の効率性と分散型金融の透明性を組み合わせた投資分析プラットフォーム「SoSoValue」のガバナンストークンです。当記事では、仮想通貨SOSOの将来性やSNSでの評判、SoSoValueの特徴などを解説します。
update2025.01.24 19:30

Bybitからビットフライヤーに送金してみた!送金手数料や反映時間は?

Myforex編集部では、実際にBybitからビットフライヤー(bitFlyer)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、送金手順のほか、送金手数料やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2025.02.19 19:30

【全て無料】MT4/MT5を日本時間にできるインディケータのおすすめが決定!

MT4/MT5に表示されている時間は、インディケータを使えば簡単に日本時間へ変えられます。MT4/MT5を日本時間表示にしておくと、各市場のトレンドを把握しやすくなったり、経済指標の発表時間に合わせた取引がしやすくなったりと、何かと便利です。
update2024.12.04 20:00

VPSではMT4・EAは何個起動できる?複数稼働は可能なのか?

スペック別のEAの起動数の目安のほか、VPSの負担を軽くする方法を説明します。同時に起動するEAの数が多すぎると、MT4が動かなくなる可能性があるので注意が必要です。VPSを使っているならば、MT4やEAをいくつ起動できるかを把握しておくことが大切です。
update2025.01.23 19:00

MacのMT4/MT5はダウンロードしても使えない?文字化けや起動しない時の対策方法や最終手段を紹介!

Mac版のMT4やMT5は不具合が良く発生するため、自分の使い方が悪いのか不安を感じている人もいるのではないでしょうか。本記事では、Mac版のMT4・MT5のトラブルや解決方法を解説します。
update2024.12.04 20:30

コインチェックからBybitに送金してみた!送金手数料や反映時間についても解説

コインチェック(Coincheck)からBybitに仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験やSNSでの口コミなども交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.11.29 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル