作成日
:2020.07.28
2021.08.31 15:32
大手仮想通貨取引所のOKExは、同取引所が取り扱う仮想通貨オプションのラインナップに、日間および2日間、月間の3つの満期日を持つ新しい商品を追加することを発表した。
これまでOKExは毎週および隔週、四半期、半年ごとの仮想通貨オプションを提供してきたが、今回、リスクヘッジなどを目的とした利用の促進を狙い、満期日を多様化したという。OKExの仮想通貨オプションはヨーロピアンタイプの契約を採用しており、満期日以外での権利行使が認められないため、満期日の選択肢が増えることはユーザーにとってもポジティブな要素になると考えられる。OKExのCEOであるJay Hao氏は、この動きがプラットフォームアーキテクチャと仮想通貨オプションサービスをアップグレードする試みの一環だと説明し、同取引所がユーザーに優れた取引体験を提供するための布石だと述べた。
現在、仮想通貨オプション市場は拡大しており、競合のバイナンスはイーサリアム(Ethereum)とテザー(Tether)、リップル(Ripple)とテザーの通貨ペアを対象とした商品を提供している。また、仮想通貨オプションを取り扱うプラットフォームも増加傾向にあり、最近ではBakktやDeribit、LedgerXなどが台頭してきているようだ。これらに対抗してOKExもイーサリアムオプションの提供を開始し、仮想通貨オプション市場でのシェア拡大を試みているという。
オプションは、価格変動リスクが高い先物とは異なり、損失が購入時に支払うプレミアムに限定されるため、投機やリスクヘッジに使い勝手が良い商品だと言えるだろう。OKExは仮想通貨オプションを利用するユーザーに、KYC(顧客確認)および適性テストに合格することを義務付けているが、この満期日の多様化がどのような成果を上げるのか、今後も同取引所の取り組みを見守っていきたい。
release date 2020.07.28
仮想通貨デリバティブ市場が拡大していることに対し、各国の規制当局は警戒を強めており、国内の規制を強化する動きを見せている。特に世界最大の投資市場を抱える米国では、仮想通貨デリバティブ市場におけるCTFCの監督権限強化が審議され、投資家保護を念頭にフレームワークの再構築が進んでいるようだ。一方、英国ではFCAが仮想通貨デリバティブ商品の禁止を検討しており、他国に先駆けてその危険性を排除する方針を打ち出しているという。また、日本でも改正金融商品取引法が施行されたことや、日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)が自主規制を促していることをきっかけに、仮想通貨デリバティブ商品の提供が一部制限されている。OKExは継続的に仮想通貨オプションを拡充していくことを望んでいるようだが、各国での規制強化の流れにどのように対処するのか、今後もその動向に注目していきたい。
作成日
:2020.07.28
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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