作成日
:2020.07.16
2021.08.31 15:33
英国領のヴァージン諸島を拠点とする仮想通貨取引所のBTSEは、仮想通貨トロン(Tron)の取り扱いを開始することを発表した。
BTSEは仮想通貨取引の促進に取り組んでおり、ユーザーの要望に応える形でトロンの上場を決定したという。これによりBTSEではトロンが24種類目の通貨としてラインナップに追加され、法定通貨と仮想通貨ペアの両方で取引可能になった。現在、トロンは仮想通貨市場で13番目の時価総額を誇る人気の仮想通貨となっており、BTSEにおける取引量増加に貢献することが期待されている。
BTSEのCEOであるJonathan Leong氏は、トロンに関して次のようにコメントしている。
BTSEにおいてトロンは上場のリクエストが最も多かった仮想通貨のひとつです。我が社がユーザーにトロンへのアクセスを提供し、コンテンツ共有をより簡単、安価、迅速なものにするトロンネットワークの成長をサポートできることを嬉しく思います。
Jonathan Leong, CEO of BTSE - Finance Magnatesより引用
トロンは、2017年にJustin Sun氏がシンガポールで設立したトロン財団(Tron Foundation)が推進する仮想通貨プロジェクトのネイティブトークンとして発行された。Sun氏は同プロジェクトを通じてWeb3.0または次世代Webと呼ばれる技術を確立し、アプリを介さずに情報やコンテンツがオープンな分散型ネットワークを往来する環境を構築しようとしている。最近、Sun氏はブロックチェーンベースのSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)であるSteemを買収するなど、積極的な動きに出ているが、これがどのような結果を生むのか、今後もBTSEおよびトロンの取り組みに注目していきたい。
release date 2020.07.16
近年、シンガポール政府は仮想通貨市場の拡大に注力しており、トロンを始めとする仮想通貨プロジェクトがその恩恵を受けているという。実際に、シンガポールの仮想通貨業界に多額の資金が流入し、仮想通貨関連企業への投資が活発になっているようだ。また、シンガポール政府は税制面でも仮想通貨市場をサポートしており、先日、IRASが発行した仮想通貨税制のガイドラインには、エアドロップによる無料配布の仮想通貨を非課税にすることが記されている。これに加え、シンガポールでは仮想通貨取引が活況を呈しており、大手取引所のバイナンスがライセンスを取得するなど、外国資本の企業による市場参入が相次いでいる状況だ。大手コンサルティングファームであるPwCは仮想通貨業界の資金調達が鈍化していることを報告したが、シンガポールの仮想通貨市場はどのように偏移していくのか、今後もその動向を見守っていきたい。
作成日
:2020.07.16
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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