Select Language

Interactive Brokers、原油価格の崩壊で約1億400万ドルの損失を計上

Interactive Brokers、原油価格の崩壊で約1億400万ドルの損失を計上

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.06.02 14:18
Interactive Brokers、原油価格の崩壊で約1億400万ドルの損失を計上

update 2022.06.02 14:18

一時的な損失は財務状況に大きな影響を与えないと主張

米国・コネチカット州を拠点とする海外FXブローカーであるInteractive Brokers LLC(本社:One Pickwick Plaza, Greenwich, CT 06830 USA[1])【以下、Interactive Brokersと称す】は、WTI(West Texas Intermediate)原油先物5月限の清算値がマイナス圏に沈んだことを受け、証拠金不足に陥った顧客に代わって追加証拠金を解消するために負担した一時的な損失が約1億400万ドルとなり、当初想定よりも拡大したことを明らかにした。[2]

4月20日に史上初めて原油先物がマイナス価格に転じた際、Interactive Brokersは追加証拠金を解消するために約8,800万ドルの一時的な損失を被ったことを明らかにしていた。同社は原油先物が大幅下落した際、複数の顧客がCME及びICEフューチャーズ・ヨーロッパ(ICE Futures Europe)を通じてロングポジションを保有していたことから、証拠金不足が発生し、顧客に代わって清算機関に追加証拠金を支払わなければならなかったという。尚、原油先物価格がマイナス圏に沈んだことは、売り手が買い手に対し最大1バレル=40ドルを支払った上で原油を売買することを意味する。

Interactive Brokersは、今回の一時的な損失が財務状況に大きな影響を与えることはない見込みだとコメントしている。また、中国のニュースメディアCaixinによると、今回の原油先物取引に関して、中国銀行(Bank of China)の個人投資家が13億ドル超の損失を被ったという。同行は米国当局に対し、市場操作やシステム及びプログラミングの不具合の可能性を調査することを要請した模様だ。

またInteractive Brokersは先月、2020年度第1四半期決算を発表した。純営業収益は5億3,200万ドルと、前年同期の5億5,800万ドルから減少したほか、税引き前利益は3億800万ドルと、前年同期の3億3,900万ドルから減少する軟調な結果に終わった。調整済み純営業収益及び調整済み税引き前利益はそれぞれ5億8,100万ドル、3億5,700万ドルとなり、前年同期の4億6,800万ドル、2億9,100万ドルから減少して着地している。これに加え、同社が7.7%の株式を保有する中国のブローカレッジファームであるTiger Brokers株に関し、時価評価に伴う減損処理として800万ドルを計上したという。前年同期には1億300万ドルの時価評価益を計上していた。更に、グローバル展開するInteractive Brokersは多通貨にわたる手元資金を確保しているが、2020年度第1四半期に発生した為替差損が4,900万ドルの収益下押し要因になったとのことだ。今後、同社が業績の挽回を図る画期的なソリューションを提供することを期待したい。

release date 2020.05.14

出典元:

ニュースコメント

経営の立て直しが急務のInteractive Brokers

Interactive Brokersは原油先物取引に係る多額の損失を計上したほか、2020年度第1四半期決算も軟調な結果に終わった。更に、Interactive Brokersは4か月間でFXファンドが30%減少しており、同社の業績の低迷が長引いている模様だ。Interactive Brokersが拠点とする米国リテールFX市場は拡大局面に入る兆しを示す中、2020年4月にTrading.comが米国でFXブローカーライセンスを取得したほか、IG Groupも約8年ぶりに同国市場に再参入を果たしており、同社を取り巻く市場環境は厳しさを増している。他方で、米国最大のFXブローカーであるForex.comを運営するGAINは、INTLが提示した買収提案に賛同する姿勢を示しており、業界再編機運も高まっている状況だ。Interactive BrokersはFXブローキング業務が低迷するほか、新型コロナウイルス(COVID-19)禍においてウェブサイトが一時ダウンするなど、業務システムの強靭化も急務になっている。同社経営陣が業績の立て直し及び安定したサービスの提供を図るべく、如何なる戦略を打ち出すか注目したい。


Date

作成日

2020.05.14

Update

最終更新

2022.06.02

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

海外FX利用で国内銀行口座の凍結が増加?法改正後の入出金リスクとは

SNS上で海外FXユーザーの銀行口座が凍結されたことが話題になっています。本記事では、SNSで話題の凍結報告の背景を説明するほか、海外FX業界に迫る「本当の入出金危機」と今後の備えについて解説します。
update2025.07.09 19:00

Exnessのスワップフリーが突然解除?!条件をサポートに直接聞いてみた

「Exnessのスワップフリーが解除された」という投稿がSNSの一部で話題になっていますが、解除の具体的な条件は公式サイトにも掲載されていません。そこで当サイトではサポートに直接条件を質問してみました。
update2025.08.25 19:00

海外FXに仮想通貨で入出金する方法は?規制強化で仮想通貨送金が最適解か

海外FXの入出金ルート封鎖が加速しており、SNS上では「銀行口座が凍結された」といった投稿も見られます。そんな中、注目を集めているのが仮想通貨での入出金です。この記事では、海外FXに仮想通貨で入出金する方法や、仮想通貨送金時の注意点などを解説します。
update2025.07.15 19:00

【要注意】Axi口座から不正出金被害、セキュリティ対策に不安の声

海外FX業者のAxiで、不正出金の被害が海外フォーラムなどで報告されています。国内で同様の被害は確認されていませんが、日本人ユーザーも無関係ではありません。この記事では、報告されている不正出金の事例やセキュリティの問題点のほか、現状でユーザーがとれる対策を説明します。
update2025.09.29 19:00

SNSでステーブルコイン利息の議論が勃発!Bybitで手軽にUSDT等を高利回り運用

ここ最近、SNS上ではステーブルコインの利回りに関する活発な議論なども見られます。本記事では、SNSで話題となった議論を整理しつつ、Bybitでのステーブルコインの運用方法や、海外FXとの仮想通貨入出金ルートの全体像などをまとめます。
update2025.10.01 19:00

Peska(ペスカ)は本当に安全?評判は悪くないが入出金リスクに注意

PeskaはFX業者とのコラボキャンペーンなどをきっかけに、急速にユーザーを増やしているオンラインウォレットです。しかし、新興サービスのため利用すべきか迷うという人も少なくありません。この記事ではPeskaの安全性や評判、オンラインウォレット業界が抱えるリスクなどを説明します。
update2025.09.29 19:30

【独自取材】海外FXで急拡大中のPeskaとは?入金・出金の安全性や運営実態を直撃

当サイトではPeskaの運営に直接取材を行い、安全性やセキュリティなど、トレーダーが気になるポイントを一つひとつ確認しました。この記事では取材から見えてきたPeskaの実像をお伝えします。
update2025.09.17 19:00

【本音で比較】海外FXのドル円スプレッドを3ヶ月徹底調査|数千円も業者によってお得に

Myforex編集部では、2024年11月20日〜2025年2月20日の3ヶ月間にわたり、海外FXのドル円スプレッドを1分ごとに独自調査。その結果、業者によって数千円以上のコスト差があることが分かりました。
update2025.08.01 19:00

海外FXへの仮想通貨送金にはBybitがおすすめ!FXトレーダーに最適なBybitの使い方

海外FXの入出金によく使われる国内銀行送金が以前より使いにくくなっていることを受け、仮想通貨での入出金が注目を集めています。本記事では、仮想通貨送金をするならBybitがおすすめの理由や、海外FXユーザーに最適なBybitの使い方を紹介します。
update2025.08.29 20:00

Exnessがスプレッドを最大30%OFF!仮想通貨・株価指数で大幅縮小

海外FX業者のExnessが主要銘柄のスプレッドを縮小しています。BTCUSDは16%、ETHUSDでは23%の縮小が確認されています。本記事では縮小後のExnessスプレッドを主要なブローカーと比較しました。
update2025.10.02 19:00

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル