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ビットコイン価格の高騰で仮想通貨ウォレット企業の動きが活性化

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update 2021.08.31 15:32
ビットコイン価格の高騰で仮想通貨ウォレット企業の動きが活性化

update 2021.08.31 15:32

サブスクリプションなどの手段を用いて収益化への道を模索

現在、仮想通貨市場では新型コロナウイルス(COVID-19)に起因する大規模なロックダウンの影響でビットコイン(Bitcoin)価格が高騰しており、それに伴い仮想通貨ウォレットおよびカストディサービスを提供する企業の動きが活発になってきている。[1]

例えば、米テキサス州のオースティンに拠点を置くUnchained Capitalは、これまで管理資産5,000万ドルほどの事業規模だったが、過去2カ月で数十社の機関投資家をクライアントとして獲得することに成功している。Unchained CapitalのCPO(Chief Product Officer)を務めるWill Cole氏によると、同社のカストディサービスであるVaultは世界的なパンデミックの発生が契機となり、第1四半期と比較して340%の伸びを記録したという。これに関してBlockchain Commonsの創設者であるChristopher Allen氏は、Vaultのようなカストディサービスは仮想通貨業界の中でも新しい試みだと述べ、カストディアンとユーザーの両者がマルチシグウォレットの暗号鍵を保有するスキームが人々の関心を集めていると説明した。また、Allen氏は多くの企業がマルチシグウォレットをより標準的でシンプルなものにするために様々なアプローチを試していると言及し、特定の個人に依存しないVaultのサービスが如何に有用であるかを示した。

最近では、このような大手仮想通貨ウォレットサービスがユーザー数および収益性を伸ばしており、特にShapeShiftなどのプライバシー機能に焦点を当てた企業の成長が見込まれている。実際にShapeShiftは今年4月にイスラエルの仮想通貨ウォレットサービスであるPortisを買収し、コンプライアンスリスクを軽減すると同時に、セルフカストディサービス企業としての地位を更に強固なものとした。加えて、ハードウェアウォレットのLedgerも追加サービスを含めて収益性が増しており、コンパニオンアプリ(端末からネットワーク上のデバイスを操作するためのアプリ)であるLedger Liveのダウンロード数も上昇しているという。

仮想通貨業界では最良のビジネスモデルが未だ確立されておらず、多くの企業が収益化への道を模索している状況だ。現時点でUnchained CapitalはVault関連のローンサービスを利用するクライアントから収益を上げており、一方のShapeShiftはアプリ内の友人紹介制度や取引サービスなどで売上を確保している。その他にも個人向けの事業を展開する企業の中には、サブスクリプション型の課金モデルを採用する企業も存在するようだ。CasaのCEOであるNick Neuman氏は、今年3月頃からサブスクリプション型のサービスに新規ユーザーが流入している事実に触れ、同社のビットコイン取引量が50%増加したことを明らかにした。

これ以外の方法としてはFortmaticが企業間取引から年間50万ドルを超える規模の売上を稼ぎ出しており、ユーザーアクティビティに依存しない収益モデルを構築している。新型コロナウイルスによるリスクが顕著化して以来、自己管理型と呼ばれる仮想通貨ウォレットサービスの需要が高まるなど、仮想通貨市場が転換期に差し掛かっている様子がうかがえるが、これら企業はどのような対応を見せるのか、今後もその事業展開に注目していきたい。

release date 2020.05.04

出典元:

ニュースコメント

市場の成熟と共にスタートアップ企業への投資が減少

これまで仮想通貨市場にはベンチャーキャピタルなどによる潤沢な資金が流れ込んできていたが、2020年に入ってその動きに変化が現れつつある。大手コンサルティングファームのPwCによると、仮想通貨業界の資金調達が鈍化しており、対照的に大手仮想通貨関連企業の事業拡大に向けた買収が目立っているという。これは単純に仮想通貨が成熟していることを意味するが、シードステージなどのスタートアップ企業にとってはあまり好ましい傾向ではない。それでも2億ドル規模でPolychain Capitalが仮想通貨ファンドを設立し、これらのスタートアップ企業に資金供給を行うことを表明している。しかしながら新型コロナウイルスによるグローバル経済減速が懸念されており、仮想通貨市場での資金調達が更に困難になると予想されているだけに、今年は仮想通貨関連企業にとって受難の年となる可能性が高いと言えるだろう。


Date

作成日

2020.05.04

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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