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韓国、FX流動性問題への追加対応措置を実施する方針

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update 2022.01.21 12:08
韓国、FX流動性問題への追加対応措置を実施する方針

update 2022.01.21 12:08

外貨流動性カバレッジ比率を引下げ

韓国の企画財政部(Ministry of Economy and Finance, MOEF)は、米ドルの流動性確保を図るべく、金融機関を対象とした外貨流動性カバレッジ比率(Liquidity Coverage Ratio)【以下、LCRと称す】を引き下げる方針であることを発表した。[1]

ロイターによると、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大の影響を受け、韓国の金融市場が流動性問題に直面するなか、企画財政部は市場に潤沢なドル供給を促すべく、3か月にわたりLCRを引き下げる意向であるとのことだ。同部の第一次官を務めるKim Yong-Beom氏は、LCRを従来の80%から70%に引き下げる措置を5月末まで講じるという。また、流動性不足を解消するために利用した外貨準備高が、一時的に減少する見込みであるとのことである。同措置により、各金融機関は流動性が低い外貨建て資産の保持を求められる模様だ。

尚、企画財政部と韓国銀行(Bank of Korea, BOK)は2020年3月19日より、国内金融機関の外貨先物ポジション上限を従来の40%から50%へ、外資系金融機関に関しては200%から250%へ引き上げる決定を下した。パンデミックと評される新型コロナウイルスが韓国経済に甚大な影響を及ぼすなか、安全な逃避先とされる米ドルの需要が大きく拡大している模様である。同部は外貨先物ポジション上限の引き上げが、デリバティブ市場における米ドルの需給不均衡の緩和に寄与すると見込んでいる。新型コロナウイルスの影響が拡大するなか、金融システムの安定化を図る規制当局の動向を見守る必要がありそうだ。

release date 2020.03.30

出典元:

ニュースコメント

バーゼルIIIで流動性リスク指標として導入されたLCR

グローバル金融機関を対象とした自己資本比率や流動性比率などに関する国際的統一基準であるバーゼルIIIにおいて、短期且つ安定した資金の確保を義務づける規制の一つがLCRである。サブプライム問題を発端として、複数の大手金融機関が破綻の危機に直面したことを受け、流動性リスク指標として導入された。LCRは流動資産を30日間にわたる金融危機時などのストレス期間に必要な流動性(ネット資金流出額)で割ることにより算出される。バーゼルIIIでは、国際的な金融機関に対して同比率を100%以上にするように求めているが、流動性ストレス時にはLCRが100%を下回ることが認められている。一方で、他の規制当局の動向に目を転じると、新型コロナウイルスの感染拡大が金融市場へ多大な影響を及ぼす市場環境下において、FCAが財務諸表の公表期限を延長したほか、マレーシア証券委員会はライセンス企業への追加救済措置を発表している。更に、ESMAが新型コロナウイルス関連のアクションプランを公表し、アセットマネージャーに対し徹底したリスク管理の実践などを求めている。グローバルに様々なアセットクラスが流動性問題に直面するなか、他の規制当局も韓国と同様の措置を講じる可能性がありそうだ。


Date

作成日

2020.03.30

Update

最終更新

2022.01.21

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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