Select Language

韓国、FX流動性問題への追加対応措置を実施する方針

韓国、FX流動性問題への追加対応措置を実施する方針

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.01.21 12:08
韓国、FX流動性問題への追加対応措置を実施する方針

update 2022.01.21 12:08

外貨流動性カバレッジ比率を引下げ

韓国の企画財政部(Ministry of Economy and Finance, MOEF)は、米ドルの流動性確保を図るべく、金融機関を対象とした外貨流動性カバレッジ比率(Liquidity Coverage Ratio)【以下、LCRと称す】を引き下げる方針であることを発表した。[1]

ロイターによると、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大の影響を受け、韓国の金融市場が流動性問題に直面するなか、企画財政部は市場に潤沢なドル供給を促すべく、3か月にわたりLCRを引き下げる意向であるとのことだ。同部の第一次官を務めるKim Yong-Beom氏は、LCRを従来の80%から70%に引き下げる措置を5月末まで講じるという。また、流動性不足を解消するために利用した外貨準備高が、一時的に減少する見込みであるとのことである。同措置により、各金融機関は流動性が低い外貨建て資産の保持を求められる模様だ。

尚、企画財政部と韓国銀行(Bank of Korea, BOK)は2020年3月19日より、国内金融機関の外貨先物ポジション上限を従来の40%から50%へ、外資系金融機関に関しては200%から250%へ引き上げる決定を下した。パンデミックと評される新型コロナウイルスが韓国経済に甚大な影響を及ぼすなか、安全な逃避先とされる米ドルの需要が大きく拡大している模様である。同部は外貨先物ポジション上限の引き上げが、デリバティブ市場における米ドルの需給不均衡の緩和に寄与すると見込んでいる。新型コロナウイルスの影響が拡大するなか、金融システムの安定化を図る規制当局の動向を見守る必要がありそうだ。

release date 2020.03.30

出典元:

ニュースコメント

バーゼルIIIで流動性リスク指標として導入されたLCR

グローバル金融機関を対象とした自己資本比率や流動性比率などに関する国際的統一基準であるバーゼルIIIにおいて、短期且つ安定した資金の確保を義務づける規制の一つがLCRである。サブプライム問題を発端として、複数の大手金融機関が破綻の危機に直面したことを受け、流動性リスク指標として導入された。LCRは流動資産を30日間にわたる金融危機時などのストレス期間に必要な流動性(ネット資金流出額)で割ることにより算出される。バーゼルIIIでは、国際的な金融機関に対して同比率を100%以上にするように求めているが、流動性ストレス時にはLCRが100%を下回ることが認められている。一方で、他の規制当局の動向に目を転じると、新型コロナウイルスの感染拡大が金融市場へ多大な影響を及ぼす市場環境下において、FCAが財務諸表の公表期限を延長したほか、マレーシア証券委員会はライセンス企業への追加救済措置を発表している。更に、ESMAが新型コロナウイルス関連のアクションプランを公表し、アセットマネージャーに対し徹底したリスク管理の実践などを求めている。グローバルに様々なアセットクラスが流動性問題に直面するなか、他の規制当局も韓国と同様の措置を講じる可能性がありそうだ。


Date

作成日

2020.03.30

Update

最終更新

2022.01.21

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

XMTradingの入出金で銀行口座凍結?海外FX禁止の銀行に注意

SNS上では「XMTradingの出金で銀行口座が凍結された」とする投稿が一部で見受けられます。銀行によっては海外FXとの取引を禁止しているため注意が必要です。本記事では凍結リスクが高い銀行や仮想通貨送金の注意点を説明します。
update2025.09.03 19:00

bitcastleは詐欺業者?口座開設ボーナスで出金拒否多数

SNS上ではbitcastleから「出金できない」「口座を凍結された」といった報告が相次いでいます。本記事では、bitcastleで報告されている出金トラブルを紹介するほか、bitcastleは詐欺業者なのかどうか説明します。
update2025.10.21 19:30

Vantage Tradingで出金遅延、担当者が語る原因と対応

Vantage Tradingで銀行出金に関する遅延が確認されています。出金申請後に着金まで時間を要するケースが報告されており、SNS上でも混乱が発生している状況です。原因としては入金額の急増や決済システム側の処理制限が影響しているものと見られます。
update2025.10.24 19:00

Bybit P2P利用で銀行口座凍結・詐欺容疑者に?海外FXユーザーが知るべき巻き込まれリスクとは

Bybit P2Pを利用したユーザーが銀行口座凍結されたことに加え、詐欺容疑者として取り調べを受けたというSNS投稿が話題になっています。本記事では、話題となった投稿の内容や、海外FXユーザーがP2P取引の利用を避けるべき理由などを解説します。
update2025.11.12 19:00

Peska(ペスカ)は本当に安全?評判は悪くないが入出金リスクに注意

PeskaはFX業者とのコラボキャンペーンなどをきっかけに、急速にユーザーを増やしているオンラインウォレットです。しかし、新興サービスのため利用すべきか迷うという人も少なくありません。この記事ではPeskaの安全性や評判、オンラインウォレット業界が抱えるリスクなどを説明します。
update2025.09.29 19:30

Vantage Tradingが入出金額の上限を変更、100万円以上の出金は自動分割

海外FX業者のVantage Tradingが、銀行振込の入出金額の上限を変更しました。今後は銀行振込で一度に出金できる額が100万円に制限されます。本記事では、変更された条件や高額送金時の注意点などを説明します。
update2025.11.11 19:00

Money Charger(マネチャ)情報流出で問われるキャッシュバックサイトの運営体制と安全性

Money Chargerは2025年10月25日、ユーザーの個人情報が外部に流出したことを公表しました。キャッシュバックサイトはうまく活用すれば取引コストを抑えられる一方で、個人情報を扱う性質上、安全管理体制が極めて重要です。本記事では、安全性や透明性の観点から主要なキャッシュバックサイトを比較します。
update2025.11.17 19:00

Funded7で出金が認められない事例が増加?ルールの不透明さが原因か

Funded7で出金拒否に関する投稿がSNS上で増加しており、利用者の間で不安が広がっています。「利益が取り消された」「短時間取引が理由で無効になった」などの報告が投稿されています。当記事では出金拒否の原因を整理し、他のプロップファームとFunded7のルールを比較します。
update2025.11.21 19:00

Exnessの乗り換え先としてXSはアリ?スペックを比較

取引環境の良さから玄人にも人気のExnessですが、最近は出金トラブルなどが発生しており、今後の取引環境に不安を抱くユーザーも増えています。本記事では、有力な乗り換え先であるXS.comと取引環境・条件を比較し、乗り換え先として相応しいかどうかを検討します。
update2025.11.20 19:00

Bybitが日本ユーザーの新規登録を停止!日本撤退で海外FXユーザーにも影響大か?

Bybitが2025年10月31日をもって日本ユーザーの新規登録停止を発表しました。既存ユーザーは継続利用できるものの、締め出しも時間の問題と予想する声も少なくありません。本記事では、Bybitの発表内容や海外FXユーザーへの影響などを解説します。
update2025.11.06 19:00

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル