Select Language

マレーシア証券委員会、ライセンス企業への追加救済措置を発表

マレーシア証券委員会、ライセンス企業への追加救済措置を発表

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.01.24 15:30
マレーシア証券委員会、ライセンス企業への追加救済措置を発表

update 2022.01.24 15:30

ライセンス料の免除などの手厚いサポートを提供

マレーシア証券委員会(Securities Commission Malaysia)は3月24日、規制下にある231社のライセンス企業、30社の登録監査法人、9,663名に上るライセンス保有の個人を対象にした追加救済措置を発表した。[1]

マレーシア証券委員会は今回の措置を通じて、2019年度の税引き前利益が500万リンギット未満の全てのCapital Markets Services Licence【以下、CMSLと称す】保有法人とCMSL保有の個人及びCapital Markets Services Representative's Licence【以下、CMSRLと称す】保有者を対象として、2020年のライセンス料を免除するという。また全てのCMSRL保有者とEmployees of Registered Personsに該当する者に対し、継続的教育制度(Continuing Professional Education, CPE)で求められる最低取得ポイント数を20ポイントから10ポイントへの削減、及びトレーディングとマーケティングの責任者に対して最低限必要な研修の日数を5日間から3日間へ削減する措置を、それぞれ2020年7月1日から1年間にわたり講ずるとのことだ。

更に、マレーシア監査監督委員会(Audit Oversight Board, AOB)規制下において、パートナーが10人未満の登録監査法人に対しては、マレーシア公認会計士協会(Malaysian Institute of Certified Public Accountants, MICPA)主催の認可研修制度に参加するための補助金を1社あたり3万リンギット支給する模様である。マレーシア証券委員会はこれらの措置を講ずることにより、市場参加者のコスト負担の軽減を図ると共に、マレーシア政府が公表した景気刺激策であるEconomic Stimulus Package 2020【以下、ESP2020と称す】の推進の一環としてライセンス企業などを手厚くサポートする方針だ。

新たな救済措置に対し、マレーシア証券委員会の委員長であるDatuk Syed Zaid Albar氏は以下のようにコメントしている。

我々は想定を超える規模の困難に直面するなか、短期的な安心と長期的な業績回復をサポートする救済措置を講じます。当委員会は継続的に市場環境をモニタリングすると共に、可能な限り全ての選択肢を念頭に据えております。我々は全ての市場参加者のために、マレーシア経済のサポートに向けた資本市場機能の確保に努めたいと考えております。

Datuk Syed Zaid Albar, Chairman of Securities Commission Malaysia - Securities Commission Malaysiaより引用

尚、マレーシア政府はESP2020の一環として、同国の証券委員会と証券取引所が1年間にわたり全ての上場関連費用を免除することに同意したと発表している。これにより、メイン市場(Main Market)への上場を模索する企業価値5億リンギット未満の企業や、リープ市場(LEAP Markets)やエース市場(ACE Markets)への上場を望む企業が同措置の恩恵を受けることができる模様である。

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大がグローバル経済及び金融市場に甚大な影響を及ぼすなか、ESMAが新型コロナウイルス関連のアクションプランを公表するなど、各国当局がパンデミック対策に奔走している状況だ。多くの国々で企業を下支えする充実したサポート政策が打ち出され、早期に企業業績が回復することを期待したい。

release date 2020.03.26

出典元:

ニュースコメント

景気減速に立ち向かうマレーシア

マレーシア政府が公表したESP2020は、新型コロナウイルスの影響の緩和と経済の活性化、及び質の高い投資の促進を目的とした32種類の施策で構成される景気刺激策だ。新型コロナウイルス危機によりグローバル経済減速の懸念が浮上するなか、ASEANのなかでも安定して高水準の経済成長を遂げてきた同国も例外ではないようである。特に同ウイルスの発生源とされる中国は、マレーシアの輸出全体の14.2%を占めるほか、シンガポールに次ぐ2番目の観光客数を誇るなど、緊密な経済関係を構築している。そのため、新型コロナウイルスがマレーシアの実体経済及び金融市場へ与える影響も大きなものになっている模様だ。他方で、マレーシアのラブアン島が新オフショア市場としての注目を集めているほか、RoboMarketsがマレーシアにてFXライセンスを取得するなど、市場活性化に向けた動きも散見されている。同国でサービス展開を図る海外FXブローカーが新型コロナウイルス危機を乗り越え、顧客取引の拡大に向け如何なるソリューションを提供するか注目したい。


Date

作成日

2020.03.26

Update

最終更新

2022.01.24

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨KAITOの将来性は?AI活用のWeb3情報プラットフォームKaito AIの特徴や評判を解説

仮想通貨KAITOは、Web3の情報アクセスを変革する次世代プラットフォーム「Kaito AI」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨KAITOの概要や将来性、Kaito AIが提供するYapsの仕組み、SNSでの評判などを解説します。
update2025.02.19 19:00

FXGTでの出金拒否報告が増加中、これまでとは違う危険な兆候とは?

FXGTの出金拒否の報告・原因のほか、ユーザーの流出状況などをまとめました。SNS上ではここ数ヶ月の間に出金拒否に関する投稿が増加しており、ユーザーの間では「自分も出金拒否されるのでは」「FXGTがつぶれるのでは」といった不安が広がっています。
update2025.02.14 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

仮想通貨SOSOの将来性は?AI活用の投資分析プラットフォームSoSoValueがトークン発行

仮想通貨SOSOは、中央集権型金融の効率性と分散型金融の透明性を組み合わせた投資分析プラットフォーム「SoSoValue」のガバナンストークンです。当記事では、仮想通貨SOSOの将来性やSNSでの評判、SoSoValueの特徴などを解説します。
update2025.01.24 19:30

Bybitからビットフライヤーに送金してみた!送金手数料や反映時間は?

Myforex編集部では、実際にBybitからビットフライヤー(bitFlyer)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、送金手順のほか、送金手数料やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2025.02.19 19:30

【全て無料】MT4/MT5を日本時間にできるインディケータのおすすめが決定!

MT4/MT5に表示されている時間は、インディケータを使えば簡単に日本時間へ変えられます。MT4/MT5を日本時間表示にしておくと、各市場のトレンドを把握しやすくなったり、経済指標の発表時間に合わせた取引がしやすくなったりと、何かと便利です。
update2024.12.04 20:00

VPSではMT4・EAは何個起動できる?複数稼働は可能なのか?

スペック別のEAの起動数の目安のほか、VPSの負担を軽くする方法を説明します。同時に起動するEAの数が多すぎると、MT4が動かなくなる可能性があるので注意が必要です。VPSを使っているならば、MT4やEAをいくつ起動できるかを把握しておくことが大切です。
update2025.01.23 19:00

MacのMT4/MT5はダウンロードしても使えない?文字化けや起動しない時の対策方法や最終手段を紹介!

Mac版のMT4やMT5は不具合が良く発生するため、自分の使い方が悪いのか不安を感じている人もいるのではないでしょうか。本記事では、Mac版のMT4・MT5のトラブルや解決方法を解説します。
update2024.12.04 20:30

コインチェックからBybitに送金してみた!送金手数料や反映時間についても解説

コインチェック(Coincheck)からBybitに仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験やSNSでの口コミなども交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.11.29 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル