作成日
:2020.03.27
2021.08.31 15:28
証券監督者国際機構(International Organization of Securities Commissions)【以下、IOSCOと称す】は、世界的なステーブルコインイニシアチブが証券法の対象となる可能性があると指摘した。
今月23日に公開された報告書によると、世界的なステーブルコインが証券法の範囲内で規制されるかは、そのプロジェクトの内容に依存しており、実態に即した措置が講じられるという。これを議論する上でIOSCOは、複数の準備通貨バスケットに裏付けられた架空のステーブルコインを例に挙げ、それが証券法の対象となり得るかを分析している。このステーブルコインは独自のプライベートブロックチェーン上で発行され、企業のガバナンス委員会が管理することなど、Facebook(フェイスブック)のリブラ(Libra)に類似する点が見受けられるが、IOSCOはこれが当局の監督下に置かれる可能性があるとの見解を示した。
また、IOSCOはステーブルコインが決済や銀行業務などに利用されることに触れ、それらが金融市場インフラとして機能し始めた場合、このプロジェクトが国際決済銀行(Bank for International Settlements)【以下、BISと称す】のPFMI(Principles for Financial Market Infrastructures)に準拠する必要があると主張している。加えて、IOSCOは部分的または高度に分散化されたシステムのステーブルコインがPFMIの基準に即すことが難しいと述べ、プロジェクトの推進に問題が生じる可能性があると論じた。結論的にIOSCOはステーブルコインが金融市場インフラにとって重要な存在になり得ると言及したものの、開発や実装の観点からこのような国際的な規制が大きな障害になると予想している。
昨年末、Facebookはリブラのロードマップを新たに策定しており、同社は今後5年間でガバナンスモデルとコンセンサスメカニズムを構築することを目指しているようだ。運営団体であるLibra Associationはプロジェクトの進捗と共にシステムを分散化することを決めているが、IOSCOはそれがローンチの足かせになると主張している。世界的にステーブルコイン開発が加速している中、米国においてはCelo Foundation(セロ財団)によってリブラに対抗するCelo Alliance for Prosperityが立ち上げられており、今後、IOSCOやBISなどの国際機関による監督が重要になってくると言えるだろう。
release date 2020.03.27
昨年6月にFacebookがリブラをローンチする計画があることを発表して以来、各国で世界的なステーブルコインの台頭を見据えた議論が活発になっているが、未だ明確な方針は定まっていないようだ。実際にEUはリブラへの対応を模索しており、Libra Associationやリブラの法的な位置付けを判断できずにいるという。また、リブラを始めとするステーブルコインと並行して中国のデジタル人民元など、中央銀行発行の独自デジタル通貨(Central Bank Digital Currency)【以下、CBDCと称す】の登場が現実味を帯びてきており、各国政府はその対応に追われている状況だ。CBDCに関しては、経済的な費用対効果が明らかにされておらず、先進国ではクレジットカードや電子マネーなどの既存の金融インフラよりも非効率な手段になる可能性があると論じられている。各国政府はどのような判断を下すのか、今後も世界の仮想通貨市場の動向に注目していきたい。
作成日
:2020.03.27
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。
ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。
お問い合わせ先 [email protected]
Milton Marketsが夏トク15%入金ボーナスキャンペーンを開催!
2023.06.21 19:30
XMTradingがF1チームスクーデリア・アルファタウリとスポンサーシップを締結
2023.03.28 20:00
海外FX業者で取引できるエネルギー銘柄は?取引の種類やメリットを解説
2023.02.27 20:00
仮想通貨HOOKとは?将来性は?Hooked Protocolが提供するWild Cashも解説
2022.12.13 21:00
Huobi(旧Huobi Global)は日本居住者向けサービスを停止していない?
2022.12.08 19:30
分散型取引所dYdXの使い方をイチから解説!注意点も紹介
2022.12.01 20:00
免責事項:Disclaimer
当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。
本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。
Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー