作成日
:2020.03.16
2022.06.29 15:39
Stock Exchange of Thailand(SET, 本社:93 Ratchadaphisek Road, Din Daeng, Din Daeng, Bangkok 10400
)【以下、タイ証券取引所と称す】が、スマートディスクロージャープログラム(Smart Disclosure Program)を通じて、同証券取引所に上場する企業を対象に、主要な規制や規則への理解を深めるサポートをするためのデジタルツールを開発したことが明らかになった。同プログラムはタイ証券取引所のサイトやSETLinkシステム上で利用することができ、上場企業が複雑な規制を理解し業務に適用できるようにすべく、モーショングラフィックスを搭載したとのことだ。また、シングルページアプリケーションをコンセプトにしているほか、情報を単一ページに集中させることで、容易に規制内容などを理解する工夫を凝らしているという。これにより、上場企業の情報公開機能の改善や株主名簿管理関連のエンドツーエンドサービスを提供することができるとのことだ。
新サービスの提供に際し、タイ証券取引所のエグゼクティブバイスプレジデントであるPaveena Sriphothong氏は以下のようにコメントしている。
我が取引所は上場企業のクオリティ向上にコミットしております。スマートディスクロージャープログラムにモーショングラフィックス機能を搭載することにより、情報公開や上場維持基準、重要事項、経営陣のインタビュー指針など、上場企業が把握すべき複雑で重要な規則や規制をシンプルな方法を用いて説明しております。
Paveena Sriphothong, Executive Vice President of SET - SETより引用
タイ証券取引所は、上場企業が正確且つ完璧に情報公開をするための規定であるディスクロージャーチェックリスト(Disclosure Checklists)も公開した。尚、同証券取引所は2020年1月、同年から2022年までの3か年にわたる戦略フレームワークを策定し、業務プロセスを効率化させると共に、業容拡大に向けたパートナーシッププラットフォームを構築する計画を公表している。更に2019年11月には、異なる銀行口座間の証券取引決済を可能とすることで、資本市場の決済サービス機能の向上を図るべく、証券取引向けのインターバンク決済システムをリリースした。そして今回、タイ証券取引所は複雑化する規制関連の情報提供を強化することで、より健全で透明性の高い市場の形成を期待できそうだ。
release date 2020.03.16
カンボジア(Cambodia)、ラオス(Lao People's Democratic Republic)、 ミャンマー(Myanmar)、ベトナム(Viet Nam)の頭文字をとり、CLMVと称される4か国は、インドシナ半島に位置するASEANの後発新興国として位置づけられている。近年CLMVの経済成長は目覚ましく、地理的に近いASEANの中所得国であるタイが、4か国の成長の果実を取り込む動きを見せている状況だ。例えば、SBIタイオンラインはTrading Technologiesと提携し、グローバル投資家向けにタイ先物取引所へのアクセスを実現させている。また、サイアム商業銀行がリップル社と提携し、国際送金やマイクロペイメントのニーズに対応することで、CLMVを始めとするASEANでのプレゼンス拡大に注力している。一方でCLMV諸国においても、経済成長に伴い資産運用ニーズが高まっている模様であり、カンボジアの海外FXブローカーであるB.I.C MarketsがMT5を導入するなど、インドシナ半島の4か国のいずれかを拠点とする金融サービスプロバイダーも商品・サービス力の強化を図っている。今後も高い経済成長が見込まれるCLMVとタイの金融サービスプロバイダーが、市場シェアの拡大に向け如何なるソリューションを打ち出すか注目したい。
作成日
:2020.03.16
最終更新
:2022.06.29
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
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