Select Language

ユーレックス・クリアリング、金融庁から清算業務ライセンスを取得

ユーレックス・クリアリング、金融庁から清算業務ライセンスを取得

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:28
ユーレックス・クリアリング、金融庁から清算業務ライセンスを取得

update 2021.08.31 15:28

日本市場において中央清算業務の拡充を模索

世界有数のデリバティブ取引所Eurex Exchange(本社:Mergenthalerallee 61 65760 Exchborn[1])【以下、ユーレックスと称す】傘下のEurex Clearing AG【以下、ユーレックス・クリアリングと称す】は、日本の金融庁(Japan Financial Services Agency)【以下、JFSAと称す】より、中央清算機関(Central Counterparty)【以下、CCPと称す】が同国で清算業務を行うための外国金融商品取引清算機関(Foreign Financial Instruments Clearing Organization)ライセンスを取得したことを発表した。[2]

ユーレックスは、世界最大級の債券市場規模を誇る日本の顧客ニーズに対応すべく、同国のライセンス取得を決断したという。これにより、ユーレックス・クリアリングはユーロ建てスワップ商品のリクイディティプールの拡充を図ることができる模様だ。一方で、日本の金融機関はスワップ取引の清算に際し、ダイレクトにユーレックスへアクセスすることができるようになるほか、単一マーケットプレイス上で上場債券のみならずユーロ建て債券の店頭(OTC)取引清算も可能になるという。

ライセンスの取得に際し、ユーレックス・クリアリングのCEOであるErik Müller氏は以下のようにコメントしている。

EU域外で欧州債券関連商品の最大の保有国の一つである日本において、ライセンスを付与されたことを誇らしく思っております。我が社は、ライセンスの取得過程におけるJFSA及びそのスタッフのサポートに感謝の意を述べたいと思います。今回、ライセンスを取得したことにより、我々はアジアにおいてサービスを拡充するほか、ユーロ建て債券商品のグローバル清算機関になるというコミットメントを示すことができると考えております。

Erik Müller, CEO of Eurex Clearing - Eurex Clearingより引用

日本の金融機関は、ユーレックスを通じて欧州の債券先物を積極的に取引しているほか、世界最大規模のOTCデリバティブ市場を形成している。そのため、ユーレックス・クリアリングにとって日本市場へのアクセスを得たことは、リクイディティプールの拡大戦略を推し進めるうえで合理的な選択といえるであろう。シティグループOTCクリアリング・FXプライムブローカレッジ部門グローバルヘッドを務めるChristopher Perkins氏は、ユーレックスを通じ、日本市場で他社と差別化されたスワップ取引清算サービスの拡充を図れることを大変喜ばしく思うと共に、同社と協働し日本市場において新たな顧客と取引できることを楽しみにしているとコメントしている。ユーレックス・クリアリングが世界有数の債券市場規模を誇る日本市場に参入したことで、更なる顧客基盤の拡大が期待できそうだ。

release date 2020.03.16

出典元:

ニュースコメント

効率性・利便性の改善余地が大きい日本の金融市場

証券取引所間の顧客獲得競争が激しさを増すなか、ドイツ取引所傘下のユーレックスはクロスカレンシースワップの中央清算業務を開始したほか、ユーレックスはユーロ建て債券ETFオプションをリリースするなど、積極的に業容拡大を図っている状況だ。他方で、足元では金融市場において一定のプレゼンスを有している日本をターゲット市場として定め、様々な戦略を講じる金融サービスプロバイダーが散見されている。例えば、ユーレックス・クリアリング同様に、香港証券取引所傘下のOTC ClearがJFSAからライセンスを取得したほか、JPモルガンチェースが新決済ネットワークを日本でリリースし、決済プロセスの迅速化やマネーロンダリング対策(AML)を試みている状況だ。日本特有の市場システムや規制環境などを背景に、海外の金融機関にとっては、同市場の効率性や消費者の利便性の向上余地は大きいと見なされている模様である。フィンテック革命により、日本では決済や海外送金、保険、貸出などの多岐にわたる金融サービス機能の効率化が期待されている。同国の市場において、海外FXブローカーやフィンテック企業などが、消費者の利便性向上に繋がる画期的なソリューションを提供できる土壌が整備されることを期待したい。


Date

作成日

2020.03.16

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

XMTradingの入出金で銀行口座凍結?海外FX禁止の銀行に注意

SNS上では「XMTradingの出金で銀行口座が凍結された」とする投稿が一部で見受けられます。銀行によっては海外FXとの取引を禁止しているため注意が必要です。本記事では凍結リスクが高い銀行や仮想通貨送金の注意点を説明します。
update2025.09.03 19:00

bitcastleは詐欺業者?口座開設ボーナスで出金拒否多数

SNS上ではbitcastleから「出金できない」「口座を凍結された」といった報告が相次いでいます。本記事では、bitcastleで報告されている出金トラブルを紹介するほか、bitcastleは詐欺業者なのかどうか説明します。
update2025.10.21 19:30

Vantage Tradingで出金遅延、担当者が語る原因と対応

Vantage Tradingで銀行出金に関する遅延が確認されています。出金申請後に着金まで時間を要するケースが報告されており、SNS上でも混乱が発生している状況です。原因としては入金額の急増や決済システム側の処理制限が影響しているものと見られます。
update2025.10.24 19:00

Bybit P2P利用で銀行口座凍結・詐欺容疑者に?海外FXユーザーが知るべき巻き込まれリスクとは

Bybit P2Pを利用したユーザーが銀行口座凍結されたことに加え、詐欺容疑者として取り調べを受けたというSNS投稿が話題になっています。本記事では、話題となった投稿の内容や、海外FXユーザーがP2P取引の利用を避けるべき理由などを解説します。
update2025.11.12 19:00

Peska(ペスカ)は本当に安全?評判は悪くないが入出金リスクに注意

PeskaはFX業者とのコラボキャンペーンなどをきっかけに、急速にユーザーを増やしているオンラインウォレットです。しかし、新興サービスのため利用すべきか迷うという人も少なくありません。この記事ではPeskaの安全性や評判、オンラインウォレット業界が抱えるリスクなどを説明します。
update2025.09.29 19:30

Vantage Tradingが入出金額の上限を変更、100万円以上の出金は自動分割

海外FX業者のVantage Tradingが、銀行振込の入出金額の上限を変更しました。今後は銀行振込で一度に出金できる額が100万円に制限されます。本記事では、変更された条件や高額送金時の注意点などを説明します。
update2025.11.11 19:00

Money Charger(マネチャ)情報流出で問われるキャッシュバックサイトの運営体制と安全性

Money Chargerは2025年10月25日、ユーザーの個人情報が外部に流出したことを公表しました。キャッシュバックサイトはうまく活用すれば取引コストを抑えられる一方で、個人情報を扱う性質上、安全管理体制が極めて重要です。本記事では、安全性や透明性の観点から主要なキャッシュバックサイトを比較します。
update2025.11.17 19:00

Funded7で出金が認められない事例が増加?ルールの不透明さが原因か

Funded7で出金拒否に関する投稿がSNS上で増加しており、利用者の間で不安が広がっています。「利益が取り消された」「短時間取引が理由で無効になった」などの報告が投稿されています。当記事では出金拒否の原因を整理し、他のプロップファームとFunded7のルールを比較します。
update2025.11.21 19:00

Exnessの乗り換え先としてXSはアリ?スペックを比較

取引環境の良さから玄人にも人気のExnessですが、最近は出金トラブルなどが発生しており、今後の取引環境に不安を抱くユーザーも増えています。本記事では、有力な乗り換え先であるXS.comと取引環境・条件を比較し、乗り換え先として相応しいかどうかを検討します。
update2025.11.20 19:00

Bybitが日本ユーザーの新規登録を停止!日本撤退で海外FXユーザーにも影響大か?

Bybitが2025年10月31日をもって日本ユーザーの新規登録停止を発表しました。既存ユーザーは継続利用できるものの、締め出しも時間の問題と予想する声も少なくありません。本記事では、Bybitの発表内容や海外FXユーザーへの影響などを解説します。
update2025.11.06 19:00

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル