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CoolBitX、SBI主導のシリーズBで1,675万ドルを調達

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update 2021.08.31 15:28
CoolBitX、SBI主導のシリーズBで1,675万ドルを調達

update 2021.08.31 15:28

日本でKYC及びAMLに特化した事業体を設立する意向

仮想通貨のコールドウォレット事業を展開するCoolBitX Ltd.(本社:8F, No. 176, Changchun Road, Songshan District Taipei City, Taiwan[1])【以下、CoolBitXと称す】は2月25日、シリーズB(スタートアップ中盤)の投資ラウンドにて1,675万ドルの資金調達に成功したことを発表した。[2]

同資金調達ラウンドは、日本の大手金融企業であるSBIホールディングス株式会社が主導し、その他にはマネックスグループ株式会社や台湾の政府系ファンドである行政院国家発展基金(National Development Fund of Taiwan)、韓国の仮想通貨取引所のBitSonicが参画したとのことだ。CoolBitXは今回調達した資金を活用し、世界中の仮想通貨サービスプロバイダー(Virtual Asset Service Provider)【以下、VASPと称す】向けに、金融活動作業部会(Financial Action Task Force, FATF)が掲げるコンプライアンス基準への対応を図るソリューションであるSygnaの販売拡大を推進する意向である。尚、SygnaはVASPを対象に、既存の金融業界の規制に対応するためのコンプライアンスに特化した商品群である。

CoolBitXはハードウェアウォレット分野への参入に際し、数多くのVASPにコンプライアンス対応ニーズがあると認識しており、2019年10月にSygnaをリリースした。既に、SBI VCトレードやコインチェック、ビットバンク、BitSonicなど10か所の仮想通貨取引所とパートナーシップ契約を締結している。更にCoolBitXは、日本の金融庁と連携して、同国にてコンプライアンス特化の事業体を設立する意向であるという。

新たな資金調達に際し、CoolBitXのCEOであるMichael Ou氏とSBIホールディングス株式会社のCEOを務める北尾吉孝氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。

我々は、広範な投資家コミュニティからサポートを受けられることを喜ばしく思っております。また、SygnaやCoolWallet Sを活用し、既存の金融業界と仮想通貨業界のギャップを埋めるツールやインフラを開発することに自信を持っております。今回の資金調達は、産業の成熟化とデジタル資産の積極採用をサポートする我が社の目標の達成に向けた後押しになると考えております。現在、アジアの規制当局と連携して、Sygnaの販売拡大を模索中ですが、特に日本のステークホルダーとのオープンダイアローグの実践にコミットし、2020年に同国でSygnaの販売を手掛ける事業体を設立する見込みであります。

Michael Ou, CEO of CoolBitX - TechCrunchより引用

早期からCoolBitXに出資してきた当社としては、CoolBitXが仮想通貨ビジネスの拡大に向けたブレイクスルーを起こすことを歓迎しております。ボーダレスという特徴を持つデジタル資産には、地理的な境界線を無くすソリューションが必要です。我々は同社と提携して、世界中に安全且つ使い勝手の良いシステムを提供することに自信を持っております。

Yoshitaka Kitao, president and CEO of SBI Holdings - TechCrunchより引用

CoolBitXは、需要高まるKYC(本人確認)やAML(アンチマネーロンダリング)関連ソリューションの強化に向けて資金を有効活用することで、更なる顧客利用の拡大が期待できそうだ。

release date 2020.02.27

出典元:

ニュースコメント

コンプライアンスサービスの強化を図る金融サービスプロバイダー

2014年に創業したCoolBitFXは、仮想通貨のコールドウォレットやセキュリティ対策ソリューションを提供するスタートアップ企業だ。同社が2018年にリリースしたクレジットカードサイズのCoolWallet Sは、薄くて軽量ながらBluetooth接続などの多機能を搭載している。仮想通貨の窃盗事件が相次いでいるのに伴い、コールドウォレットへの関心が高まるなか、既に15万人以上の顧客が同製品を利用しており、仮想通貨コミュニティの間で高い評価を得ている模様だ。また、グローバルに規制が目まぐるしく変化するなか、VASPが効率的にコンプライアンスデータを共有することができるSygnaへの注目も集まっている。他方で、その他の金融サービスプロバイダーもKYCやAMLなどコンプライアンス関連ソリューションの開発を強化している状況だ。例えば、TradesocioがGBGと提携し、デューデリジェンスプロセスの大幅な短縮を実現させたほか、MetaQuotesがMT5とSumsubのKYC機能を統合した。更に、海外FXブローカーのなかではExnessがSumsubと提携し、包括的なコンプライアンスプロセスの効率化を図っている。仮想通貨及びFX業界のいずれにおいても、グローバルに規制が強化されると見込まれることから、各金融サービスプロバイダーが安心・安全な取引環境の構築に寄与するコンプライアンス関連ソリューションを開発することを期待したい。


Date

作成日

2020.02.27

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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