作成日
:2019.09.11
2022.04.21 18:00
キプロスを拠点にリテール顧客向けFXブローカー事業を展開するExness(本社:1 Siafi PortoBello, Office 1, 3042, Limassol, Cyprus
)が、英国・ロンドンを拠点としてKYC(本人確認)やAML(アンチマネーロンダリング)などのレグテックソリューションを提供するSum And Substance Ltd(UK)【以下、Sumsubと称す】とパートナーシップ契約を締結したことが明らかになった。Sumsubのテクノロジーは、多岐に亘る規制策それぞれのKYCやAMLプロセスをビジュアル化できるところに特色があり、コンプライアンス業務のワークフローを完全自動化、半自動化、マニュアル化のいずれにも対応させることが可能だという。また、Sumsubのソリューションを活用するコンプライアンス担当スタッフは、口座開設を断られた理由など個人の取引履歴を閲覧することもできるとのことだ。異なる監督当局の規制下にある複数の事業体を傘下に収めるExnessは、それぞれ異なる基準のKYCやAML対策を講じる必要があることから、コンプライアンス業務の効率化を図るべく、今回Sumsubと提携する決断に至った模様だ。なおSumSubは、既にUberやMetaQuotes、BlaBlaCarといった大企業に採用されている。
両社の提携に際し、ExnessのCOOを務めるMaria Fedorova氏とSumSubの創業者であるJacob Sever氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。
我々はKYCプラットフォームの市場調査を行い、複数のデータベースを購入することを検討しておりましたが、それは各規制市場において異なるテクニカル作業を必要とし、業務量も膨大なものになるため、AML及びKYCプロセスの遂行がより困難なものになると認識しました。一方で、Sumsubのテクノロジーを活用することで、我が社のコンプライアンス業務を完全に補完し、特定のワークフローやニーズにマッチした形で業務を遂行することができるようになりました。
Maria Fedorova, COO at Exness - Finance Magnatesより引用
G20主導の金融作業部会(FATF)において、AML対策を強化する旨のガイドラインが発行されたことに加え、FCAやCySECといった監督当局も規制を強化するなか、ブローカー各社はコンプライアンス及び詐欺防止対策を講じなければなりません。規制強化の環境下において、我が社の商品を活用することにより、有力ブローカーであるExnessのコンプライアンスコストの最適化やデューデリジェンス義務の遵守などに貢献することを喜ばしく思っております。
Jacob Sever, founder of Sumsub - Finance Magnatesより引用
なお足元では、ブロードリッジがFinancial Database Servicesを買収したほか、Gold-iがSteelEyeと提携するなど、多くの企業が需要拡大が見込まれるレグテックソリューションの提供に注力している。世界各国で規制が強化される流れとなっていることから、今後もExnessのようにレグテック企業と提携しコンプライアンス業務の効率化を図る海外FXブローカーが出てくると予想される。
release date 2019.09.11
2008年に創業したExnessは、FCAとCySECの許認可のもと、FXや仮想通貨、金属など120種類以上の金融商品を提供している。また、主要なFX通貨ペアなどのティックのヒストリカルデータを公開するユニークなサービスも行っているほか、13言語に対応する充実した顧客サポート体制を構築している。そして、2018年12月時点のアクティブユーザー数は50,000人を超え、順調に顧客基盤を拡大させている模様だ。2018年8月にExnessがリリースしたMT5上では、最低預入金額やスプレッドが異なるミニ口座もしくはクラシック口座にて最大レバレッジ2,000倍の取引が可能であり、世界各地で規制が強化されるなか、圧倒的なハイレバレッジサービスを提供している。更に、依然として世界中で多くのトレーダーが愛用するMT4も利用することができ、ミニ口座もしくは高い執行能力を発揮するECN口座を選択することも可能である。なお、Exnessは20世紀最高のサッカークラブチームに選出されたスペインのレアルマドリードのスポンサーを務めており、認知度向上を通じて更なる新規顧客の獲得を期待できそうだ。
作成日
:2019.09.11
最終更新
:2022.04.21
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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