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香港証券取引所、ロンドン証券取引所グループの買収を計画

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update 2021.08.31 15:29
香港証券取引所、ロンドン証券取引所グループの買収を計画

update 2021.08.31 15:29

LSEG及び関係当局と買収スキームを交渉中

香港証券取引所(本社:8/F, Two Exchange Square, 8 Connaught Place, Central, Hong Kong[1])【以下、HKEXと称す】は9月10日、320億ポンド(3,960万ドル)を投じてロンドン証券取引所グループ(本社:10 Paternoster Square London EC4M 7LS[2])【以下、LSEGと称す】を買収する計画であることを発表した。

HKEXによる買収提案を受け、LSEGの株価は一時78ポンドを超え、15%上昇する大幅高を演じた。HKEXは現在、買収スキームについて関係当局及びLSEGと交渉中であり、仮に買収計画がまとまったとしてもLSEGの現経営陣は留任する見通しであるという。また、今回の買収提案はLSEGの顧客が中国市場へのアクセスをスムーズにすると共に、香港の企業が英国の証券取引や決済テクノロジーの活用を推進することになるため、両社にとってメリットのあることだと述べている。

LSEGへの買収提案の公表に際し、HKEXのCEOであるCharles Li氏は以下のようにコメントしている。

我が社とLSEGが合併することは、数十年に亘るグローバル資本市場を再定義することであり、東洋と西洋の証券取引所が融合することにより、リスクの分散化を図ると共に、お客様に対し革新的なソリューションや効果的なリスク管理、新たなトレーディング機会を提供することができるようになるでしょう。また両社が合併することにより、ダイナミックに発展するマクロ経済の恩恵を大いに受け、ロンドンと香港がグローバル金融センターとして確固たる地位を確立すると考えております。

Charles Li, CEO of HKEX - Bloombergより引用

各国の証券取引所による業容拡大やサービス機能の強化を目的としたM&Aや戦略的提携は積極的に行われており、ユーロネクストがオスロ証券取引所グループの買収を完了させたほか、モスクワ証券取引所がAvelacomと提携している。なおHKEXにとっては、LSEGの買収が英国における最初の大型買収案件ではなく、2012年にロンドン金属取引所(London Metal Exchange, LME)を14億ポンドで買収した実績を持つ。アジアと欧州を股にかける一大証券取引所が成立するか、両社を始め両国の金融当局の動向に注目したい。

release date 2019.09.12

出典元:

ニュースコメント

香港証券取引所が仕掛けた世紀の大合併の成否に注目

HKEXによるLSEGの買収が成立した場合、両取引所の時価総額は約690億ドルまで拡大し、世界トップに君臨する米CMEグループの約735億ドルに肉薄する見通しだ。HKEXのCEOであるLi氏がコメントしている通り、買収が実現すれば、現在の金融システムの構図を一変させるビッグディールになるといえる。一方で、LSEGはHKEXによる買収提案を精査し、適切な時にコメントすると声明を発表しているが、英国金融行動監視機構(FCA)、中国証券監督管理委員会(CSRC)によって上海・ロンドンストックコネクト開始が承認されており、LSEがアジア市場の開拓に高い関心を抱いているのも事実であろう。今後に関しては、LSEGがどのような対応策を講じるのかは勿論、英国の政府及び規制当局が、両社の合併による金融システムへの影響について、如何なる判断を下すかが焦点となる。HKEXが仕掛けた一大買収計画が成立した場合、海外FXブローカーやアセットマネジメント会社などへも大きな影響を及ぼすと見込まれることから、今後の展開に目が離せない状況だ。


Date

作成日

2019.09.12

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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