作成日
:2020.02.27
2021.08.31 15:33
ロンドンに本社を置くデジタルバンキングプラットフォームのRevolut Limited(本社:4th Floor, 7 Westferry Circus, E14 4HD London, United Kingdom
)【以下、レボリュートと称す】が、シリーズD(スタートアップの資金調達における一段階)の投資ラウンドで5億ドル以上の資金調達に成功したことが明らかになった。今月25日、レボリュートはシリコンバレーのベンチャーキャピタルであるTCVが主催した投資ラウンドに参加し、複数の企業から合計5億ドル以上の資金提供を受けたという。これでレボリュートが獲得した資金は、シリーズBの6,600万ドルやDST Globalが主催した前回の投資ラウンドの2億5,000万ドルと合わせて、合計8億3,600万ドルに達している。レボリュートは伝統的な銀行業界に革新をもたらす存在として期待されており、現時点で55億ドル以上の評価額があると言われているようだ。
2015年に設立されたレボリュートは、モバイルアプリをベースとした資金管理ツールを提供するだけでなく、株取引や保険仲介、仮想通貨関連サービスなども段階的に追加している。現在レボリュートは、ビットコイン(Bitcoin)やイーサリアム(Ethereum)、ライトコイン(Litecoin)、ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)、リップル(Ripple)などの仮想通貨をサポートしており、アプリ内のユーザー同士に限定した取引ソリューションを提供している状況だ。
これまでレボリュートは、英国を中心にその他欧州諸国やシンガポール、オーストラリアにも事業を展開しており、2019年にはそのユーザー総数を前年比169%、日間アクティブユーザー数を380%増加させている。更にレボリュートはVISAとの提携強化を行なったのに加え、Mastercard(マスターカード)などの大手決済企業と協業し、日本や米国、欧州各国への進出を目論んでいるという。レボリュートは昨年、有料のサブスクリプションサービスであるRevolut PremiumおよびRevolut Metalを開始しており、前年比で154%の売上を記録しているが、今回調達した資金をどのように活用するのか、今後も同社の取り組みに注目していきたい。
release date 2020.02.27
英国を代表するチャレンジャーバンク(銀行業務ライセンスを取得し、既存銀行と同様のサービスを全てモバイルアプリ上で提供する企業)として位置付けられているレボリュートは、新しい形態のサービスを積極的にローンチしており、金融業界での影響力を急速に強めつつある。昨年、レボリュートは株式取引手数料無料のサービスを開始するなど、ライトユーザーを取り込むことに成功しているようだ。近年、英国ではブローカービジネスの再編成が活発になっており、先日もデジタル証券取引プラットフォームのStakeがブローカレッジサービスを開始し、3,500銘柄以上の株式やETF(上場投資信託)の提供を始めたばかりだ。一方、英国金融行動監視機構(Financial Conduct Authority)がデリバティブ商品に対する規制を強めるなど、拡大を続ける投資市場への懸念も高まっているが、今後もこれら新興企業の動向を見守っていきたい。
作成日
:2020.02.27
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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