作成日
:2020.02.14
2021.08.31 15:28
米国のサイバーセキュリティ企業であるRecorded Future(本社:363 Highland Avenue, Somerville, MA 02144, United States
)は、北朝鮮政府が経済制裁を回避することを目的に、匿名通過と呼ばれるモネロ(Monero)のマイニングを促進していることを明らかにした。今月9日に発行されたレポートによると、2019年5月以降、モネロのネットワーク上で北朝鮮のIPアドレスに紐づいたトラフィックが少なくとも10倍以上増加しており、国内での同仮想通貨のマイニング活動がビットコイン(Bitcoin)を上回る勢いで活発になっているという。今回、北朝鮮政府がモネロをターゲットに選んだ背景には、一般的なコンピュータなどの汎用機でマイニング可能なため、海外から高価なマイニングマシンを輸入する必要がないなど、運用コストをかけずに仮想通貨を獲得できるという理由が存在するようだ。またRecorded Futureは、モネロの匿名取引を利用すれば、資金の流れを追跡することが困難になると言及しており、米国および国連安全保障理事会(U.N. Security Council)による経済制裁を回避する手段になり得ると分析している。
以前国連安全保障理事会は、北朝鮮が20億ドル相当の資産を盗難したと断定しているが、Recorded Futureの調査では、どの組織が関与したかまではわからなかったという。それに加え北朝鮮政府は、プロキシサーバーを介してマイニングを行なっているため、IPアドレスを追尾するのが難しく、実際にモネロのハッシュレートにどの程度の影響があったかは明確になっていない。しかしながら、2017年8月の北朝鮮によるWannaCry攻撃(マイクロソフト社のWindows OSを狙ったランサムウェアによるセキュリティ侵害)が発覚して以来、同国政府がモネロを使用していることは周知の事実となった。
現在、モネロは多くの犯罪組織にとって好ましい仮想通貨となっており、2019年中にマイニングされた通貨量の5%が違法なマルウェアによるものだと推測されている。最近ではOutlawと名乗る謎のハッキンググループが、企業のコンピュータシステムに潜入してモネロのマイニングを実行する高度なマイニングボットを開発したことが報告されているだけに、同仮想通貨の開発チームは何かしらの対策を講じる必要があると言えるだろう。
release date 2020.02.14
2019年4月に5周年を迎えたモネロは、当初からリング署名などの暗号化技術を核とした匿名取引など、利用者のプライバシーを重視したブロックチェーンシステムを開発している。現在では10億ドルの時価総額を誇る人気仮想通貨となっているが、その匿名性の高さが仇となり、日本や米国の仮想通貨取引所では取り扱いが一部制限されているようだ。また、モネロはPoW(プルーフ・オブ・ワーク)のアルゴリズムを採用しているにも関わらず、汎用機でもマイニング可能なほど効率的なシステムを実現していることから、悪質なマルウェアによるクリプトジャッキングなどの手法を用いたサイバー犯罪に利用されるリスクを抱えているという。これを受けてモネロはマルウェア対策の学習サイトを立ち上げ、仮想通貨コミュニティのITリテラシー向上に努めているものの、その効果を実感するまでにはある程度の時間を要する。各国で仮想通貨市場に対する規制が厳格化しているが、このようなサイバー犯罪を撲滅することはできるのか、今後もモネロを含む仮想通貨プロジェクトの取り組みに注目していきたい。
作成日
:2020.02.14
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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