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モスクワ証券取引所、露建設大手EtalonのGDR取引サービスを開始

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update 2021.08.31 15:29
モスクワ証券取引所、露建設大手EtalonのGDR取引サービスを開始

update 2021.08.31 15:29

天然ガスの現金決済先物取引サービスも提供

ロシア最大の証券取引所であるモスクワ証券取引所(本社:125009 Moscow, Bolshoy Kislovsky per, 13[1])【以下、MOEXと称す】は、同国建設大手であるEtalon Group【以下、Etalonと称す】のグローバル預託証券(Global Depository Receipts)【以下、GDRと称す】取引を開始したことを発表した。[2]

取引開始に際し催されたセレモニーには、Etalonの取締役会長であるSergey Egorov氏と、同社CEOのGennadiy Shcherbina氏、同社CFOのKirill Bagachenko氏、MOEXの会長を務めるYury Denisov氏が出席したという。

GDR上場に際し、Denisov氏とEgorov氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。

既に外国証券取引所への上場を果たしている企業の多くが、新たにモスクワでの上場の重要性を認識していることは、大変喜ばしいことであります。Etalonにとって、我が取引所で上場したことは、特に個人投資家を中心とした投資層の拡大や、新たな株式取引需要の喚起に繋がる機会になるでしょう。国内投資家にとっても、ポートフォリオの分散や建設業界における有力企業の株式を保有することができるようになります。同社が、我が取引所への上場を通じて、新たな成功の歴史を歩むことを期待しております。

Yury Denisov, Chairman of MOEX - Moscow Exchangeより引用

MOEXに上場したことは、我が社のGDRへの投資を拡大させる重要なステップだと考えております。グローバル投資家及びロシアの機関投資家は、同証券取引所に対し、利便性と信頼性という価値を見出しております。従来、ロンドン証券取引所において、我が社のGDRを取引出来なかった多くの投資家が、本日からMOEXを通じてトレードできるようになることを喜ばしく思っております。また、同証券取引所へのアクセスを通じて、様々な株式インデックスに採用されることで、我が社の流動性と株式時価総額が増加することを期待しております。

Sergey Egorov, Chairman of the Board of Directors of Etalon Group - Moscow Exchangeより引用

また、MOEXは1月31日、グローバルコモディティ取引の拡大を図るべく、天然ガスの現金決済先物取引サービスも開始した。[3]同取引は、MMBtu(100万英国熱量単位)当たりの米ドル建てで、100MMBtu単位の引き合いとなるが、実際の取引はロシアルーブル建てで行われるという。今後、3月限から9月限までの7種類の天然ガス先物取引サービスを提供する見通しだ。同サービスの開始に際し、MOEXのFX・マネーマーケット部門マネージングディレクターであるIgor Marich氏は、コモディティデリバティブは同証券取引所のデリバティブ市場において急成長を遂げている分野であり、2019年の取引高は30%増、金額にして28兆ルーブルに達したという。また、天然ガス先物取引サービスを開始したことは、ロシアの投資家に対し、グローバルベンチマークの活用を推進する同証券取引所の戦略の一環であるとコメントしている。

MOEXは、取引の利便性向上に繋がるサービスを打ち出すことで、更なる顧客取引の拡大が期待できそうだ。

release date 2020.02.06

出典元:

ニュースコメント

GDRを活用した新たな投資家層の囲い込みを図るMOEX

世界各国で株式関連の制度や規制が異なるなか、企業が海外の証券取引所へ直接上場せずに、第三国の投資家から効率的な資金調達を行うため、株式は自国に預けると共に、海外の証券取引所へ上場させる証券のことを預託証券(DR)と呼ぶ。DRの中には、主に欧州市場で発行される証券であるGDRや、主に米国で発行される米国預託証券(ADR)、日本で発行されるものである日本預託証券(JDR)などがある。MOEXは、新たな投資家層を取り込むべく、EtalonのGDR取引サービスを開始したと推察される。尚、同証券取引所は、新サービス機能の提供や戦略的提携を通じて、積極的に業容拡大を図っている状況だ。例えば、MOEXはFX取引手数料無料サービスを開始したほか、MOEXはAvelacomと提携した。また、MOEXは新FX関連サービスの提供を開始することで、FX取引の増加を模索している。今後も、同証券取引所が、更なる顧客基盤の拡大を図るべく、如何なるソリューションを提供するか注目したい。


Date

作成日

2020.02.06

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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