作成日
:2020.01.23
2021.08.31 15:29
英国の大手テレコム会社であるVodafone(本社:Newbury, Berkshire, RG14 2FN
)【以下、ボーダフォンと称す】は、Facebook(フェイスブック)が主導するステーブルコインであるリブラ(Libra)の運営委員会、Libra Associationから脱退することを表明した。今月21日、ボーダフォンとLibra Associationの両社はこの事実を公にしており、ボーダフォンは独自決済ソリューションであるM-Pesaの開発に集中するために脱退を決定したと説明している。これでボーダフォンは、昨年10月にLibra Associationを脱退したペイパルやMastercard(マスターカード)、Visa(ビザ)、Mercado Pago、eBay(イーベイ)、Stripe、Booking Holdingsに続き、同組織から離脱した8社目の企業となった。
Libra Associationの政策および広報担当者であるDante Disparte氏は、ボーダフォンの脱退と今後の展望について次のようにコメントしている。
Libra Associationのメンバーは時間と共に変更される可能性がありますが、リブラのガバナンスおよびテクノロジーは、決済システムを健全に保つように設計されています。リブラの目標は何十億人もの人々をつなぐ、エコシステムを構築することです。このソリューションを最も必要とする人々の問題を解決できないのであれば、無理なローンチ時期を設定するよりも、時間をかけて課題に対処していきたいと思っています。Libra Associationはリブラの決済システムの安全性や透明性、利便性を高めるために取り組みを継続するでしょう。
Dante Disparte, Head of Policy and Communication at Libra Association - Bloombergより引用
一方、ボーダフォンの広報担当者は、同社が金融包摂の拡大に貢献するのを念頭に活動を続けており、現時点ではM-Pesaに注力することが最も効果的な手段だとの考えを述べた。既にボーダフォンはM-Pesaをアフリカの6カ国に展開し、より多くのリソースを割くことで貧困地域へのサービス拡大を狙っているようだ。M-Pesaは複数の通貨による送金に対応しており、ボーダフォンは将来的にLibra Associationとの協業やリブラを受け入れる可能性もあると言及している。
もともとリブラは2020年前半にローンチされる予定だったが、昨年、FacebookのCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏が規制上の懸念により、その時期が遅れる可能性があると述べたのに加え、Disparte氏がGlobal Blockchain Business Council主催のBlockchain Centralでスケジュール変更も選択肢のひとつであることを示唆した。しかしながら、リブラの開発は着々と進んでおり、ここ数カ月にわたってテストネットの立ち上げや新機能の実装が行われている状況だ。更にLibra Associationは、メンバー企業の幹部で構成される技術運営委員会を組織するなど、プロジェクトの促進を図る動きを見せている。
ある情報筋によると、2020年、Libra Associationは新しいメンバー企業を組織に招き入れることを検討しているという。現在、1,500社以上の企業がLibra Associationへの加盟を希望しているものの、それを認められるにはメンバー企業の同意が必要になる。今年に入ってFacebookはリブラのロードマップを新しく策定し、ローンチに向けて歩みを進めているが、相次ぐメンバー企業の脱退がどのように影響するのか、今後も同社の活動に注目していきたい。
release date 2020.01.23
M-Pesaはボーダフォンとケニアの通信会社であるSafaricom、南アフリカのボーダコムが開発するモバイルベースの非接触型決済ソリューションであり、2007年頃からアフリカ諸国で広く利用されている。M-Pesaは店頭で現金をチャージし、SMSを介して送金を実行することができるため、国民の大半が銀行口座を持たないこれらの地域で万人が利用可能な金融サービスとして重宝されているという。現在、仮想通貨市場ではFacebookのリブラに続き、大手仮想通貨取引所であるバイナンスがステーブルコイン開発のプロジェクトを積極的に推し進めているものの、ボーダフォンはM-Pesaのようなソリューションがより現実的に普及する可能性があると見ているようだ。ユースケースの確立が課題とされる仮想通貨市場では、実用性と利便性を兼ね備えたソリューションの登場が待ち望まれているだけに、今後も仮想通貨関連企業の躍進に期待したい。
作成日
:2020.01.23
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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