Select Language

デジタルドル財団、CBDCの発行に向けてアクセンチュアと協業

マーケット速報
  • マーケット速報
  • 話題のニュース
  • デイリーニュース
  • MT4/MT5
  • 暗号資産
  • FXブローカー
  • その他

デジタルドル財団、CBDCの発行に向けてアクセンチュアと協業

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:29
デジタルドル財団、CBDCの発行に向けてアクセンチュアと協業

update 2021.08.31 15:29

米政府機関のサポートを得ながらプロジェクトの推進を試みる

米国のDigital Dollar Foundation【以下、デジタルドル財団】は、大手コンサルティング会社のAccenture【以下、アクセンチュアと称す】と協業し、米中央銀行発行の独自デジタル通貨(Central Bank Digital Currency)【以下、CBDCと称す】を開発することを計画している。[1]

このデジタルドル財団は、CBDCの研究開発を行うことを目的に、米商品先物取引委員会(Commodities and Futures Trading Commission)【以下、CFTCと称す】の元議長であるJ. Christopher Giancarlo氏とLabCFTCの元ディレクターであるDaniel Gorfine氏、投資家のCharles Giancarlo氏によって設立された。デジタルドル財団は、CBDCの開発に向けて経済学者や弁護士、研究者、技術者などの意見を求めており、まずはシステム検証用のフレームワークを構築するという。以前からChristopher Giancarlo氏は、ブロックチェーンを基礎としたCBDCを発行するよう政府機関に要請していたが、今回、連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board)【以下、FRBと称す】やその他関係者のサポートを得て、独自にプロジェクトを進めることを決断した。あるメディアのインタビューで、Giancarlo氏は、アナログな金融システムは現代において役に立たないと言及しており、将来的には、CBDCが個人や企業の決済をサポートするとの見解を示している。また、同氏はデジタルドル財団が提案するCBDCは、米ドルを裏付けとし、より安価で迅速なグローバル金融システムとして機能すると述べている。

アクセンチュアは、デジタルドル財団のテクノロジーパートナーとしてプロジェクトをサポートすることが期待されているが、同社のブロックチェーン部門の責任者であるDavid Treat氏は、まずステークホルダーと意見をまとめる必要があると説明している。アクセンチュアはスウェーデン国立銀行と協業し、イークローナ(e-Krona)の開発に携わるだけでなく、カナダ銀行(Bank of Canada)やシンガポール金融管理局(The Monetary Authority of Singapore)、欧州中央銀行(European Central Bank)などと同様の取り組みを進めているという。Treat氏は、CBDCの登場が世界の投資市場に大きな影響を与えると予想しており、アクセンチュアがこの分野に多額の投資を行なっていることを明らかにした。

デジタルドル財団は、会合やオープンフォーラムを開催するなど、様々な方法でプロジェクトを推進することを検討しているものの、まずは米政府の関心を理解することが重要だと言えるだろう。特にFRBの協力を得ることが必須であるため、デジタルドル財団は、連邦政府が立ち上げたリアルタイム決済システムのFedNowとの連携を図らなければならない。今の所、FedNowがブロックチェーンを採用する予定はないが、少なくともFRB議長のJerome Powell氏は、その潜在性を高く評価している。しかしながら、Powell氏はCBDCが本当に有効な決済手段であるかの確証を得られておらず、ブロックチェーン技術の導入に二の足を踏んでいるようだ。LabCFTCの元ディレクターであるDaniel Gorfine氏は、CBDCが法律や経済、プライバシーや技術的な観点で課題を抱えていることを指摘した上で、デジタルドル財団が段階的なアプローチで、課題の解決に取り組んでいくと説明している。

最近、中国人民銀行(People's Bank of China)が、CBDCの発行に向けた準備を完了したと噂されており、これが米ドル本位の金融システムを崩壊に導く可能性があると言われている。これに関し、業界のシンクタンクであるCoin CenterのJerry Brito氏は、デジタル人民元が米ドルの脅威になることはないと主張しているが、有識者たちは、これが経済制裁を回避する手段として利用される危険性があると反論した。米中以外にもマーシャル諸島政府が仮想通貨プロジェクトを立ち上げるなど、世界各国が同様の取り組みを進めているため、この流れは益々加速していくと言えるだろう。今年はFacebook(フェイスブック)がリブラ(Libra)のローンチを予定しており、仮想通貨市場への関心が高まっているが、今後もデジタルドル財団の動向を見守っていきたい。

release date 2020.01.20

出典元:

ニュースコメント

ステーブルコイン普及の影響を精査する日本政府

欧米諸国では、CBDCを含むステーブルコインの開発が加速しており、中央銀行や企業の取り組みが活発になってきているが、日本政府は未だ他国の様子を伺っているようだ。民間では、GMO Japanese Yen(GYEN)やGrand Shores Westなど、日本円を裏付けとするステーブルコインの発行も計画されているものの、これらの仮想通貨が日本国内で主要な存在となることは難しいと言えるだろう。日本銀行の雨宮正佳副総裁は、このようなステーブルコインがキャッシュレス化の一環で普及していくことを認めつつも、CBDCが預金まで代替した場合、銀行を中心とした既存の金融システムが機能しなくなる可能性があるとの懸念を示している。日本政府はリブラに関するワーキンググループを立ち上げるなど、世界的なステーブルコインの影響力の強さを警戒しているようだが、日本の仮想通貨市場は、このトレンドにどのような対応を取るのか、今後も国内での展開に注目していきたい。


Date

作成日

2020.01.20

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 support@myforex.com

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

メタマスクが勝手に開く現象が多数報告!原因や対処法は?

PCでブラウザを立ち上げた際にメタマスクが勝手に起動する現象が起きており、SNS上でも話題になっています。Myforex編集部でもこの現象を確認しており、当記事執筆時点(2025年4月3日)ではGoogle ChromeとBraveのブラウザで発生していることが確認できています。
update2025.04.03 19:45

ワールドコインのOrb(オーブ)の日本設置場所は?無料配布を受けられる登録会場の予約方法も解説

ワールドコインのOrb(オーブ)で生体認証を行うことで、仮想通貨WLDを無料で受け取れます。当記事では、ワールドコインの日本国内のオーブ設置場所、探し方、予約方法などを解説します。
update2025.03.21 19:30

XMTrading・Vantage Trading・AXIORY公式アプリがApp Storeから削除

海外FXブローカーのXMTradingおよびVantage Trading、AXIORYのアプリがApp Storeから削除されたことが確認されました。本記事では、削除の背景や考えられる理由、ユーザーへの影響、そして今後の対応策について詳しく解説します。
update2025.03.25 19:30

VPSではMT4・EAは何個起動できる?複数稼働は可能なのか?

スペック別のEAの起動数の目安のほか、VPSの負担を軽くする方法を説明します。同時に起動するEAの数が多すぎると、MT4が動かなくなる可能性があるので注意が必要です。VPSを使っているならば、MT4やEAをいくつ起動できるかを把握しておくことが大切です。
update2025.01.23 19:00

Galaxy DAOが出金受付を開始?返金を期待できない3つの理由

Galaxy DAOが、返金の受付を開始するという内容のメールをユーザーに配信していたことが明らかになりました。しかし、多くのユーザーは返金の実現には懐疑的です。なぜGalaxy DAOによる返金が期待できないのか3つの理由を説明します。
update2025.03.19 19:30

MT4/MT5対応の通貨強弱インディケータを徹底比較!無料で使えるおすすめは?

通貨強弱インディケータを使うと各通貨の強弱が一目で分かり、初心者でも視覚的に相場状況を把握できます。この記事では、無料のおすすめインディケータを比較し、選び方や活用方法を解説します。
update2025.02.05 19:30

【MT4/MT5】フィボナッチを自動で描写!便利なインディケータを徹底比較

フィボナッチを使ってチャート分析をする際、ラインの引き方が分からなかったり、毎回手動で引くのが面倒だったりなどの難点があります。そこで本記事ではフィボナッチを自動描画できるMT4/MT5用インディケータを徹底比較します。
update2025.02.12 19:00

キャプテン翼-RIVALS- がJOHNトークンのエアドロを発表!LINEなどで遊べるMini Appの独自トークン

「キャプテン翼-RIVALS- Mini App」は、キャプテン翼のIPを活用したWeb3ゲームです。2025年4月にJOHNトークンのエアドロップが予定されており、注目を集めています。本記事では、JOHNトークンの特徴、エアドロップの仕組み、将来性などを解説します。
update2025.03.27 19:00

MT4/MT5のローソク足の色は4つのポイントでカッコよくできる!

MT4/MT5は、自分だけのオリジナルデザインにチャートをカスタマイズできます。配色や表示設定を少し変えるだけで、補色やコントラストを意識することで、より視覚的に分かりやすいチャートにすることも可能です。この記事では、誰でも簡単にできるチャートのカスタマイズ方法を4つのポイントに分けてご紹介します。
update2025.02.12 19:30

【MT4/MT5】別チャートにラインを同期できるインディケータを比較検証

MT4やMT5に複数のラインを表示させるために毎回描画することを面倒に感じていませんか?「ライン同期インディケータ」を描画すれば、引いたラインが全てのチャートに自動的に表示されます。本記事では、別チャートにラインを同期できるおすすめのインジケーターを解説します。
update2025.01.28 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する

close