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マーシャル諸島政府が仮想通貨プロジェクトを立ち上げ

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update 2021.08.31 15:30
マーシャル諸島政府が仮想通貨プロジェクトを立ち上げ

update 2021.08.31 15:30

国内で利用可能な独自仮想通貨の発行を目指す

マーシャル諸島政府がソブリン(Sovereign)【以下、SOVと称す】という名称の独自仮想通貨を発行するプロジェクトを正式に立ち上げたことが、今月4日の報道によって明らかになった。[1]

発表によると、SOVは国内における流通通貨としての役割を担うと共に、犯罪組織やテロリストへの資金供給を断ち切るための金融体制を確立する手段になる可能性があるという。これに関してマーシャル諸島大統領補佐官であるDavid Paul氏は、SOVが米ドルと共に国内で流通し、税金の支払いや食料品の購入など様々な用途での利用が想定されていると同時に、個人が利用する場合には承認済みの銀行口座または取引口座が必要になると説明した。また、インフレを防ぐためにSOVの供給量は2,400万通貨に制限されており、一定のレートでの価値上昇が発生するように設計されているようだ。

今年初めにマーシャル諸島政府はSOV Development Fundと呼ばれる独立した非営利組織を通じてこの独自仮想通貨を管理することを公表し、同組織を合計7名から成る委員会で運営していく方針を示した。この委員会における2名の構成員は政府によって指名され、別の2名はブロックチェーンインフラを構築するために提携した民間企業のSFB Technologiesより選出される。これらの4名がブロックチェーン、銀行、金融分野の専門家の中から残りの3名を任命するとのことだ。

このような国家主導の仮想通貨プロジェクトは世界中で進められており、中国では同国の中央銀行である中国人民銀行がリブラに対抗する独自仮想通貨の開発に着手し、加えてロシアでは政府が金に裏付けされた国際決済向けの仮想通貨開発を検討している状況だ。既にベネズエラでは国営仮想通貨であるペトロが運用されているが、思ったような効果は得られていないようである。マーシャル諸島政府はSOVを成功に導くことができるのか、今後の展開を見守っていきたい。

release date 2019.09.05

出典元:

ニュースコメント

米ドル依存の経済からの脱却を狙う

現在、マーシャル諸島ではココヤシの栽培や漁業が主要な産業となっているが、同国政府は経済規模を拡大するために、台湾や欧州をはじめとする外国からの資本獲得を狙っているという。マーシャル諸島は世界でも有数のタックスヘイブンでもあることから、近年では企業のオフショア拠点として盛り上がりを見せつつあり、金融分野ではFXや証券ブローカーが進出して欧州圏からの資金が流入しているようだ。しかしながら、このようなオフショア国には脱税やマネーロンダリング、その他の犯罪に絡んだ資金が集まりやすい性質があるため、先進諸国の監視が強まっている状況だ。実際、昨年9月にはマーシャル諸島のSOV構想に対しIMFが警告を発し、このような違法行為を助長する可能性があると指摘している。対するマーシャル諸島政府はSOVを米ドル主体の経済から脱却するための手段だと捉え、ICOによる資金調達を切望しているようだが、今後も当局の動向には注目していきたい。


Date

作成日

2019.09.05

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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