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EBRD、イスタンブール証券取引所株式10%を売却

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update 2021.08.31 15:29
EBRD、イスタンブール証券取引所株式10%を売却

update 2021.08.31 15:29

同取引所によるCEOの指名に反対

欧州復興開発銀行(European Bank for Reconstruction and Development)【以下、EBRDと称す】は、トルコ唯一の証券取引所であるイスタンブール証券取引所(本社:Borsa İstanbul, Resitpasa Mahallesi, Borsa İstanbul Caddesi No: 4, Sariyer, 34467, Istanbul, TURKEY[1])の株式10%を、同国のソブリンウェルスファンドであるTurkish Wealth Fund【以下、TWFと称す】に売却したことを発表した。[2]これにより、TWFはイスタンブール証券取引所株式の90.6%を保有することになる。

ロイターによると、2015年よりイスタンブール証券取引所株式を保有するEBRDは2か月前に、同証券取引所が米国で拘置されていた元トルコ国営銀行Halkbankの役員であるHakan Atilla氏をCEOに指名したことに対し反対の意を示していたという。EBRDは今後に関して、現地通貨建ての商品開発環境の整備や、IPOとプレIPO投資、そして上場後の企業運営などを支援し、トルコ資本市場の発展に向けた継続的なサポートにコミットするとコメントしている。また同機関は、イスラム金融や債券ファンド、プロジェクト債、証券化などのオルタナティブ商品もしくは固定金利、変動金利商品の開発をサポートすると共に、直接投資やインフラファンドなどを通じてベンチャーキャピタルへの投資を拡大させる意向とのことだ。

なお、グローバル証券取引所の動向を確認すると、シカゴ・ボード・オプションがEuroCCPを買収し、欧州市場での株式取引及び決済サービスの拡充を推し進めている。また、ユーレックスがユーロ建て債券ETFオプションをリリースしたほか、ドイツ取引所がFXスワップ取引を強化するなど、各国証券取引所が積極的に業容拡大を図っている状況だ。そして今回、EBRDによる株式売却が決まったイスタンブール証券取引所が、健全で効率的な資本市場の形成に寄与すべく、如何なるソリューションを打ち出すか注目したい。

release date 2020.01.03

出典元:

ニュースコメント

ESG投資を加速させるEBRD

1991年に設立されたEBRDは、社会主義国や旧ソ連構成国など中東欧諸国の市場経済化や民営化を支援するため、日本を含む加盟66か国と欧州共同体(EC)及び欧州投資銀行(EIB)が出資する国際金融機関である。主に、民間セクターへのプロジェクトファイナンスを供与している。今回EBRDは、不透明な経営体制のイスタンブール証券取引所への投資をやめる決断を下したことにより、環境(Environment)と社会(Social)及びガバナンス(Governance)の観点を考慮に入れたESG投資を加速させている状況だ。国際連合(United Nations)でESGの視点を投資に組み入れることなどを決めた機関投資家の投資原則である国連責任投資原則(PRI)が提唱された2006年以降、実際にEBRDによるESG投融資残高が大きく拡大している。他方で、同機関はトルコリラ建て融資やベンチャー企業投資などを通じて、同国資本市場の発展に向けたサポートを継続させる意向も示している。トルコでESGの視点にかなう企業が多く現れてくることで、EBRDの投融資を通じた市場活性化に繋がることを期待したい。


Date

作成日

2020.01.03

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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