作成日
:2019.12.26
2021.08.31 15:29
楽天株式会社(本社:東京都世田谷区玉川一丁目14番1号
)【以下、楽天と称す】の完全子会社である楽天ウォレット株式会社【以下、楽天ウォレットと称す】は、同社のロイヤリティプログラムを通じて付与される楽天スーパーポイントを仮想通貨に交換する新しいサービスの開始を発表した。今月24日の発表によると、楽天ウォレットのユーザーは楽天スーパーポイントをビットコイン(Bitcoin)、イーサリアム(Ethereum)、ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)の3種類の仮想通貨に交換できるようになったという。楽天スーパーポイントは1ポイントあたり1円の価値を持っており、これを仮想通貨に交換するには最低100ポイントが必要になるようだ。また、このサービスには1回の取引に5万ポイント、ひと月の取引には合計50万ポイントの利用上限が設けられている。
楽天ウォレットはこの新しいサービスを開始したことにより、新規ユーザーの取り込みを図ると同時に、仮想通貨取引を始める際の障壁を取り除く意図があると説明した。楽天グループ全体としては楽天スーパーポイントのロイヤリティプログラムに仮想通貨関連サービスを追加し、同社のエコシステムを更に魅力的で有用なものにする狙いがあるようだ。当初、楽天ウォレットはこのサービスをAndroid OSのみでサポートすると公表していたが、来月までにiOSも対象とすることを計画している。
日本では大手IT企業による仮想通貨市場への参入が続いており、今年8月に楽天ウォレットが仮想通貨取引サービスを開始することを発表したのに加え、翌月にはLINEがBitMaxを始動した。2018年以降、仮想通貨価格の暴落で国内市場は停滞していたが、これらの大手企業の動きが活発になれば、再興に向けた強烈な追い風になると言えるだろう。
release date 2019.12.26
楽天グループはショッピングモール型のECサイトに加え、ブッキングサイトの楽天トラベルや通信サービスの楽天モバイル、生命保険の楽天生命など、多様なサービスを展開しており、日本国内だけで合計4,000万人以上のユーザーを抱えている。これらのサービスは楽天スーパーポイントを核とするロイヤリティプログラムを共有し、ブランド力の向上に貢献しているが、今回、楽天ウォレットが加わったことで仮想通貨を介した直接的なリワードの付与が可能となった。更に楽天グループは仮想通貨を同社のEC事業に統合する可能性を模索しており、これが現実のものとなれば、エコシステム全体の連動性が増すと言えるだろう。このような試みは多方で進められ、今年9月にはコインチェックがポイントサービスのマクロミルと提携し、同様のリワードシステムを完成させているようだ。一方、競合のLINEはLINKトークンの発行とそれを軸としたエコシステムの構築を計画しているが、仮想通貨を取り巻く環境はどのように変異していくのか、今後も国内市場の動向を見守っていきたい。
作成日
:2019.12.26
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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