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バイナンス、FTXに戦略的投資を行ったことを発表

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update 2021.08.31 15:29
バイナンス、FTXに戦略的投資を行ったことを発表

update 2021.08.31 15:29

流動性の確保や機関投資家向けのサービス構築を狙う

大手仮想通貨取引所のBinance【以下、バイナンスと称す】は、仮想通貨デリバティブプラットフォームのFTXに戦略的な投資を行ったことを今月20日に明らかにした。[1]

これによりバイナンスはFTXの独自仮想通貨であるFTXトークン(FTT)の開発や普及を長期的に支援し、同社のエコシステム拡大に向けた取り組みを進めることになるという。反対にFTXはバイナンスに流動性を提供するだけでなく、グローバル市場を対象とした仮想通貨取引および店頭取引(OTC)を含む、機関投資家向けサービスの構築を手助けするようだ。バイナンスのCEOであるChangpeng Zhao氏は、FTXを驚異的な成長を遂げた革新的な企業だと評価し、仮想通貨デリバティブ市場で主要なプレーヤーになり得ると言及した。一方、FTXの創立者兼CEOであるSam Bankman-Fried氏は、バイナンスとの協業が相乗効果を生み、同社の成長を加速させると述べている。

今年初めにローンチされたFTXは最も広く認知されている仮想通貨デリバティブプラットフォームのひとつだが、市場操作および未承認の証券を販売した疑いで1億5,000万ドルの損害賠償を求める訴訟を提起されていた。原告はバイナンスもこの価格操作に関与しているとの議論を展開したものの、結局、裁判所が今月初めに訴訟を却下し、事態は沈静化に向かっている模様だ。

最近、バイナンスはWazirXを買収しており、これまでリーチできていなかった市場への進出を試みている様子がうかがえる。特に仮想通貨デリバティブの分野では、今年9月にバイナンスはJEXを買収するなど積極的な動きに出ているだけに、今後も同社の取り組みには注目していきたい。

release date 2019.11.20

出典元:

ニュースコメント

仮想通貨デリバティブ市場の拡大の一方でリスク要因に懸念も

近年、仮想通貨デリバティブ市場は拡大の一途を辿っており、SkewおよびBitwiseの調査によると、ビットコイン(Bitcoin)先物やパーペチュアルスワップ(満期日が定められていない先物商品)の取引高がスポット市場の10倍にまで増加しているという。このような仮想通貨デリバティブは比較的容易にショートポジションを取ることができるため、ビットコイン価格が暴落し始めた2018年初旬を境に需要が高まってきているようだ。これによりスポット市場の流動性が改善し、値動きの安定性が増すとの見解もあるものの、デリバティブ商品のハイレバレッジな特性が潜在的なリスク要因となりつつあるのも事実だと言えよう。日本の大手取引所であるコインチェックが仮想通貨のレバレッジ取引を廃止するなど、仮想通貨市場は過剰なリスクを避ける方向に進んでいるが、トレーダーはどのような反応を示すのか、今後も仮想通貨デリバティブ市場の動向を見守っていきたい。


Date

作成日

2019.12.20

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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