作成日
:2019.12.11
2021.08.31 15:29
仮想通貨関連テクノロジーの開発を手掛けるRipple, Inc.【以下、リップル社と称す】が、同社のブロックチェーン開発者向けプラットフォームであるXpringを介して提供される様々な機能をXpring.ioに統合したことが明らかになった。
Xpring社の役員であるEthan Beard氏によると、今年10月に公開されたリップル社の開発者向けプラットフォームはユーザーアカウントを作成する機能の実装に2カ月必要になるなど、非効率なものだったという。今回、新しく公開されたXpring.ioではモバイルアプリケーションに決済ソリューションを組み込むことを容易にするために、開発者向けに仮想通貨ウォレットや開発ツール、仕様書、カスタマーサービスなどが提供されているようだ。これに関してBeard氏はXpring.ioが開発者に必要な全ての機能を提供し、セントラルハブ的な役割を担うと言及している。
Xpring.ioで提供される新しいSDK(ソフトウェア開発キット)はJavaやJavaScript、Swiftなどに加え、PythonやGoなどのプログラミング言語をサポートしており、テスト環境などを含むXRP Ledger上での開発を効率化する。Xpring社によると、このSDKは100行のコードを21行に圧縮することが可能で、XRP Ledgerでのトランザクション処理を簡素化できるという。また、開発者はXpring.ioを介して仮想通貨ウォレットにおけるアカウント資格者情報の管理、残高の表示、送受金の実行、トランザクション履歴の監視が利用できるようになったが、将来的には更に多くの機能が追加される予定だ。これに加えて、Xpring社はXRP Ledgerのバージョン1.4.0に対するアクセスも開放しており、最低15XRPの残高を持つアカウントのリカバリーなども可能となった。
昨年からリップル社の投資部門として活動しているXpring社は、開発者コミュニティの成長を促しており、XRPを軸としたネットワーク拡大を試みている。先日、リップル社はRippleNet Homeを発表するなど、製品を強化する動きに出ているが、今後も同社の事業展開に注目していきたい。
release date 2019.12.11
ここ数日のリップル価格は1通貨あたり0.22ドル付近の底値を推移していたが、Xpring.ioの発表があった11日以降、買い圧力が高まったことで上昇トレンドが発生している。直近では0.23ドルの価格帯に存在する抵抗線がターゲットとなる可能性が高いものの、二重天井が形成されて上値が重いため、再び価格が下方向にリバウンドするリスクも懸念されているようだ。しかしながら、仮想通貨市場全体としてはビットコイン(Bitcoin)の半減期が半年後に迫り、マーケットセンチメントがポジティブな方向に振れていることから、主要な仮想通貨価格が高騰するとの期待感が高まっている状況だ。特に日本の大手取引所であるbitFlyerがリップルの取扱いを開始し、追い風が吹いているだけに、同仮想通貨価格がこのまま上昇を続ける可能性もあると言えるだろう。リップル社は開発者コミュニティの活性化を狙っているようだが、投資家はこの動きをどのように見ているのか、今後も仮想通貨市場の展開に注目していきたい。
作成日
:2019.12.11
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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