Select Language

チャールズ・シュワブ、TD Ameritradeの買収を模索

チャールズ・シュワブ、TD Ameritradeの買収を模索

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:29
チャールズ・シュワブ、TD Ameritradeの買収を模索

update 2021.08.31 15:29

市場シェア及び預かり資産規模は大手ライバルに伍するほどに

米国・サンフランシスコを拠点とする大手金融機関であるCharles Schwab Corp【以下、チャールズ・シュワブと称す】が、同業のTD Ameritrade(本社:200 South 108th Avenue Omaha, NE 68154[1])を260億ドル規模で買収すべく交渉を進めていることが明らかになった。このニュースを受け、チャールズ・シュワブとTD Ameritradeの株価はそれぞれ一時3.5%、7.0%ほど上昇した。

買収後の経営戦略は明らかとなっていないものの、両社の合併交渉がまとまった場合、チャールズ・シュワブはブラックロック(BlackRock)など強力なライバルと伍していけるほどの市場シェア及び預かり資産規模を誇ることになる。また、交渉が固まるまではTD AmeritradeのCFOを務めるSteve Boyle氏が同社を率い、合併後はチャールズ・シュワブのCEOであるWalter Bettinger氏が合併会社の経営を取り仕切る見通しとのことだ。一方で、TD Ameritradeの現CEOであるTim Hockey氏は2020年2月に同社を去ることを既に表明している。

2019年10月、チャールズ・シュワブが取引手数料無料サービスを開始したことに続き、Eトレードも取引手数料を引き下げ、米国のオンラインブローカー各社による価格競争が熾烈を極めている状況だ。S&P500の年初来パフォーマンスが24%上昇しているのに対して、チャールズ・シュワブは7.8%の上昇に留まり、TD Ameritradeに至っては約16%下落し、投資家が両社の現状の経営に満足していないと推察される。チャールズ・シュワブがTD Ameritradeを買収したのちには、高い市場シェアや預かり資産をもとに、如何なるソリューションを打ち出すか、今後の動向に注目したい。

release date 2019.11.22

出典元:

ニュースコメント

合従連衡が進むか注目される米国オンライン証券市場

米国のオンライン証券市場では、業界リーダーのチャールズ・シュワブを始め、TD Ameritrade、Eトレードに加え、Interactive Brokersも取引手数料を無料化したことをきっかけに、証券各社の収益悪化が懸念されている。特に、チャールズ・シュワブとの合併交渉を進めるTD Ameritradeは、2018年度の収益の半分ほどを金利収入が占めていることから、FRB(米連邦準備制度理事会)による利下げの影響を大きく受け、収益の維持に腐心している状況だ。取引手数料無料サービスを提供し、顧客基盤の拡大に成功する新興ブローカーのロビンフッドやレボリュートなどとの競争も厳しさを増すなか、TD Ameritradeにとっては競合他社との合併を通じて現状を打開する道を選択したと推察される。合併交渉がまとまった後には、両行が規模の大きい経済を活かした大幅なコスト削減や、チャールズ・シュワブが得意とする富裕層向けのアセットマネジメント分野における新たなソリューションの提供などが予想されている。米国のミレニアル世代を中心に、低取引コストを求めるトレンドに変わりはなく、オンライン証券市場の各プレーヤーが収益圧迫要因となる取引手数料無料を継続することで、今後も合従連衡が進むか否か、引き続き投資家からの注目が高まりそうだ。


Date

作成日

2019.11.22

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨KAITOの将来性は?AI活用のWeb3情報プラットフォームKaito AIの特徴や評判を解説

仮想通貨KAITOは、Web3の情報アクセスを変革する次世代プラットフォーム「Kaito AI」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨KAITOの概要や将来性、Kaito AIが提供するYapsの仕組み、SNSでの評判などを解説します。
update2025.02.19 19:00

FXGTでの出金拒否報告が増加中、これまでとは違う危険な兆候とは?

FXGTの出金拒否の報告・原因のほか、ユーザーの流出状況などをまとめました。SNS上ではここ数ヶ月の間に出金拒否に関する投稿が増加しており、ユーザーの間では「自分も出金拒否されるのでは」「FXGTがつぶれるのでは」といった不安が広がっています。
update2025.02.14 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

仮想通貨SOSOの将来性は?AI活用の投資分析プラットフォームSoSoValueがトークン発行

仮想通貨SOSOは、中央集権型金融の効率性と分散型金融の透明性を組み合わせた投資分析プラットフォーム「SoSoValue」のガバナンストークンです。当記事では、仮想通貨SOSOの将来性やSNSでの評判、SoSoValueの特徴などを解説します。
update2025.01.24 19:30

Bybitからビットフライヤーに送金してみた!送金手数料や反映時間は?

Myforex編集部では、実際にBybitからビットフライヤー(bitFlyer)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、送金手順のほか、送金手数料やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2025.02.19 19:30

【全て無料】MT4/MT5を日本時間にできるインディケータのおすすめが決定!

MT4/MT5に表示されている時間は、インディケータを使えば簡単に日本時間へ変えられます。MT4/MT5を日本時間表示にしておくと、各市場のトレンドを把握しやすくなったり、経済指標の発表時間に合わせた取引がしやすくなったりと、何かと便利です。
update2024.12.04 20:00

VPSではMT4・EAは何個起動できる?複数稼働は可能なのか?

スペック別のEAの起動数の目安のほか、VPSの負担を軽くする方法を説明します。同時に起動するEAの数が多すぎると、MT4が動かなくなる可能性があるので注意が必要です。VPSを使っているならば、MT4やEAをいくつ起動できるかを把握しておくことが大切です。
update2025.01.23 19:00

MacのMT4/MT5はダウンロードしても使えない?文字化けや起動しない時の対策方法や最終手段を紹介!

Mac版のMT4やMT5は不具合が良く発生するため、自分の使い方が悪いのか不安を感じている人もいるのではないでしょうか。本記事では、Mac版のMT4・MT5のトラブルや解決方法を解説します。
update2024.12.04 20:30

コインチェックからBybitに送金してみた!送金手数料や反映時間についても解説

コインチェック(Coincheck)からBybitに仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験やSNSでの口コミなども交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.11.29 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル