作成日
:2019.11.22
2021.08.31 15:29
今月21日、ビットコイン(BTC/USD)価格は2.4%以上の大幅な下落を記録したことで8,000ドルラインを割り込み、1カ月ぶりに安値を更新した上で、7,714ドルに存在する主要な支持線を試しに向かう弱気な動きに出ている。
先日、ビットコイン価格が10月の高値から大幅な下落を見せたが、現時点でそれが7,900ドルを下回る水準にまで落ち込んでおり、4週連続でのマイナスが継続することがほぼ確定的となった。例年であれば11月は年末にかけての需要増加がプラスの季節要因をもたらすものの、今年はビットコイン価格が月初から既に13%の後退を示している。ビットコインの半減期が6カ月後の2020年5月に迫っているにも関わらず、その価格は売り圧力に押さえ込まれて上昇に向かえない状況にあるようだ。
1時間足チャートでは三角保ち合いから下向きのブレイクダウンが発生し、出来高を伴う力強い下降トレンドが描かれている。同じく3日足チャートでもトレンドの強弱を表すMACD(移動平均収束拡散法)がゼロを下回って弱気な方向に振れると同時に、14日単位のRSI(Relative Strength Index)も弱気を意味する50未満の値を示しているようだ。これらを参照すると、次にビットコイン価格が3日足チャートの300日平均移動線(Moving Average)が存在する7,714ドル、もしくは、7,751ドルの支持線を試しに向かうことが予想できる。
8時間足チャートでは今月17日の高値である8,631ドルを上回った場合、強気なトレンドに転じる可能性が高まることが示唆されている。今年に入って仮想通貨およびブロックチェーン関連の求人広告が増加するなど、仮想通貨市場全体にとってポジティブな要因も出てきているだけに、今後はビットコイン価格が復調に向かうことに期待したい。
release date 2019.11.22
今年初めから続く仮想通貨市場の好調がビットコイン価格を再び過去最高値の約2万ドル付近まで押し上げるとの期待が高まっていたが、今年後半に入ってそれが1万ドル前後で長らく停滞する事態に陥っている。そもそも2017年から2018年にかけての仮想通貨市場が異常だったとの見解もあるものの、ビットコインの半減期が近づいてきても、強い上昇トレンドが発生しないのは多くの投資家にとって想定外の出来事だと言えるだろう。特にドイツの大手銀行であるバイエルン州立銀行は次回の半減期が需要過多な状況を作り出すと仮定し、2020年春までにビットコイン価格が9万ドルに達すると予想していたようだ。先月末には中国の習近平国家主席がブロックチェーンを国内市場で採用すると発言したことを受け、ビットコイン価格が2,500ドルの急騰を記録するなど、一時的に仮想通貨市場が強気に転じたが、年末にかけてどのような動きを見せるのか、今後もその展開を見守っていきたい。
作成日
:2019.11.22
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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