Select Language

ユーロネクスト、新3か年戦略プランを発表

ユーロネクスト、新3か年戦略プランを発表

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:29
ユーロネクスト、新3か年戦略プランを発表

update 2021.08.31 15:29

ユーロネクストFXの9月取引高は前月比14%減

欧州最大の取引所の一つであるEuronext【以下、ユーロネクストと称す】は、多岐にわたる事業計画や収益目標などを示した新たな3か年戦略プランであるLet's Grow Together 2022を公表した。[1]

同プランの中でも、ファストマッチからブランド名を刷新したユーロネクストFXは、デリバティブを中心とした新商品の提供や、新たな顧客層及び市場開拓に注力すると共に、コーポレートサービスやFX、先進的なデータ分野のソリューション強化に向け投資を行っていくとのことだ。また、ユーロネクストはオスロ証券取引所グループの買収を完了したことにより、2020年までに1,200万ユーロのコスト削減と1,800万ユーロのリストラ費用の計上、WACC(Weighted Average Cost of Capital、加重平均資本コスト)以上のROCE(Return on Capital Employed、使用資本利益率)の達成を見込んでいるほか、ポストトレード関連サービスを革新的な付加価値ソリューションの提供ツールとして活用する意向だ。

更に新3か年戦略プランにおいては、2018年から2022年のオーガニック(既存の経営資源を利用して成長を実現すること)収益の成長率を2~3%、2020年のオーガニックEBITDA(Earnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortization、利払い前・税引き前・減価償却前利益)マージンを60%超、配当性向を50%とする収益目標も掲げている。またユーロネクストは、独自の次世代型取引プラットフォームであるOptiqを活用した信頼性の高い代替的エコシステムの構築を模索すると共に、トークン化やカスタマイズされた取引モデル、AIなどの革新的なテクノロジーを活用していく見通しだ。

新3か年戦略プランの公表に際し、ユーロネクストのCEO兼取締役会長であるStéphane Boujnah氏は以下のようにコメントしている。

我々は更なる成長の機会を掴むと共に、革新と継続的な成長を続け、汎欧州市場インフラを構築するための新3か年戦略プランを本日公表するに至りました。我が社は金融市場のバリューチェーンの全領域でビジネス展開を図ることに加え、全てのお客様に最高クラスのサービスを提供することを目指しており、汎欧州金融エコシステムにおける我が社が果たすべき重要な役割を担っていく意向でもあります。Let's Grow Together 2022を実行に移すことで、これらのサービス展開を強化すると共に、ビジネスを変革し、各国のローカル経済とグローバル資本市場を結びつけるという目標を達成すると考えております。

Stéphane Boujnah, CEO and Chairman of the Managing Board of Euronext - EURONEXTより引用

また、ユーロネクストはオスロ証券取引所グループの業績を加味した2019年9月のアセットクラス別の取引高を発表しており、日次平均のFXスポット取引高は191.1億ドルと前年同月比2.5%増となる一方で、前月比では14.3%減に沈んだ。新3か年戦略プランの中で明らかになった重点戦略分野であるコーポレートサービスやFX、先進的なデータ関連において、今後如何なるソリューションを提供し顧客取引の拡大に結びつけるか注目したい。

release date 2019.10.11

出典元:

ニュースコメント

3大注力分野への投資を実践し業容拡大を図るユーロネクスト

今回ユーロネクストは、新3か年戦略プランにおいて、デリバティブなどの商品ラインナップの拡充に加え、コーポレートサービスとFX、先進的なデータ関連ビジネスへの投資を行っていくことを表明している。同社のコーポレートサービスは、300社を超える上場企業のインベスターリレーションズ(投資家向け広報)やガバナンス、コンプライアンスサービスなどを提供しているとのことだ。同分野はユーロネクストがCommcise社株78%を取得するなど、同社が得意とするM&A(企業の合併・買収)を通じた業容拡大と共に今後も市場拡大が期待される領域といえるであろう。また、FX分野では欧州全域で規制が強化されるなか、レポーティングなどのポストトレード関連ビジネスが注目されている。更に取引データ関連ビジネスに関しては、ユーロネクストが傘下に収めたオスロ証券取引所グループが保有する市場データを活用し、汎欧州で事業拡大を図る見込みである。なお、欧州における強力なライバルであるロンドン証券取引所グループもリフィニティブ(Refinitiv)を買収し、取引データ分野の市場シェア拡大を目指す意向であり、多くの証券取引所が同ビジネスを成長市場として位置づけていると推察される。ユーロネクストがこれらの3事業の市場拡大に向けて、如何なる投資戦略を講ずるのか注目したい。


Date

作成日

2019.10.11

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨KAITOの将来性は?AI活用のWeb3情報プラットフォームKaito AIの特徴や評判を解説

仮想通貨KAITOは、Web3の情報アクセスを変革する次世代プラットフォーム「Kaito AI」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨KAITOの概要や将来性、Kaito AIが提供するYapsの仕組み、SNSでの評判などを解説します。
update2025.02.19 19:00

FXGTでの出金拒否報告が増加中、これまでとは違う危険な兆候とは?

FXGTの出金拒否の報告・原因のほか、ユーザーの流出状況などをまとめました。SNS上ではここ数ヶ月の間に出金拒否に関する投稿が増加しており、ユーザーの間では「自分も出金拒否されるのでは」「FXGTがつぶれるのでは」といった不安が広がっています。
update2025.02.14 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

仮想通貨SOSOの将来性は?AI活用の投資分析プラットフォームSoSoValueがトークン発行

仮想通貨SOSOは、中央集権型金融の効率性と分散型金融の透明性を組み合わせた投資分析プラットフォーム「SoSoValue」のガバナンストークンです。当記事では、仮想通貨SOSOの将来性やSNSでの評判、SoSoValueの特徴などを解説します。
update2025.01.24 19:30

Bybitからビットフライヤーに送金してみた!送金手数料や反映時間は?

Myforex編集部では、実際にBybitからビットフライヤー(bitFlyer)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、送金手順のほか、送金手数料やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2025.02.19 19:30

【全て無料】MT4/MT5を日本時間にできるインディケータのおすすめが決定!

MT4/MT5に表示されている時間は、インディケータを使えば簡単に日本時間へ変えられます。MT4/MT5を日本時間表示にしておくと、各市場のトレンドを把握しやすくなったり、経済指標の発表時間に合わせた取引がしやすくなったりと、何かと便利です。
update2024.12.04 20:00

VPSではMT4・EAは何個起動できる?複数稼働は可能なのか?

スペック別のEAの起動数の目安のほか、VPSの負担を軽くする方法を説明します。同時に起動するEAの数が多すぎると、MT4が動かなくなる可能性があるので注意が必要です。VPSを使っているならば、MT4やEAをいくつ起動できるかを把握しておくことが大切です。
update2025.01.23 19:00

MacのMT4/MT5はダウンロードしても使えない?文字化けや起動しない時の対策方法や最終手段を紹介!

Mac版のMT4やMT5は不具合が良く発生するため、自分の使い方が悪いのか不安を感じている人もいるのではないでしょうか。本記事では、Mac版のMT4・MT5のトラブルや解決方法を解説します。
update2024.12.04 20:30

コインチェックからBybitに送金してみた!送金手数料や反映時間についても解説

コインチェック(Coincheck)からBybitに仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験やSNSでの口コミなども交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.11.29 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル