Select Language

サクソバンク、蘭ブローカーBinckBankの買収を完了

サクソバンク、蘭ブローカーBinckBankの買収を完了

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.05.20 17:41
サクソバンク、蘭ブローカーBinckBankの買収を完了

update 2022.05.20 17:41

新商品・サービスのリリースとテクノロジー投資を計画

デンマークに拠点を置く投資銀行であるSaxo Bank Group(本社:Philip Heymans Alle 15 2900 Hellerup Denmark[1])【以下、サクソバンクと称す】は、オランダを拠点とするオンラインブローカーであるBinckBank(本社:Barbara Strozzilaan 310 1083 HN Amsterdam The Netherlands[2])の全発行済み株式の95.14%を保有したことにより買収を完了したことを明らかにした。BinckBankは、速やかにユーロネクスト・アムステルダムから上場廃止されるとのことだ。[3]

両行は既にインフラ統合作業を開始すると共に、トレーディング業界において競争力の強化を図るべく、新たな商品・サービスをリリースする計画であるという。また、顧客の投資行動の変化に対応するために、テクノロジー関連の大規模な技術投資を実行するとのことだ。サクソバンクは、今回の買収は合理的なものであり、両行が共通の地理的な領域や商品ラインナップ、顧客基盤を有していることから、ビジネス効率を向上させることができるとコメントしている。そして、両行の顧客及びパートナーに関しては、ビジネス規模の拡大に伴うサービスの向上や、トレーディング業界が抱える課題の解消に向けたソリューションの提供といったメリットが見込まれている。なお、サクソバンクによる株式買い取りに応じなかったBinckBankの株主は、サクソバンクが株式の受け入れ期限として定める2019年8月14日までであれば、株式売却が可能である模様だ。

買収手続きの完了に際し、サクソバンクのCEO兼創業者であるKim Fournais氏とBinckBankのCEOを務めるVincent Germyns氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。

新たな規制への対応を強いられているトレーディング業界は大きな転換期にあり、利益率が縮小する一方で、デジタルな顧客エクスペリエンスの提供やマルチアセットクラスの取引機能が求められてくると見ております。また、今回の買収は両行のみならず、お客様、従業員、株主、社会の全てにウィンウィンな関係性をもたらすと共に、両行が力を合わせることで、先進的なマルチアセットクラスの投資関連ソリューションを提供するグローバルリーダーになれると考えております。

Kim Fournais, CEO and founder of Saxo Bank - SaxoBankより引用

トレーディング業界で有力なプレーヤーであるサクソバンクが有する投資関連テクノロジーとサービス機能を活用することにより、我々は商品ラインナップの拡充と、より使い勝手の良い取引プラットフォームの提供が可能になります。

Vincent Germyns, CEO of BinckBank - BinckBankより引用

サクソバンクは2018年12月に初めてBinckBankに対し買収提案を行い、その当時の株価に35%のプレミアムを乗せた1株当たり6.35ユーロで株式を買い取る意向を示していた。なお、8月7日終値時点でBinckBank株式は6.36ユーロとなっている。サクソバンクによる買収案に関しては、事業規模の拡大とビジネスリスク管理の効率化に繋がることから、BinckBankの取締役会も満場一致で賛成しており、2019年7月下旬にサクソバンクはBinckBankの買収認可を取得し、同行の株式買い取り手続きに入っていた。

サクソバンクとBinckBankには、買収をきっかけとして、商品ラインナップの拡充やテクノロジー投資を実行するといった顧客の利便性向上に繋がる明確なプランがあり、今後、両行のシナジーを発揮した付加価値の高いソリューションを提供することで、更なる業績拡大が期待できそうだ。

release date 2019.08.08

出典元:

ニュースコメント

事業再構築や新市場開拓を見据えた金融業界のM&Aが活況

規制環境が目まぐるしく変化する中、ブローカーの中にはレグテックなどを活用した効率的な規制対応を図ったり、グローバルベースで事業再編を遂行する企業も出てきており、現在は新たな金融サービス体制を構築するための移行期にあると考えられる。そのような環境下において、金融業界ではプレゼンスの拡大や事業基盤の強化などを目的とした企業のM&A事案が増加している状況だ。2019年7月にはLMAX GlobalがCB Capital Businessを買収したほか、INTLがFillmore Advisorsを買収している。また、米国最大のFXブローカーであるForex.comを運営するGAINには自社に対する買収観測が浮上しており、まさに業界の勢力図を塗り替えるような動きが起こるかもしれない。サクソバンクによるBinckBankの買収は金融機関同士によるものであるが、今後、金融機関とフィンテック企業、もしくはレグテック企業との合併が実現し、顧客の取引環境が飛躍的に改善するような画期的なソリューションが提供されることを期待したい。


Date

作成日

2019.08.08

Update

最終更新

2022.05.20

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

ワールドコインのOrb(オーブ)の日本設置場所は?無料配布を受けられる登録会場の予約方法も解説

ワールドコインのOrb(オーブ)で生体認証を行うことで、仮想通貨WLDを無料で受け取れます。当記事では、ワールドコインの日本国内のオーブ設置場所、探し方、予約方法などを解説します。
update2025.03.21 19:30

XMTrading・Vantage Trading・AXIORY公式アプリがApp Storeから削除

海外FXブローカーのXMTradingおよびVantage Trading、AXIORYのアプリがApp Storeから削除されたことが確認されました。本記事では、削除の背景や考えられる理由、ユーザーへの影響、そして今後の対応策について詳しく解説します。
update2025.03.25 19:30

オオカミコイン(OKM)は怪しい?オオカミプロジェクトの特徴やSNSでの評判

オオカミコイン(OKM)は、オオカミカードを発行するオオカミプロジェクトの仮想通貨です。海外取引所のMEXCに上場していますが、SNS上では怪しいという声も見られます。本記事では、オオカミコインの特徴、SNSでの評判、怪しいポイントなどを紹介します。
update2025.04.11 19:00

ワールドコイン(WLD)の換金方法は?日本円に現金化する手順を解説

ワールドコイン(WLD)は、OpenAI社のCEOであるサム・アルトマン氏らが手掛ける仮想通貨プロジェクトです。登録したユーザーには、仮想通貨WLDが無料配布されます。当記事では、ワールドコインを日本円に換金する手順や、換金時の注意点などを解説します。
update2025.04.16 19:30

Galaxy DAOが出金受付を開始?返金を期待できない3つの理由

Galaxy DAOが、返金の受付を開始するという内容のメールをユーザーに配信していたことが明らかになりました。しかし、多くのユーザーは返金の実現には懐疑的です。なぜGalaxy DAOによる返金が期待できないのか3つの理由を説明します。
update2025.03.19 19:30

MT4/MT5対応の通貨強弱インディケータを徹底比較!無料で使えるおすすめは?

通貨強弱インディケータを使うと各通貨の強弱が一目で分かり、初心者でも視覚的に相場状況を把握できます。この記事では、無料のおすすめインディケータを比較し、選び方や活用方法を解説します。
update2025.02.05 19:30

MT4/MT5のローソク足の色は4つのポイントでカッコよくできる!

MT4/MT5は、自分だけのオリジナルデザインにチャートをカスタマイズできます。配色や表示設定を少し変えるだけで、補色やコントラストを意識することで、より視覚的に分かりやすいチャートにすることも可能です。この記事では、誰でも簡単にできるチャートのカスタマイズ方法を4つのポイントに分けてご紹介します。
update2025.02.12 19:30

MT4/MT5の自動売買をスマホだけでやるって本気?!EA設定はPCに任せよう

「MT4/MT5の自動売買をスマホで完結させたい」と考える方もいるでしょう。スマホだけで自動売買の設定やEAを稼働させることは可能ですが、操作性の低さから現実的ではありません。本記事ではMT4/MT5の自動売買におけるスマホの活用方法を解説します。
update2025.02.05 19:00

MT4のバックテストに正確なヒストリカルデータが必須!無料・有料データを比較

MT4でバックテストをする際にはヒストリカルデータの取得が必要です。ヒストリカルデータは無料と有料のものがありますが、どっちがいいのか、気になる人もいるでしょう。本記事では、ヒストリカルデータのダウンロード方法を詳しく解説します。
update2025.03.26 19:30

GEMFOREX問題が大手メディアに掲載、世論を動かせるか注目

複数の大手メディアがGEMFOREX問題を取り上げたことが話題になっています。GEMFOREX騒動の経緯や2億円が未出金のままになっている元ユーザーの体験談などが掲載され、ネット上ではこの件を拡散して、世論を動かして事件化しようとする動きも見られます。
update2025.04.17 19:30
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル