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INTL、トレーディング業務受託企業Fillmore Advisorsを買収

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update 2021.08.31 15:30
INTL、トレーディング業務受託企業Fillmore Advisorsを買収

update 2021.08.31 15:30

プライムブローカレッジサービスを更に強化する意向

米国にて幅広い金融事業を展開しているINTL FCStone Inc.(本社:155 East 44th Street, 15th Floor New York, NY 10017[1])【以下、INTLと称す】は11日、米ユタ州・パークシティを拠点にトレーディング業務の受託サービスなどを提供するFillmore Advisorsを買収したことを発表した。INTLは今回の買収を通じて、需要が拡大するトレーディング業務受託を始めとするプライムブローカレッジサービスを強化していく方針だ。

Fillmore Advisorsは、トレーディング業務の受託に定評のある独立系企業で、機関投資家を対象としたオペレーショナルコンサルティングサービスも提供している。同社はバイサイドとセルサイド両方での経験が豊富なトレーディングのスペシャリストを擁し、株式からFX、クレジット、金利、コモディティに至るまでマルチアセットクラスのトレーディング業務の受託が可能だ。INTLによる買収契約は当局からの認可待ちの状態であるものの、Fillmore AdvisorsにとってはINTLの傘下に収まることで、プライムブローカレッジサービスの拡充を図る意向だ。同社のパートナー兼CEOであるAndrew Caplan氏は、INTLの一員に加わった後も、既存顧客との関係性を継続させるとコメントしている。

ここ数年に亘り、多くの金融機関が規制対応等の影響からプライムブローカレッジサービスを手掛けなくなる中、INTLはプライムブローカレッジ業務の人員を拡充し、2019年4月にはINTL FCStone Financialと名付けた新たなプライムブローカレッジ部門を立ち上げた。同部門は、中規模のヘッジファンドやアセットマネージャー向けに、米国及びグローバル株式、オプション、先物、FX、債券取引の執行やカストディ(有価証券の管理)、クリアリング(清算)サービスを効率的に行うマルチアセットクラスの取引プラットフォームによるソリューション提供に注力している。加えて今回の買収をきっかけに、ヘッジファンドや投資信託、ファミリーオフィス(資産家の資産管理を行う組織)を対象として、トレーディング業務の受託やカストディ、クリアリングもしくはクリアリングハウスの紹介サービスなども強化していく方針だ。INTLのマネージングディレクター兼プライムブローカレッジ部門共同責任者であるMichael DeJarnette氏は、プライムブローカレッジサービスの中でもトレーディング業務の受託ビジネスは急速に市場が拡大しており、その分野の有力企業にして急成長を遂げているFillmore Advisorsを買収したことは、我が社に非常に大きなビジネス機会をもたらすとコメントしている。競合他社がプライムブローカレッジサービスから手を引く環境下、INTLはFillmore Advisorsを買収し、顧客ニーズが高まるトレーディング業務受託を含め、より充実したサービスを提供することで、更なる事業拡大が期待できそうだ。

release date 2019.07.12

出典元:

ニュースコメント

事業買収に注力するINTL

米国に拠点を置くINTLは、金融関連サービスにおいて幅広いセグメントビジネスをグローバル展開する世界大手の投資顧問且つアドバイザリー企業である。その歴史はとても古く、起源は1924年にニューヨーク州にて卵卸売業者として始まりを告げ、後にINTLは先駆的なM&A(合併・買収)を繰り返し、グローバルペイメント、証券、外国為替取引やアドバイザリーサービスなど、金融サービスのパイオニアとして堅調な成長を遂げた。それに付随し、2012年には最高の流動性プロバイダーのための外国為替マグナテスの業界賞を受賞した経歴を持ち、同年にフォーチュン社が毎年発行している米国の経済誌フォーチュン・グローバル500リスト(世界企業番付)にもランクインを果たしている。昨年、INTLはGMP Securities LLCを買収しているが、今年に入っては、INTLはCoinInvestとEuropean Precious Metal Tradingの買収計画を新たに公表するなど、現在は276億2270万ドルの売上高で企業世界番付にて53位にランクインし順調に業績を伸ばしている。このことから、事業買収やパートナーシップ提携は転換点であり、新規事業分野への進出や事業領域の拡大チャンスを導く重要な戦略といえるだろう。今回のFillmore Advisorsの買収が吉と出るのか、今後の動向に注目したい。


Date

作成日

2019.07.12

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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