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GMO傘下のZ.com Trade、モバイルアプリPipsterを閉鎖

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update 2021.08.31 15:30
GMO傘下のZ.com Trade、モバイルアプリPipsterを閉鎖

update 2021.08.31 15:30

2019年8月30日にサービスを停止

インターネット金融や仮想通貨事業を手掛けるGMOインターネット株式会社傘下の英国法人であるGMO-Z.com Trade UK Limited(8 Devonshire Square London EC2M 4PL, United Kingdom[1])【以下、Z.com Tradeと称す】が、2018年5月にリリースした次世代型FX・仮想通貨取引アプリであるPipsterのサービス提供を停止することが明らかになった。

Z.com Tradeは、外部環境の影響を考慮した結果、2019年8月30日にモバイルアプリサービスの提供を停止する旨を、既にPipsterを利用している顧客に対し電子メールで伝え始めている模様だ。また、2019年8月15日からは、同サービスを通じて新規取引を行うことはできず、保有ポジションの決済のみ利用することが可能だという。仮に、8月30日を過ぎても口座がアクティブのままである場合、口座は強制的に閉鎖されるとともに、残高は同社に登録済みの銀行口座へ返金されるとのことだ。なおZ.com Tradeは、金融規制に基づき、顧客の取引情報を最低5年間保管するとしている。

Pipsterは、トレーダーの取引行動を学習する先進的なテクノロジーを活用したFX・仮想通貨モバイルアプリだ。2018年5月末に、Z.com Tradeはフィンテック企業である株式会社Finatextホールディングスの英国子会社Finatext UK Ltdとパートナーシップ契約を締結し、同国にてPipsterの提供を行うことを発表していた。[2]また、Finatextホールディングスは、英国を拠点とする取引プラットフォームの開発に200万ユーロを投じており、ブレグジット後の事業展開に自信を示していた。

なお、ブレグジットを巡ってはOctaFXが英国子会社を閉鎖したほか、Aquisが仏当局より認可を取得し、フランスを拠点としてEU圏内での継続的な金融サービスの提供を行う決断を下している。ブレグジット情勢は引き続き混沌としているが、各ブローカーはグローバルベースで事業の再構築を図る機動力が求められているといえそうだ。

release date 2019.08.02

出典元:

ニュースコメント

各所に現れ出したブレグジットの影響

Pipsterは、スマートフォンアプリを通してビットコイン(Bitcoin)等の仮想通貨・FX取引が行えるサービスを提供しており、シンプルでわかりやすいユーザーインターフェイスが使用されるなど、ミレニアル世代と呼ばれる若者層をターゲットとしたサービス展開が特徴となっている。Pipsterが本拠地を置く英国では、先月23日に、EUからの離脱強硬派として知られるボリス・ジョンソン前外相が次期首相として決定したことから、ハードブレグジットが発生する可能性がより一層高まっていることを背景に、XM UKがTrading.comに顧客口座を移管する計画を明らかにするなど、各ブローカーは不安定な英国市場から安定した他国の市場へと営業基盤をシフトする動きが活発な模様だ。Pipsterに代表される若年層をターゲットとしたサービスでは、全体的な投資額が少なく、取引量も限られる事から、一般的なリテールブローカーに比べて、安定した収益を上げることが難しく、Pipsterとしてもブレグジットをきっかけに今後の事業に対して節目を付けたものと見られている。ブレグジットを巡っては市場へのネガティブな影響が心配されるが、各社の企業努力により市場が更に活性化される事に期待したい。


Date

作成日

2019.08.02

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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