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Aquis、仏当局より認可を取得

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update 2021.08.31 15:27
Aquis、仏当局より認可を取得

update 2021.08.31 15:27

ブレグジット後も引き続き欧州各国でサービス提供が可能

英国・ロンドンを拠点に証券取引所を運営するAquis Exchange PLC(本社:77 Cornhill, London EC3V 3QQ UK[1])【以下、Aquisと称す】は1月24日、同社のフランス完全子会社であるAquis Exchange Europeが、EU圏内で継続的に多角的取引システム(Multilateral Trading Facility、従来の証券取引所での取引を代替する取引システム、日本の私設取引システムPTSに相当[2])【以下、MTFと称す】を運営すべく、フランス当局より関連する認可を取得したことを発表した。

Aquisは、欧州全域にて株式トレーディング関連MTFを運営する英国法人Aquis Exchangeも傘下に収めている。他方で英国では、クロスボーダー取引(複数国間で行われる取引)を混乱なく行うことも含めた離脱協定案に関して、議会の同意を取り付けられず、3月末に合意なき離脱(ハードブレグジット)となる可能性が高まっている状況だ。そのためAquisでは、数か月後に迫るブレグジットの結果次第で多くの混乱が生じる可能性を回避すべく、この度新会社設立の認可を取得したことで、EU圏内にて継続的にクロスボーダーの株式トレーディングサービスを提供していくことができるようになる。

Aquisはこの度、フランスの規制監督当局であるプルーデンス監督・破綻処理庁(Autorité de Contrôle Prudentiel et de Résolution, ACPR)と金融市場庁(Autorité des Marchés Financiers, AMF)から認可を取得した。新会社はフランスの首都パリにオフィスを構え、MTFを運営する認可を得た投資企業として位置づけられるとのことだ。また、現在Aquisにてセールス業務部(Sales and Bussiness Development)の責任者を務めるGraham Dick氏がパリの新会社でCEOを務めることになる見通しである。

フランス当局から認可を取得したことに際し、AquisのCEOであるAlasdair Haynes氏は以下のようにコメントしている。

我々は、ブレグジット前にACPRとAMFより認可を取得できたことを喜ばしく感じております。無事認可を取得できたことで、今後ブレグジット動向が如何なる結果になろうと、お客様に大きな混乱を与えることなく、英国とEU27か国にてMTFを継続的に運営していくことができると考えております。そして、現在に至るまで変わらず支援して下さったお客様に重ねて感謝の意を表すと共に、新たな任に就くGraham氏の成功を願っております。

Alasdair Haynes, CEO of Aquis - Aquis Exchangeより引用

ブレグジットが間近に迫る中、Aquisは引き続き欧州圏内で継続的に事業を行うことを選択した一方で、Abshire-Smithが英国事業を閉鎖した他、OctaFXも英国子会社を閉鎖しオフショア市場へ事業基盤を移す経営判断を下した。ブレグジット情勢が混沌とする中、欧州を地盤とするブローカーにとっては、ブレグジット動向を見据えたスピーディーな事業再構築が求められていると言えよう。

release date 2019.01.25

出典元:

ニュースコメント

合意なき離脱は回避できるのか

2019年3月29日の期日が差し迫る英国のEU離脱に向けて、英国内や近隣諸国ではブレクジットの最悪のシナリオとされている「合意なき離脱」の回避策の対応に迫られている。1月21日にメイ首相が提出した離脱代替案に関し、英国労働党はメイ首相が現実を直視していないと指摘し、再度の国民投票を実施することを含む動議書を提出した。独バーレイ法務相は離脱の道は変わらないものの、国民投票を行うことで時間的余裕が確保され状況が落ち着く可能性がある、と国民投票を提案している。また、独メルケル首相は、ブレクジットが合意に基づくものになることを確実にするため最善を尽くすと表明しており、懸念されていた「合意なき離脱」に若干の回避ムードも感じられる。為替市場でも、2年以上加速していたポンド売りが、縮小傾向にあることが報告された。米商品先物取引委員会(CFTC)の週間統計では、2018年12月21日にはポンドの対ドルの売り越しが48億4,000万ドルと、2018年9月の65億ドルから売り越しが縮小していることが発表されている。一方でハードブレクジットに備え、英国の金融監督当局であるFCAは金融パスポート継続措置を導入することを発表するなど、ハードブレクジットへの不安はぬぐい切れておらず、今後の英国の動向から目が離せない。


Date

作成日

2019.01.25

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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