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米国における約3割の個人投資家がビットコインに興味

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update 2021.08.31 15:30
米国における約3割の個人投資家がビットコインに興味

update 2021.08.31 15:30

加熱するメディアの報道も普及拡大に貢献

仮想通貨関連の投資商品を開発するGrayscale Investments(本社:250 Park Avenue South, New York[1])【以下、グレースケールと称す】がリサーチ会社のQ8 Researchと共同で実施した調査によると、米国における個人投資家のおよそ3分の1以上がビットコイン(Bitcoin)に興味を持っていることが明らかになった。[2]

2009年のリリース以来、主要メディアが幅広い人々に投資商品としての有用性を訴求し、ビットコイン人気は拡大の一途を辿っている。例えば、仮想通貨に対して懐疑的な見解を示してきたCNBCのテレビ番組、Squawk Boxでさえも、ビットコイン擁護派の人物をチームに招き入れて番組制作を行なっているという。このような背景から、米国では既に2,100万人を超える個人投資家がビットコインへの投資を検討しているようだ。

今回の調査結果では、ビットコインへの投資を検討していると答えた投資家が米国の平均的な投資家像に適合し、それぞれが持つ政治的な見解や収入レベル、キャリアは類似していることがわかっている。また、これらの投資家は平均的な投資家よりも経験豊富でリスクに対する許容度が高く、年齢的にも若い傾向があり、他の投資市場よりも性別による差が少ないという。実際、ビットコインに関心があると答えた投資家の43%が女性で、その内の93%が適切な教育リソースと財務アドバイザーなどの助言があればビットコインに投資したいと回答した。また、Finatextホールディングスは、英国を拠点とする取引プラットフォームの開発に200万ユーロを投じており、ブレグジット後の事業展開に自信を示していた。

調査対象となった投資家の内、ビットコインを投資と見なすと回答したのは36%で、30%が中立、残りの36%が興味がないと答えた。これらの投資家はビットコインへ投資を行う動機として、83%がポジションサイズの柔軟性、79%が成長のポテンシャル、75%が希少性の向上を挙げているという。仮想通貨は他の資産クラスと組み合わせることでポートフォリオのダイバーシティを強化し、収益性を高めることが可能なものの、投資市場に深く浸透させるためには教育リソースの不足や不十分な規制環境、犯罪利用など、解決すべき問題点も数多く存在するのが現状だ。

最近では、動画配信サービスのNetflixで仮想通貨に関するドキュメンタリーが制作されるなど、より多くのメディアがビットコインに注目しているが、これが大衆への間口を開くきっかけとなるのか、今後も米国市場の動きには注目していきたい。

release date 2019.08.02

出典元:

ニュースコメント

仮想通貨への投資拡大が新たな問題に発展

以前からグレースケールはビットコインの有用性を提唱しており、自社の仮想通貨関連商品および仮想通貨市場全体の拡大に貢献してきた。今年5月にはグレースケールは#DropGoldというプロモーションを実施し、金よりもビットコインをポートフォリオに組み込むよう投資家に訴求している。その甲斐もあってか、同社は業績を飛躍的に伸ばしており、2019年第1四半期のグレースケール投資レポートで運用資産残高(Asset Under Management)が前期比で40%上昇したことを伝えた。このようなヘッジファンド企業の活躍は仮想通貨市場における個人投資家の成功を後押ししたものの、仮想通貨関連の脱税問題を加速させるなど、投資家の意識レベルの低さを露呈する結果となった。その他にも米当局は麻薬売買やマネーロンダリングなどのリスクを懸念し、規制の厳格化を進めているようだが、どのような対策に出るのか、今後もその取り組みを見守っていきたい。


Date

作成日

2019.08.02

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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