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レッジャーX、ビットコイン先物の提供を延期

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update 2021.08.31 15:30
レッジャーX、ビットコイン先物の提供を延期

update 2021.08.31 15:30

必要なライセンスを保有していないことが判明

先日、米国初となる現物決済のビットコイン(Bitcoin)先物のローンチを発表したLedgerX LLC【以下、レッジャーXと称す】だが、必要なライセンスを保持してないことを理由に米商品先物取引委員会(US Commodity Futures Trading Commission)【以下、CFTCと称す】から制止が入り、その提供開始がひとまず延期された事が明らかとなった。[1]

レッジャーXは昨年11月にCFTCに対してライセンスの申請を行っており、当初、今年4月を目標として、ビットコイン先物を提供するための準備を進めてきたという。結局、CFTCから指定契約市場(Designated Contract Market)としての承認を受けたのは6月下旬に入ってからとなったが、レッジャーXは同月にプラットフォーム上で受け入れテストを実施し、7月中のローンチが実現可能な所まで漕ぎ着けていた。しかしながら、今回、レッジャーXがデリバティブ決済業者としての承認を得ていないことが判明しており、結果的にCFTCが同社のビットコイン先物の提供開始を阻止する形となった。

CFTCの規定によると、企業がデリバティブ決済業者としての申請を行ってから承認の可否を回答するまで、当局には審査期間として180日の猶予が与えられるという。このことからレッジャーXのCOO(Chief Operating Officer)であるJuthica Chou氏は、申請から180日が経過しても当局からの返答がなかったため、レッジャーXはビットコイン先物のローンチに踏み切ったと説明しているが、CFTCのある高官は回答が無いことは承認を意味するものではないと反論した。これに対してレッジャーXのCEOであるPaul Chou氏は、CFTCが同社の申請に回答しなかったことが混乱を招いたと主張しており、当局が然るべき対応を取らなければ法的措置を取ると発言している。

レッジャーXのビットコイン先物は個人向けの商品であり、ビットコインを担保にいつでも取引可能なことや入出金に銀行口座を必要としないことから、仮想通貨市場に革新をもたらす存在になると期待されている。仮想通貨関連のツールを提供するTradeBlockのリサーチディレクターであるJohn Todaro氏は、このビットコイン先物が機関投資家よりも個人投資家にとって有用な商品だと評価している。現在、BakktやErisXも同様にビットコイン先物の提供開始を見据え準備を進めているが、CFTCはこれら企業にどのような対応を見せるのか、今後、レッジャーXの動きと合わせてその展開を見守っていきたい。

release date 2019.08.02

出典元:

ニュースコメント

米当局も仮想通貨デリバティブの危険性を警戒

英国では個人投資家の保護を目的に、金融監督当局である英国金融行動監視機構(Financial Conduct Authority)FCAが仮想通貨デリバティブの禁止を検討しているが、この流れを汲んで米国でもその危険性に対して警戒が高まっているようだ。米国内におけるデリバティブ商品の取引はCFTCの管轄下にあり、対象となる企業はスワップ・データレポジトリ(Swap Data Repository, SDR)と呼ばれるデータベースの情報を提供するよう義務付けられている。仮想通貨デリバティブに関してもそれは例外ではないが、当局は企業が海外に存在する関連会社を通じてこの規制を回避する可能性があることを懸念し、ライセンス発給の厳格化に動いているという。米証券取引委員会(US Securities and Exchange Commission)SECもビットコインETFに関する回答を延期しており、トランプ大統領も仮想通貨に否定的な発言をTwitter上で行うなど、アメリカ政府機関全体が仮想通貨に対してネガティブな態度を示しているだけに、今後も当局の動向には注目していく必要がありそうだ。


Date

作成日

2019.08.02

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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