Select Language

GAIN、自社の売却先に複数社が浮上

GAIN、自社の売却先に複数社が浮上

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.06.07 11:24
GAIN、自社の売却先に複数社が浮上

update 2022.06.07 11:24

Plus500, IG, CMC, ジェフリーズなどが候補

2019年7月17日、GAIN Capital Holdings Inc(本社:135 US Highway 202/206, Suite 11 Bedminster, NJ 07921[1])【以下、GAINと称す】が、有力な競合他社から買収提案を受けたとの観測が浮上して以降、売却先企業としてPlus500UK Ltd【以下、Plus500と称す】やIG Groupなど複数の有力ブローカーが候補に挙がっている。

GAINは買収観測を受け株価が急騰したことから、現在の市場価値が1億8,480万ドルになる。それを踏まえ同社の売却先候補の1社目が、英国・ロンドンを拠点とし、GAIN買収のために投じることのできる豊富な余剰資金を有しているPlus500だ。しかしながら、Betavilleと呼ばれるサイトが第一報を報じた際に、Plus500の株価は特段大きく反応しなかった。2社目が、GAINを買収するだけの資金を保有し、2019年2月に米国法人を設立したIG Groupである。多額の費用がかかり、非常に複雑で長期間に亘る審査期間を経て、米国でFX事業運営を行うためのライセンスを取得した同社にとって、すぐにGAINを買収する可能性は非常に低いと見られる。3社目としては、英国の大手FX・CFDブローカーであるCMC Markets UK plcが挙げられている。同社の市場価値はGAINの2倍ほどに当たる約3億5,000万ドルにも上る。ただし、欧州当局による規制強化の影響を大きく受ける中、多額の資金をGAIN買収に用いることは非常にリスクが高いといえる。4社目は、FXCM Group, LLC【以下、FXCMと称す】を救済したジェフリーズ(Jefferies)だ。豊富な手元資金と大型買収案件を統括できる経験豊富な人材を有しているが、GAINを買収する可能性は低いと見られる。GAINは数年前にFXCMから買収提案を持ちかけられた際には、敵対的買収に対する企業防衛策として知られるポイズンピル(毒薬条項)を導入していたが、2016年4月に期限が切れたことを発表している。ジェフリーズが仮にGAIN及びForex.comブランドを手に入れ、FXCMが擁する専門性の高い人材を有効活用すれば、米国市場で最大のブローカレッジファームにのし上がる可能性は高いといえるだろう。

また、キャッシュリッチでハイレバレッジサービスを提供するオーストラリア拠点のブローカーも、G7(先進7カ国)での市場拡大を目論んでいるようだ。その他、中国の投資家やロシアの新興財閥、キプロス拠点のブローカーはそれぞれ、国外への資金持ち出し制限や米国との政治的軋轢、高レバレッジを求めトレーダーがオフショアへシフトするといった課題を抱えていることから、GAINを買収する可能性は低いと見られる。尚、4月にGAINが発表した2019年度第1四半期業績は、厳しい市場環境から赤字に転落するなど、軟調な業績を受け同社の株価も史上最安値圏で推移していた。そのため、長期投資の機関投資家が同社株を割安と判断して資金を投じる可能性がある一方で、今回の買収が敵対的か否かを問わず、GAINはいかなる企業防衛策も講じていない状況だ。

GAINもしくは売却先候補として挙げたどの企業も、GAINの売却案件に関して公式声明を発表しておらず、確かな証拠もない。また、GAINの売却に関するニュースが出たのは取引時間中のことであり、投機取引に利用するための単なる噂にすぎないとの見解もあるようだ。しかしながら、低ボラティリティの第1四半期には、ほとんどの大手ブローカーが苦戦する結果となっており、FX業界で合従連衡などが起きることで、市場が活性化されることを期待したい。

release date 2019.07.19

出典元:

ニュースコメント

GAIN買収を取り巻く今後の動向

ウォール街のインターバンク出身者らによって設立されたGAINは、世界180カ国でおよそ12,000種類ものFXを含む金融商品を提供しているグローバルなリーディングカンパニーとして市場を牽引してきた。GAINの2018年度通期業績は良好であったものの、2019年度第1四半期の業績は純営業収益は3,840万ドルと、前年同期の9,840万ドルから61%の大幅な減収となった。足元の厳しい状況ではあるが、GAINは新規口座開設数を伸ばしているため、今後のマーケティング戦略、革新的なサービスの提供による業績の巻き返しに期待が高まっていた中で、今回の買収観測を受けた状態である。GAINとしては今だ、何らの対策も講じていない状況ではあるが、GAINの買収が現実のものとなれば、業界全体に大きなインパクトを与えるに違いない。そのため、引き続きGAINおよび売却先候補として挙げられた企業の動向には注視していく必要がある。


Date

作成日

2019.07.19

Update

最終更新

2022.06.07

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

Bybitが日本ユーザーの新規登録を停止!日本撤退で海外FXユーザーにも影響大か?

Bybitが2025年10月31日をもって日本ユーザーの新規登録停止を発表しました。既存ユーザーは継続利用できるものの、締め出しも時間の問題と予想する声も少なくありません。本記事では、Bybitの発表内容や海外FXユーザーへの影響などを解説します。
update2025.11.06 19:00

Vantage Tradingで出金遅延、担当者が語る原因と対応

Vantage Tradingで銀行出金に関する遅延が確認されています。出金申請後に着金まで時間を要するケースが報告されており、SNS上でも混乱が発生している状況です。原因としては入金額の急増や決済システム側の処理制限が影響しているものと見られます。
update2025.10.24 19:00

FXGT破綻の噂がSNSで再浮上、CEOは「完全なデマ」と否定

海外FX業者のFXGT(エフエックスジーティー)が「経営破綻の危機にある」との噂が一部で広がっています。噂が流れているのは主にX(旧Twitter)で、FXGT公式はこれを否定しています。当サイトではFXGTにこれらの噂について、事実確認を行いました。
update2025.11.04 19:30

bitcastleは詐欺業者?口座開設ボーナスで出金拒否多数

SNS上ではbitcastleから「出金できない」「口座を凍結された」といった報告が相次いでいます。本記事では、bitcastleで報告されている出金トラブルを紹介するほか、bitcastleは詐欺業者なのかどうか説明します。
update2025.10.21 19:30

XMはゴールド(XAUUSD)のスプレッドも広い?ボーナス取引で実質お得

XMTradingのゴールド(XAUUSD)はスプレッドこそ狭くないものの、スワップフリー口座や豪華ボーナス、約定スピードの速さで十分に利用の検討余地があると言えます。当記事ではXMTradingでゴールド取引が向いている・向いていないトレーダーを他社と比較しながら解説していきます。
update2025.10.22 19:00

XMTradingの入出金で銀行口座凍結?海外FX禁止の銀行に注意

SNS上では「XMTradingの出金で銀行口座が凍結された」とする投稿が一部で見受けられます。銀行によっては海外FXとの取引を禁止しているため注意が必要です。本記事では凍結リスクが高い銀行や仮想通貨送金の注意点を説明します。
update2025.09.03 19:00

Exnessで10月に2度もサーバーダウン!?SL設定のユーザーは損失補填

海外FX業者のExnessで、10月に2度のサーバーダウンが発生しています。一連のトラブルが原因で、損失を被ったユーザーも少なくないようです。本記事では、報告されている不具合やExnessが実施した補償などについて説明します。
update2025.10.30 19:30

メタマスク等の利用が規制対象に?金融庁がDEXの規制を議論

暗号資産WGでの議論を発端に、SNS上で「DEX利用が非合法化されるのでは?」といった投稿が話題になっています。本記事では、金融庁で議論されたDEX規制の現状や、SNSで広まる情報の真偽、海外FXユーザーへの影響などを解説します。
update2025.10.28 19:00

SwiftTraderが資金難?SNSで出金トラブル報告が増加

2025年以降、SwiftTraderで出金拒否・遅延の報告がSNSで相次いでいます。本記事では報告されている出金トラブルのほか、GEMFOREXとの類似点やSwiftTraderをおすすめしない理由を説明します。
update2025.10.16 19:30

香港エキスポでAxiブースが襲撃される、規約違反のトレーダーによる抗議と判明

香港で開催された「iFX EXPO Asia 2025」の会場で、海外FX業者Axiのブースが襲撃される騒動が発生しました。騒動を撮影した動画がSNS上に投稿されたことで、一部の海外FXユーザーの間で注目を集めています。本記事では、今回の襲撃騒動の経緯とAxi側の説明などをご紹介します。
update2025.11.04 19:00

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル