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米SEC、VanEckのビットコインETFに対する回答を延期

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update 2021.08.31 15:26
米SEC、VanEckのビットコインETFに対する回答を延期

update 2021.08.31 15:26

Bitwiseに続き5週間の延期を決定

米国証券取引委員会(US Securities and Exchange Commission)【以下、SECと称す】は、VanEckがSolidXと共同で開発するビットコインETF(Exchange Traded Fund)に対する承認可否の回答を5週間延期することを発表した。[1]

これまでSECはBitwiseのビットコインETF申請への回答を延期するなど、ビットコインETFに関する判断を先延ばしにしており、現在はBitwiseの他に、グレースケール、ジェミニなど合計7件の申請が審査中となっている。VanEckは2016年7月にビットコインETFの申請を行なったが、未だ明確な回答を得ておらず、今回もSECは、ビットコインの価格操作に対する耐性が確認できないことを理由に回答の延期を決定している。加えて、SECはVanEckが提案するマネーロンダリングや価格操作などの不正を監視するスキームが十分ではなく、仮想通貨取引所などとの契約に改善の余地があることを指摘した。

また、公開された文書によると、SECはビットコインETFが連邦政府の金融取引ガイドラインをクリアできるかに懸念を抱いており、リクイディティやカストディ、市場の透明性にまで切り込んで検証を行っているようだ。特にVanEckのビットコインETFは、Bitwiseなどのスポット価格を参照するモデルとは異なりOTC(店頭取引)市場の価格に連動する構造のため、その点に関しても精査が必要となるだろう。

SECは、ビットコインETFに関する検討を進めるためにパブリックコメントを募る公示期間を設けており、これまでに25件のコメントを集めている。公示期間の締め切りが来月24日に設定されているため、正式な回答はそれ以降になると予想されるが、引き続き当局の動きには注目していきたい。

release date 2019.05.21

出典元:

ニュースコメント

流動性の低さが価格操作の危険性を招く

ビットコインの供給量は、2,100万通貨に設定されているが、現在そのほとんどがマイニング済みとなっており、2033年までには全体の99%が市場に流通する見通しだという。このシステムは、ビットコインの希少性を維持するために採用されたものだが、同時に流動性も制限してしまうため、価格操作のリスクを促進する要因ともなっている。株式市場や為替市場と比べると、仮想通貨市場は、一部の大口投資家や多くの仮想通貨を報酬として得る開発者などが、価格への影響力を持ちやすい構造になっており、過去には、BitMEXやGDAXでフラッシュクラッシュが発生した例が報告されている。SECとしては、このような危険性が存在する以上、慎重に判断を下すべきなのは確かだが、仮想通貨市場では、ブロックチェーン監視ソリューションの導入やKYC(顧客確認)の徹底など、セキュリティ面での改善が進みつつあるだけに、そこまで状況を悲観的に見る必要もないのかもしれない。ここまで判断を先延ばしてきたSECには、期待を寄せる仮想通貨コミュニティのためにも、今後納得のいく回答を期待したい。


Date

作成日

2019.05.21

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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