作成日
:2019.05.21
2021.08.31 15:26
米国証券取引委員会(US Securities and Exchange Commission)【以下、SECと称す】は、VanEckがSolidXと共同で開発するビットコインETF(Exchange Traded Fund)に対する承認可否の回答を5週間延期することを発表した。
これまでSECはBitwiseのビットコインETF申請への回答を延期するなど、ビットコインETFに関する判断を先延ばしにしており、現在はBitwiseの他に、グレースケール、ジェミニなど合計7件の申請が審査中となっている。VanEckは2016年7月にビットコインETFの申請を行なったが、未だ明確な回答を得ておらず、今回もSECは、ビットコインの価格操作に対する耐性が確認できないことを理由に回答の延期を決定している。加えて、SECはVanEckが提案するマネーロンダリングや価格操作などの不正を監視するスキームが十分ではなく、仮想通貨取引所などとの契約に改善の余地があることを指摘した。
また、公開された文書によると、SECはビットコインETFが連邦政府の金融取引ガイドラインをクリアできるかに懸念を抱いており、リクイディティやカストディ、市場の透明性にまで切り込んで検証を行っているようだ。特にVanEckのビットコインETFは、Bitwiseなどのスポット価格を参照するモデルとは異なりOTC(店頭取引)市場の価格に連動する構造のため、その点に関しても精査が必要となるだろう。
SECは、ビットコインETFに関する検討を進めるためにパブリックコメントを募る公示期間を設けており、これまでに25件のコメントを集めている。公示期間の締め切りが来月24日に設定されているため、正式な回答はそれ以降になると予想されるが、引き続き当局の動きには注目していきたい。
release date 2019.05.21
ビットコインの供給量は、2,100万通貨に設定されているが、現在そのほとんどがマイニング済みとなっており、2033年までには全体の99%が市場に流通する見通しだという。このシステムは、ビットコインの希少性を維持するために採用されたものだが、同時に流動性も制限してしまうため、価格操作のリスクを促進する要因ともなっている。株式市場や為替市場と比べると、仮想通貨市場は、一部の大口投資家や多くの仮想通貨を報酬として得る開発者などが、価格への影響力を持ちやすい構造になっており、過去には、BitMEXやGDAXでフラッシュクラッシュが発生した例が報告されている。SECとしては、このような危険性が存在する以上、慎重に判断を下すべきなのは確かだが、仮想通貨市場では、ブロックチェーン監視ソリューションの導入やKYC(顧客確認)の徹底など、セキュリティ面での改善が進みつつあるだけに、そこまで状況を悲観的に見る必要もないのかもしれない。ここまで判断を先延ばしてきたSECには、期待を寄せる仮想通貨コミュニティのためにも、今後納得のいく回答を期待したい。
作成日
:2019.05.21
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。
ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。
お問い合わせ先 [email protected]
Milton Marketsが夏トク15%入金ボーナスキャンペーンを開催!
2023.06.21 19:30
XMTradingがF1チームスクーデリア・アルファタウリとスポンサーシップを締結
2023.03.28 20:00
海外FX業者で取引できるエネルギー銘柄は?取引の種類やメリットを解説
2023.02.27 20:00
仮想通貨HOOKとは?将来性は?Hooked Protocolが提供するWild Cashも解説
2022.12.13 21:00
Huobi(旧Huobi Global)は日本居住者向けサービスを停止していない?
2022.12.08 19:30
分散型取引所dYdXの使い方をイチから解説!注意点も紹介
2022.12.01 20:00
免責事項:Disclaimer
当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。
本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。
Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー