作成日
:2026.06.09


2026.06.09 18:19
今後、仮想通貨(暗号資産)は金商法(金融商品取引法)への移行が予定されており、申告分離課税(約20%)の実現など税制面での変更が大きな話題となっています。しかし、金商法への移行に伴い、金融庁は海外無登録業者への規制強化も進める見込みとされています。
規制が強化されることで、海外FXに海外取引所を経由して送金するルートが使いにくくなる可能性があります。本記事では、金融庁の規制強化の方針や、代替となるウォレット経由の送金ルートなどを紹介します。
2026年6月2日、金融庁は3月31日に開催された「金融行政モニター委員と金融庁幹部との意見交換会」の議事要旨を公表しました。今回の意見交換会では、日本に拠点を持たない海外無登録業者への規制強化などが話し合われています。
議事要旨によると、金融行政モニター委員は、無登録業者が違反行為をしても刑事訴訟や資産没収ができない現状に対し、裁判所による禁止・停止命令、課徴金や行政没収の導入検討を求めています。
これに対し、金融庁幹部は難しい問題であることを認めた上で、仮想通貨(暗号資産)の金商法移行により、無登録業者への対応が強化されると回答しました。また、証券取引等監視委員会による課徴金納付命令の勧告や、裁判所への緊急差止命令の申立てが可能になることに加え、海外当局との調査協力が強化されることを説明しています。
金融庁が説明しているとおり、仮想通貨(暗号資産)の金商法移行に伴い、今後は海外無登録業者への規制がさらに強化される見込みです。規制強化の影響度合いによっては、日本から撤退する海外取引所がさらに増加するかもしれません。
もし海外取引所の日本撤退が加速した場合、海外FXに海外取引所経由で送金するルートが、現状よりも使いにくくなる可能性があるでしょう。
直近の事例では、2025年12月22日に主要海外取引所のBybit(バイビット)が日本居住者向けサービスの提供終了を発表しました。日本撤退の背景には、金融庁による規制強化や圧力があったと考えられます。
Bybitは過去に金融庁から無登録業者として3回もの警告を受けていました。また2025年2月には金融庁の圧力により、日本のAppStore・Google PlayからBybitなど無登録暗号資産交換業者5社のアプリが削除されています。こういった規制強化を背景に、Bybitは日本向けサービスの提供終了を決断したと考えられるでしょう。
現時点で日本ユーザーが使える主要海外取引所としては、Bitget(ビットゲット)やMEXC(メクシー)が挙げられます。しかし、いずれの取引所も金融庁から過去に複数回警告を受けていることに加え、2025年2月には日本のAppStore・Google Playからアプリも削除されました。
画像引用:無登録で暗号資産交換業を行う者の名称等について
両社ともBybitと同じような経緯を辿っているともいえるため、今後これら海外取引所も日本から撤退する可能性を否定することはできないでしょう。もしBitget、MEXCも日本向けサービスを終了するとなれば、海外取引所を経由した入出金ルートの利便性は大きく下がると考えられます。
今後、海外取引所経由の送金ルートが使いにくくなる可能性を考えると、事前に個人ウォレットやJPYCを使った代替ルートを準備しておくのはリスク回避の意味で有効です。
ここではウォレット経由ルート、JPYCを使ったルートごとに、それぞれの入金手順などを紹介します。
メタマスク(MetaMask)などのウォレットを経由し、海外FXに入金する手順は以下のとおりです。
STEP1
国内取引所からウォレットにETH等を送金
STEP2
ウォレット上でETH等をUSDTに交換
STEP3
ウォレットから海外FXにUSDTを送金
海外FXではUSDTでの仮想通貨(暗号資産)入出金が主流となっています。そのため、まずは国内取引所で購入した仮想通貨(ETHなど)をウォレットに送金し、USDTにスワップ(交換)してから送金するケースが多いです。
ウォレットでUSDTに交換するには、DEX(分散型取引所)やウォレットが提供しているスワップ機能などを利用します。スワップ機能の方が手軽に通貨交換できるため、初心者向きです。しかし、ウォレットによってはスワップ機能の利用に手数料を設定しているケースがあるため、その点には注意が必要です。
人気ウォレットのメタマスクでは、通貨同士を簡単に交換できるスワップ機能を提供していますが、利用時にはメタマスク側に支払う0.875%の手数料が設定されています(2026年6月4日現在)。スワップ機能で取引する金額が大きくなるほどコスト負担も大きくなります。
なお、国内取引所とウォレット間での送金は基本的にトラベルルール対象外のため、海外取引所経由のルートよりも自由に入出金ができるといえるでしょう。ただし、ウォレットを使う場合は取引所と異なり、良くも悪くも自分でシードフレーズを管理する必要があります。
日本円ステーブルコインのJPYCを利用して、海外FXに入金する手順は以下のとおりです。
STEP1
JPYC EXでウォレットにJPYCを発行
STEP2
ウォレット上でJPYCをUSDTに交換
STEP3
ウォレットから海外FXにUSDTを送金
まずはメタマスクなどの個人ウォレットにJPYCを発行します。JPYCは専用プラットフォームのJPYC EXで発行申込をした後、指定の銀行口座に日本円を振り込むことでウォレットに発行されます(発行手数料は無料)。
なお、当記事執筆時点(2026年6月4日)で、JPYCでの直接の入出金に対応している主要海外FXブローカーは確認できていません。そのためJPYCをUSDTなどに交換し、海外FXに送金する必要があります。JPYCをUSDTに交換する際は、DEXやウォレットのスワップ機能などを利用します。
その後、交換したUSDTを海外FXに送金する流れになります。Myforex編集部では、以下の記事でJPYCを発行して海外FXへ入金するまでの手順を検証しています。
JPYCを使うルートは国内取引所を利用する必要がなく、ウォレットさえあれば海外FXへの送金が可能です。そのため取引所による規制の影響を受けにくく、比較的自由度の高い送金方法といえるかもしれません。ただし、メタマスクなどの個人ウォレットを使用するため、シードフレーズの管理が必要となります。
X(旧Twitter)上では、今後の規制強化に伴い「監視強化によりウォレットを経由した入出金も注意した方がよいのでは」といった海外FXユーザーの声も見られます。
この点に関して、Myforex編集部では主要国内取引所に「国内取引所から個人ウォレットへ送金後、他の仮想通貨(暗号資産)にスワップしたり、海外取引所や海外FXに送金したりしても問題ないかどうか」を質問してみました。
各社によって返信内容は若干異なるものの、おおむね「送金後の操作については、当社では関与していないため、お客様のご判断で行っていただきたい」といった旨の返信がありました。
回答を見る限り、あくまで国内取引所は個人ウォレット送金後のユーザーの動きにまで関与しないスタンスであることがわかります。ただし、今後はどの程度の規制強化が行われるかなど不明確な部分も多いため、これからの動向にも注視していく必要がありそうです。
仮想通貨(暗号資産)の金商法移行によって、無登録業者である海外取引所への規制はさらに強化される見込みです。規制強化により日本から撤退する海外取引所が増加した場合、海外取引所を経由した送金ルートの利便性は下がる可能性があるでしょう。
こういった事態に備え、早めにウォレットやJPYCを使った送金ルートを準備しておくとよいかもしれません。
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作成日
:2026.06.09
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最終更新
:2026.06.09
2017年に初めてビットコインを購入し、2020年より仮想通貨投資を本格的に開始。国内外のメディアやSNSなどを中心に、日々最新情報を追っている。ビットコインへの投資をメインにしつつ、DeFiを使って資産運用中。
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